新型G63の価格が高過ぎる問題が発覚してから2週間ほどが経過しました。現行G63の場合は、「麻布カローラ」と揶揄されるほど、都内ではむちゃくちゃ走っていて、もはや
ステータス性がどうというクルマではなくなっています。実際、世界で売れているGクラスのうち、実に60%がフラッグシップモデルのG63なんだとか(日本ではもう少し比率は低い気もしますが・・)。
そんな現行G63最大のウリの一つが
純ICE・V8エンジンであることに間違いはありません。このエンジンは4Lの排気量を持ち、ツインターボ加給され、585ps/850n・mという
途方もないパワー/トルクを発生、トランスミッションは9ATというパワートレーンです。2.5トンもある車両をグイグイ加速させるそのパワー感はさながら
アメリカンマッスルカーのようです。ちなみに、前車のレンジローバー・ヴェラールは5LV8のジャガー製スーパーチャージャー付きエンジンでしたが、個人的にはエンジンのサウンド、フィーリングともにそちらの方が
圧倒的に好みでした。G63のエンジンサウンドはドロドロしていてさながらアメ車みたいですが、レンジローバーはもっと澄んだ音色で同じV8でもフェラーリのエンジンに近いフィーリングとサウンドでした。なので、G63そのものは大好きなんですが、
このパワートレーンにはそれほど思い入れがない、というのが正直な所です^^;。
そんな事もあって、より安価で直6エンジンが搭載されることになった新型G500に惹かれつつあります。ご存知の方も多いと思いますが、メルセデス・ベンツは生産効率の問題や、衝突安全性の問題(クラッシャブルゾーンの確保)などがあったため、一時
直6エンジンを捨てています。それが、2018年に突如S450に直6ターボユニット(ISG付)を復活させ、話題になりました。この『M256』と呼ばれるユニットの排気量は3L、つまり
単室排気量は500ccとなっています。エンジニアリングの世界では、単室排気量450㏄~500ccのガソリンエンジンというのは、
もっとも高効率と言われています。加えて、M256は
直6らしいスムーズさ(いわゆる「完全バランスエンジン」がもたらす気持ち良さ、BMW車で「シルキー6」と評される)も兼ね備えています。排気系の取り回しが複雑かつ補器類が多くならざるを得ないV型エンジンよりも
軽く作れるのもメリットです。
私が調べた範囲で、新型G500に搭載されるユニット名は公表されていませんが、おそらくこの
M256の改良版が搭載されるのではないか、と予想しています。旧来のM256ユニットが367ps/500n・mを発生していたのに対し、今度のエンジンは
449㎰/560n・m(+ISGは一時的に20ps/200n・mを追加する)ですから
かなりの進化です。当然2トンを超える体躯を推進しないといけませんのでこのくらいのパワー・トルクは必要です(ちなみに0-100km/hはG63よりも1秒遅い5.4秒とアナウンスされています)。G63は全体的に重たいクルマですが、とりわけ鼻先に重たいV8ユニットを積むため、操舵時の
よっこらしょ感が凄いです。この辺が、直6化され、軽量化された事でどの程度改善するのか、大変興味があります。鼻先が軽くて、シルキー6ならではの回転フィールと吹け上がりが期待でき、値段も1000万円安く、内外装の見た目もほぼ一緒なら・・今回は敢えて
G500にしようかな、と現時点では考えています(注:日本に導入されるかどうかは未定)。
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G63AMG | クルマ
Posted at
2024/04/10 14:07:46