
1年間で木更津イオン、ラー・飯能、APG御殿場、平塚と開催して来て30日に最終CITYKART戦を迎えるワンスマカート 華CUP、やはりAPGと平塚の救急車が出動するアクシデントで怪我をされた方もコース上で関わった方も、主催者もサーキット心を痛めたイベントが続きました。
心を痛めたのは当事者だけではなく当事者の家族や友人、そしてその場を共有した全ての参加者だったとも思います。
それでもイベントが終わると皆様からご意見を頂く事も多く、その中で『当てられた、報復かと思った、ブロックされた、ブロックしてやった、ねじ込んだ』等のフレーズです。
”安全に楽しくカートでモータースポーツごっこ”だったワンスマカートはいつから”喧嘩カート”になり下がってしまったのでしょうか?
年末も押し迫っての開催、忘年会も控えてますので今一度皆さんと安全で楽しいワンスマカートに立ち返る最終戦になって貰えればと思い、『安全のしおり』を作成し参加者の皆様に展開しましたので、こちらでもご紹介したいと思います。
色々なレンタルカートのイベントが増えた昨今ですから、イベントの雰囲気や趣旨、参加者のレベルなどもそれぞれです。
でも以下の事に気を付けて走って貰えばルールやマナーに加えて安全意識もあなたの事を守ってくれます。ワンスマカート以外に参加の方にも参考にして貰えれば幸いです。
以下の映像をご覧ください。
(平塚Fドリームで路面はWET、澤が個人スプリント戦で最後尾からスタートした5回のレース映像)
映像からわかるスピード差があっても極力周りに迷惑を掛けずに上手に走るPOINT ↓ ↓ ↓
・ 手を上げてお先にって気持ちを見せる(必ず譲ってくれるという保証はありませんが)
・ 横に並んだだけで相手がビックリスピンをさせてしまったような形になる事もある
・ シケインなど狭い区間は1列になるように
・ 追い越しは例え自分が2秒速くても簡単ではない
・ スタート直後の多重接触を予知回避する準備を
・ 前車に追いついてからどうするか考えるのではなく詰まっていく段階で準備
・ 相手のスペースを確保、相手は必ずしも自分に気づいてないかも?という用心深い走り
・ 慣れてない人ほどラインが不安定、コーナー出口で不意に失速、入口で突然スピンがあり得る
(自分の前に居る以上は追い越すまでは相手に優先権がある、追い越す側がリスクを背負う)
・ 夜間のレース、逆光などで視界が悪い時、前車が多くてその先が見えづらい時は特に注意
・ 押してしまった側より押されてしまった側のほうが衝撃や影響は大きい事
・ 前方でイエローフラッグなど見たら後続の車両に知らせる為にも手を上げるなど
・ 相手がミスをしても接触しない位にスペース確保
・ 並走状態でも相手が引かない場合は追いついた側が一回引いてあげる余裕
・ ラスト1LAPとかだと相手もブロックしてくる時あり、温かい目で見守ってあげる
こんなに色々な事を走りながら考えているの?って思う方が多いと思います。
速く走るより、上手に周りに配慮して自分の願望を押し殺して、様々な想定をしながら走る事の方が難しいのです。
上記の事が出来ない人、意識が回らない人の方が多いのが事実です。
→ これが出来たら皆プロドライバーになれちゃいますから。
大切なのはこういう意識で走れる人だけではない環境では自分の限界や自分の決めた安全マージンでは全然足りない事が多いって事です。
何度でも言います、『ワンスマカートはガチガチの順位を決めるレースではなく単なる“レースごっこ”』です。
初めてカートに乗る人、自動車すら免許を持ってない人も居れば、レーシングカート経験があったり、カートレース参戦経験があったり、4輪レースにプロ同様のスタイルで参戦している人だって居るし、ンタルカートでもプロドライバー顔負けのタイムで走る人も居ます。
技術の部分でもこれだけ“差”があるのに、安全に対しての意識やイベントに参加する上での意識にも差があったら・・・リスクは非常に高まります。
皆さんには以下の意識を持って参加をして頂きたいと思っています。
1 自分が良ければそれで良いという走りは絶対にしない
2 速い人、上手い人が慣れてない初心者を守ってあげる気配り走行
3 チーム全体の意識としてワンスマの求める参加者の走りに自分たちは合致しているか確認
4 何かクレームがあるなら終わるまでに澤に報告、解決させる
(直接チーム同士では“こじれる”可能性があるので澤を活用してください)
5 絶対に接触はなくならないけど、自分のカートだと思って走る。
スピード差(スキル差)があっても接触しない最大限の努力を。
6 仮に接触してしまったら直後にちゃんと謝罪、どっちが悪いではない。
7 けが人が出たり、他のドライバーやチームの批判をするような事はそれ自体が営業妨害になる
8 モータースポーツのリスク、自己責任を理解は家族には通じないという事を肝に銘じる
9 自分が怪我する可能性もあるが、人を怪我させてしまう可能性も秘めている
10 安全装備(プロテクター)や初心者マークなど積極的に活用
違うスピード、違うライン、違う意識で走っているカート同士、狭いコース上で当たってしまうのは”ある程度”は仕方がない事です。
プロのレースで接触ギリギリ、時に接触しながらでも走れるのは、お互いに技術があるからです。
ワンスマカートはそれとは違います、だから上手い人、慣れている人が慣れてない人を守ってください。
レンタルカートが普及して慣れているから速いだけ、中途半端な技術やレース知識ではた目から見るとラフ行為に見えるような小細工をするドライバーも増えた感じもします。
相手に接触して抜いてしまったり、相手をブロックした時点で負けです、ブロックなんて外から見ていてブロックしているのが分かるようならクオリティの低い”えげつない”走りなだけです。
時間を見つけ、私(澤)はピットロードで参加者の方に声掛けをするようにしています。
『大丈夫?問題ない?何かあったら言ってね!』って。
みな、その時は『大丈夫です、楽しんでます、問題ないです』って言ってくれる(その時は)
不満をイベント後にコース外も持ち出すのもルール違反です、ご理解ください。
よくあるケースや参加者からの声:
プッシングとイン捩じ込み、弾いてのオーバーテイク
青旗無視(提示から振動に変わっても)
相手の動きを見ながらのブロックライン、執拗なブロック、他車のコース外への押し出し
自分は悪くないという体、走行中文句言ってくる、
後で振り返ってみたら”勘違い””による接触。
→ "前に出た"、”譲ってくれた”、”自分の存在を確認してくれていた”と勘違い
→ 「ぶつけて順位を取り返された」と勘違い
経験者の装備の方にスピンさせられて抜かれ、謝罪はありませんでした。
ピットロードのIN / OUTの際の通常走行車両との危険な交錯
ドライバーの心理:
それまでの追いつき方からスピードのアドバンテージはこちらにあると思った。
4位走行中と分かっていたので、3位とは結果の魅力が違った。
各チームで一番経験のある人しか走っていないと言う情報からのバトルの許容値を引き上げた。
別のレンタルカートのレースに参戦中で予行練習にしたかった。
モータースポーツに誘ってくれた先輩、慕ってくれる後輩が居たので不甲斐ない結果は見せられなかった。
あそこのチームに負けたくない、あの人より速く走りたいという気持ち。
慣れてない人とは走り辛い、速い人に抜かれるのは怖いという初心者と経験者の心理の差。
皆様からの以下の様な意見もありました。(回答は当日のブリーフィングで)
・追い越し方、追い抜かれ方のレクチャーをしてはどうか
・技能レクチャー&フリー走行
・危険運転とみなされた車両には即座にペナルティーを出す
・マーシャルによるブルーフラッグやチームメイトにクールダウンを促す様指示
・クラス分け
・初心者マーク(分かりやすい腕章とか)
今回のCITYKARTでの対策:
クラス分け、初心者中心クラスと経験者中心クラスに分けました
個人スプリントはチーム対抗ではなくチームの中(最大5名)の仲間内でスプリント
(より知っている人同士で走るから危険を避けられるという期待)
初心者はヘルメット後頭部に初心者マーク張り付けを推奨
順位は50分の決勝耐久の順位のみで決定(アトラクションあり・女性ハンデあり)
初心者系クラスは練習走行25 + 10分の初心者専用タイム設けました
基本は両クラス共に25分練習走行、5LAPのチーム内個人スプリント、50分決勝耐久という内容
クラス分けの暫定を決定し、当日参加者のレベルを確認してから決定するチームと合わせて最終クラス分けをします。
もう一度最後に書きますが、ワンスマカートは凄く楽しいし安全ですが、ちょっとした事が重なると実はプロDrがやるサーキットでのレースよりもリスクが高くなる可能性を秘めています。
皆様のご理解とご協力なくしてワンスマカートの健全な存続はありません。何卒宜しくお願い致します。