日曜日の朝、山間のダム湖近くの展望台。
辺り一面、澄んだ冷気に包まれた雰囲気が伝わってくる通り、車載の外気温計はマイナス表示。沿岸部から十数km入っただけで5℃以上の気温差です。
今回私が一人ここへやって来たのは、単なる気分転換や思い付きではありません。前夜から周到に計画していたこのプチドライブのテーマはただひとつ、他でもないこのアクセラXDの「処遇」。
そう、動機は意外と重たかったのです。
・・・話は昨年の秋くらいに遡ります。
前年にデミオからCX-3へ突然の交代劇を仕出かしたばかりなのに、私は次期マイカー選びに関して、
「BEV か SKYACTIV-X」
と、パワーユニット観点から方針を絞り込み、(よせばいいのに)そのことを担当セールス氏や知人に公言し始めました。
かねてから多様なパワートレインの所有を目指してきた私。
現時点では、
①レシプロガソリン:2台(SKYACTIV-G 2.0、MZR2.3)
②ディーゼル :1台(SKYACTIV-D 2.2)
③ロータリー :1台(2Rotor)
で、まだ志半ばといった状態。
「あぁ、ガソリン車のどちらかがアクセラハイブリッド(HEV)だったらなぁ・・・」
と、何度悔やんだことかわかりません(笑)。
もっとも、最初からこの方針を掲げてマイカーを購入してきたわけではありませんし、アクセラXDに至っては元々実家のクルマ。
その上、我が家のマイカーラインアップにはパワートレイン上の分散だけでなく、「コンパクトSUV」「スポーツカー」「三列ミニバン」+「コンパクトハッチ」という用途・カテゴリー上の分散まで同時に課されているので、この複雑怪奇な連立方程式を解くのは一筋縄ではいきません^^;。
そんな折、マツダからついに世界初のガソリン圧縮着火エンジン「SKYACTIV-X」が登場。
さらには、秋の東京モーターショーでマツダ初の量産EVが参考出品されるに至り、私が待ち望んだ「新手のパワートレイン」の選択肢が次々に出現したのです。これが先の方針表明に繋がったわけですね。
しかも、年明けから晴れて解禁となった「SKYACTIV-X」搭載のMazda3を次々に試乗した私は、今までに経験したことのない新感覚のレスポンスに感動。今なお内燃機関を極め続けるマツダの心意気や、技術の先進性と開発陣の巧みな着想をしっかり予習しておいた私は、すっかりこの"X"に心を奪われ、飽くなき挑戦の象徴たる「RE & SKYACTIV-X」をぜひガレージに並べたい!と強く思い始めるようになったのです。
そして、真っ先に代替候補として挙がったのが、我が家随一のグランドツアラー・
アクセラXDでした。
折りしも、その後継にあたる新型Mazda3が先日から試乗してきたXのデモカーそのもの。走りやレスポンスの好印象に加え、一段と思い切ったデザインや進化したカラー、一昔前とは別次元の内装の質感など、昨今のマツダ車は十分見飽きたはずの私(笑)にも、グッと魅力的に映るNewカーでした。
もとより、アクセラXDは私のメインカーとしてインナーガレージでRX-7と並んでいるわけで、家族ユースとのしがらみも圧倒的に少なく、代替候補に挙げるには最適な位置にいる車両なのです。
ただ・・・
アクセラXDの放出はディーゼル車の消滅を意味し、マイカーのパワートレインの種類としては「±ゼロ」。
こと燃料の種類でいえば全車がガソリンになってしまいますしね。
それよりもなによりも、このクルマは亡き父の形見。
「おじいちゃんのクルマ、僕たちのためにとっておいて」
2年前の子供たちの言葉を借りるまでもなく、
そもそも代替の俎上に上げて良い存在なのか?
ここ一週間、私はこうした自問自答を悶々と繰り返した挙句、あたかも父との直接の対話を求めるかのように、ここにやってきたのです。
(つづく)
Posted at 2020/01/19 12:40:01 | |
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隠れ家のMazda3 | 日記