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富山オフ会の帰りに福井県三方郡美浜町で聖地巡礼したわけですが、この地は原発銀座と言われるくらい原子力発電所が多く立地する地域であります。どこにでもあるような海と山に囲まれた漁村みたいな雰囲気ではありますが、発電所に従事される方のマンションや宿が多く、有事の際の避難看板が多かったりと（津波絡みかもしれませんが）ちょっと雰囲気が異なります。




京阪神から近くドライブルートとしては最適な場所で、私が初めてエンジン付乗り物で高校の友人とツーリングしたのも周山街道から敦賀へ向かい鯖街道で帰るルートでした。

国道２７号を外れて県道に入るとこのような案内看板が出てきます。
朝早かったせいもあり、すれ違う車は魚釣り目的の方らしき車と、関電施設従事者用の送迎バスと、下請け会社のワゴンが多かったです。美浜原発（関電）も敦賀原発（日本原電）も商用炉としては最古参です。



県道の至るところで休憩所（魚釣駐車場？）があり、トップ画の美浜原発がきれいに眺められます。クレーン車が関電専用橋を通過しています。


何のクレーンかと思いましたが、核燃料や使用済燃料等を輸送船に積み込む用途だそうです。（ＰＲセンターの広報映像より）



美浜原発の対岸にある美浜原子力PRセンターに到着しました。開館まで時間があったのでふらつこうかと思ったのですが、警備員さんに撮影について聞いたところ興味のある場所はことごとく立入・撮影禁止。

ＰＲセンターは７０～８０年代に考えた近未来の建物風です。
その当時私もガキの頃ながら未来はバラ色と思っていました。何故か正面から撮影しないでと言われ、斜めからだとOKでした。



ＰＲセンターの隣にある発電所への関電専用橋入口です。
看板にある通り、大きなトラックは通れないので大物は海上輸送に頼ってるのではないかと



原子力発電への警戒心の低減と理解を高めるのに担当者は日々苦労されてると思いますが、去年の災害を考えると原子炉建屋のゆるキャラはシュールです。



福井県はじめ近県の小中学校は社会見学などでこういった原発ＰＲ施設に行き、「原発は怖いイメージがあったけどちゃんと安全対策がされてると思った」とか「資源がない日本で原発は必要」など文科省の意向に沿った作文を書かされるケースが多いんですが、私がいた小中学校では最先端の平和教育を実践していたので「原爆＝原発＝恐怖＝死」で一括りにされ、ほとんど触れられることはありませんでした。どちらも上部組織の意向で結論ありきの教育になってしまうくやり方は感心できません。



原子炉の内部の実物大模型です、燃料棒と制御棒の動作の様子が再現されます。ネットの動画やビデオ教材で見るよりも実際に動いてる様子を見てるほうが理解しやすいです。



放射線シャットアウトゲームとか核分裂コントロールゲームは科学は万能と思われた８０年代の日本らしい発想ですが、現実では（人体被害があるかどうかは別として）放射性物質に翻弄されてるのが何とも皮肉です。



福島の事故ではここに記載されている万全な安全対策がすべて破られてしまいました。事業者が東電と関電と違うしうちはきちんとやってると論理が成り立つのかもしれませんが・・（※別のスペースで東日本大震災後の安全対策について万全であるという展示がありました。パワポで急いで作ったような文字だらけというのがなんとも）



福井県内の原子炉稼働状況です。０％が多い表示を見てると虚しくなってしまいます。問題ないなら動かせばいいにきまってますが、安全をだれが担保するのかと現状では国民感情がそれを許さないでしょう。しかしすぐ忘れる国民性なので数年後にはあっさり稼働できるのかもしれませんが。



関電専用橋をミラが通っていきます。関電＝ハイゼット電気自動車というくらい同じ関経連企業であるダイハツが強かったのですが、最近はアイミーブが配備されてるようで今後のダイハツの電気自動車計画が気になります。（トヨタ自体がハイブリッドを推進してるので純粋な電気自動車の開発が抑えられてるのでしょうか？）



発電所の敷地自体は思ったより大きくなく、あんな小さな施設から大都市を賄える電力を生み出せるというのは率直にすごいと思いました。確かに夢の発電方式と言われた理由がわかります。そういうことからか関電は他の電力会社に先駆けて福井県に多くの原発を作って依存度が高くなりました。結果、原発稼働が許されなかったこの夏は企業の節電対策で相当苦労しました。（関電というよりどっかの市長のせい？）電気は必要というのは誰もが共通認識ですが、リスクの高い原発は嫌だとか、近くに立地されると困るというのが本音かもしれません。私の実家も原発から直線距離だと３０ｋｍほどしか離れてませんが、立地の福井県でなく隣の京都府にあるため行政のサポートがなく危機感がなかったのですが、今頃になって色々騒ぎ出してます。

今のトレンドである脱原発や卒原発は数十年単位でかかるかもしれませんが、現に中京工業地帯を抱える中電は火力依存が長く続いたせいでＬＮＧ調達のノウハウが他電力会社より高く、原発依存が低くても関西より成長が続いてるのは周知の事実です。最近の貿易収支赤字の問題が不勉強なんですが、火力の増設で何とかなるんじゃないかと思ってます。風力と太陽光は発電量が桁違いに少なすぎて「工業用」発電としては懐疑的です。特に風力は前の仕事で懲りました。


色々複雑な思いをしてＰＲ館を出ましたが、数時間後には豊郷小学校で鉄道ネタと車ネタで夢中になってました・・。いいかんげんな性格ですみません。

この翌日に偶然にも滋賀県庁で嘉田知事を見かけてその日に卒原発を掲げた国政政党を結成する会見をされました。なんかえらい偶然が重なりましたが、選挙の判断材料としては良い機会だったと思いました。