本屋で平積みにされていたので手に取って頁をめくってみた。極寒のシベリアで路頭に迷ったポーランド孤児、日本だけではないが日本は赤十字の要請に間髪入れずに答えた。日本に来た孤児、その頃の事からこの本の物語は始まっていた。
元々、祥伝社「小説NON」2015年12月号から「革命のエチュード」という題名で連載がはじまり、それに少し手を入れ「
また、桜の国で 」という題名で単行本として出版したそうだ。
人それぞれに好きな著者がいると思う。この本の頁をめくった時、迷わず買った。著者の須賀しのぶ氏のインタビュー記事を何本かネットで見たら納得した。私の好きな作家「北杜夫」、マンの「トニオ・クレーゲル」から杜夫としたけど、須賀氏もマンが愛読書だったと。
物語の舞台はポーランド、周辺の大国に蹂躙され、ロシア帝国に対する反乱、ワルシャワ蜂起の時に怒りを持ってショパンが発表したのが『革命のエチュード』。ポーランドの革命は成功しませんでしたよね。1939年、ドイツとソ連に国家が分割されポーランドは消滅。
あちこちに粗筋や読後感が書かれているけど、一度書店で手に取られると面白いと思います。
・・・・・・・・・・
この本の中にこんな一節があった。主人公の慎の回想、革命で祖国を失った父親・・・
・・・引用ここから
客間から聞こえるのは『革命のエチュード』だ。家のピアノではない。母がショパンのエチュード集のレコードをかけているのだ。
「私はこの曲をあまり好きではないのは、責められているような気分になるからだ」
それまで黙って耳を傾けていた父が、ポツリとそう言った。
「責められる?」
「おまえは何をしているのか、と問われているように感じてしまう。自分の中に負い目があるからだろう。戦わず、ただ膝を屈したのだと責められているようでな」
・・・引用ここまで
「おまえは何をしているのか」、思わず自分を振り返ってしまう。
・・・・・・・・・・
ショパンの「革命のエチュード」、好きなのは若い頃のブーニンの演奏。
(Bunin)Chopin Etude, Op. 10, No, 12
VIDEO
それと小菅優さん。
Chopin Etude Op 10-12
VIDEO
・・・・・・・・・・
ポーランドの日本に対する思い、この本の始まりにあるシベリア孤児救出だけでは無く、日露戦争でポーランドが心底憎むロシアを日本が打ち破った事も背景にありますよね。もしかしたら日露戦争勝利の方が影響が大きいかもしれませんよね。
しかし、この日露戦争、ユダヤ人の画策もあった。日本は戦争するための資金がなかった、その資金を提供したのはアメリカで資産を作ったユダヤ人。ポーランド分割でロシアにもユダヤ人は移った。
それ以前のポーランド。ロシアから追放されたユダヤ人達は分割されたポーランドに独自のコミュニティを作った。一方、スペインのユダヤ人も追放され、彼らは主に北アフリカに移った。この北アフリカに追放され、後にイスラエル建国でイスラエルにとやってきた彼らの子供達は治療と称して許容量の3万倍ものX線を照射された。
ポーランド人が日本をベタ褒め!意外な繋がりに感動!
VIDEO
・・・・・・・・・・
いつも同じことを書くけど音楽は素晴らしいし素敵だと思う。仕事で少し関われた事が幸運だと思っている。
Improvisation at the train station in paris!
VIDEO
↓ロンドンの11歳の少年。ハリーポッターのキングス・クロス駅。
Street piano Kings Cross. Waldstein Piano Sonata No.21 1st movement by Beethoven, Play Me I'm Yours.
VIDEO
Posted at 2016/12/03 08:35:49 | |
トラックバック(0) |
音楽っていい | 日記