2012年01月17日
2011年10月~12月期ドラマ感想批評
本当はリアルタイムに感想を書くつもりだったのですが、なかなかブログ書きが追い付かず、結局振り返って書くことになってしまいました。今回見ていた作品は、以下の通りです。
「私が恋愛できない理由」
恋愛ができなくなっている現代の女性をありのままに描く、というのがきっとこの作品の企画書の内容だったのでしょうね。でも、恋愛はしていましたよね。香里奈と付き合い、何もないまま別れた警官の人、あの人はかわいそうだ。一体、何のために登場した人物だったのでしょうか???この作品、恋愛できない女性を描くのでもなく、深層心理を描くのでもなく、大きな展開があるわけでもなければ伏線も起承転結も何もない作品でした。
以前から何度か、「ドラマはのび太の夏休みの日記(朝起きて昼寝して夜寝た)ではない。見ている人に劇的な展開を見せて、共感を呼ぶためにあるんだ。」と書いていますが、この作品はそののび太の日記でした。。。
「家政婦のミタ」
以前も書いた通り、基本は「女王の教室」です。この作品、ブームが終わって醒めた頭で考えると、「次回はどうなるのであろうか?」という期待感を視聴者に抱かせる点では秀逸だったのですが、いざストーリーとなると???あまり濃くはなかったような気がします。ミタの過去を回想シーンを含めてもうちょっと描けば、重厚な物語になったことでしょう。あと、最終回の最後のシーンは間延びしてよくありませんでしたね。ドラえもん第七巻の一時最終回のごとく、朝起きたらミタさんが去っていたような描き方の方がすっきりしてよかったのでは???
「蜜の味」
これ、ほとんど打ち切りというか尻切れトンボですよね。このドラマは、「視聴者がドロドロ感を感じるには、どのような設定にすればよいか。」から逆算して作ったのでしょう。それで近親者の恋愛を題材に下のではないかと思います。そのため内容らしい内容はなく、結局話題にもなりませんでした。これで「ドロドロ路線」は終わりかもしれませんよ。
「妖怪人間ベム」
これは文句ありません。特に第一話、第三話、第五話、最終回は秀逸です。でも、夏目刑事とベムとがわかりあえた第五話は、第八話か九話に持ってくるべきではなかったでしょうか?六、七話がたるんでしまいました。
全体的に昭和40年代の東映アニメーション作品群や東映実写ドラマの良いところを良く現代によみがえらせたものだ、とも感心しました。最終回も、アニメーション版の最終回の風景を生かしながら、脚本家が良くアレンジしていると思います。
そうそう、最終回の銃撃戦シーンも忘れられません。ベムたちは拳銃では死なないとはいえ、苦しみながら銃弾を体で受け、人間を守るシーンは落涙モノでした。「太陽にほえろ!」のテキサス刑事やラガー刑事の殉職シーン、宇宙戦艦ヤマト2やさらば宇宙戦艦ヤマトの「斉藤始」殉職シーン、そもそもは「弁慶の最期のシーン」ですが、日本人は「滅私奉公」に弱いんだよなあ~。
続編はないでしょうが、久しぶりの秀作でした。
「南極大陸」
第一話の視聴率と、その後の視聴率急落、維持について週刊誌が良く書いていましたね。確かに中だるみはありました。しかも、この作品の演出をした「福澤克雄」さんという方は、金八先生第四シリーズから演出にかかわり、かなり大げさな演出を得意としています。その結果、金八先生第七シリーズでは原作者との争いを引き起こしてしまいました。
この作品でも、スローモーションの多様、中島みゆきの歌の多用で、その大袈裟さが全域にわたってしまったため、ちょっとメリハリがなかったですね。それでも、終盤の犬の描写などは素晴らしかったです。見ごたえありました!
こんなにドラマを楽しんだのは、2005年以来かな?「テレビ版世界の中心で愛を叫ぶ」や、「逃亡者 runnaway」が放送されていた頃です。ドラマは予算で作りますが、予算で良し悪しは決まりません。生かすも殺すも脚本しだい、そんなことが良くわかった期でした。
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Posted at
2012/01/17 00:54:30
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