2013年09月09日
宇宙戦艦ヤマト2199 ガミラス本星の戦いにガッカリす
既に2週間ほど前に映画版で見ていましたが、テレビのみで見ている人のことも考え、ブログはテレビ放送が行われてからにしました。
元作のガミラス本星の戦いは、ガミラス本星内に誘い込んだヤマトに対し、濃硫酸の雨と嵐、爆雷でヤマトを濃硫酸の海に落とし、溶解させる作戦でした。ところがヤマトは、濃硫酸の海に潜って火山脈を波動砲で撃って火山活動を誘発させます。そこからガミラス側は天井都市のミサイルでヤマトを攻撃しますが、形勢は徐々にヤマト側が有利になり、ついには天井総統府を破壊されてしまいます。
確かに、この話になるまで天井都市のことは全く触れられておらず、地上に海があることも描かれておりませんでした。したがって、やや唐突な感じはありましたが、ガミラスが星をも使って戦う切羽詰った様子になり、ヤマト側についても溶解の危機があるという、非常に緊張感あふれる展開でしした。私としては、七色星団の戦いよりも緊張感を感じました。
しかし、2199のガミラス本星の戦いは、ガミラス側のディッツ親子がヤマト側についているだけあり、元作のように都市を破壊し尽くすことはないだろうな、と思っていたものの、なんだか消化不良な印象で終わってしまった印象です。
ヤマトは外核星の穴から内核に侵入、親衛隊艦隊を軽々と打ち破って地上の総統府に体当たりします。ところがデスラーはデスラー艦で脱出、衛星軌道にいる第二総統府へと移動してしまいます。そこから第二総統府の一部を分断、ヤマトへぶつける作戦に出ます。
それを掴んだヤマトは、地上総統府に突っ込んだ状態のまま波動砲を発射、第二総統府の一部を破壊するのでした。さらにデスラーはデスラー砲を発射しようとしますが、囚われの身になっていた森雪がプログラムを書き換えます。これにより、デスラー砲発射システムが暴走、第二総統府ごと爆発してしまうのでした。
映画版では、この作戦はガミラスとイスカンダルの統合がどうのこうのと言っていましたが、理解不能でした。
元作では、私はこの作品で硫酸と溶岩を知り、今でもこの二つには言いようのない恐怖感を感じます。また、化学や地学への関心を持つきっかけにもなりました。
科学的な描き方からも、元作のガミラス本星の戦いは、非常に興味深いものでした。このヤマト2199シリーズが製作されることが分かって以来、この戦いをどう描くのか大変興味を持っていましたが、数ある設定変更の中でも、一番がっかりしたポイントです。
元作第二話の戦艦大和の回想シーン
冥王星の戦いの白兵戦
太陽系を出るときの交信室のシーン
バラン星の人工太陽落下の時間的緊張シーン
古代家の2192年の様子
相原が地球と交信して父の死を目の前にしてしまうシーン
ビーメラ星のアナライザーのセリフ
七色星団の戦いにおける、「セットカウント30秒」の意味
そしてこのガミラス星のシーン
いずれもがっかりしたポイントです。その他、CGなどの普及でリアルな動きは出来るようになったからなのか、元作の「迫力あるデフォルメ描写」もなくなってしまいました。
もちろん、大局的に見れば概ね満足ではあるのですが、近年のアニメについて回る、「味わい不足」はこの作品についても当てはまってしまい、アニメ制作関係者に共通する、「アニメはこうだ」論の暴走を感じました。
アニメも実写も、「人を描くドラマである」、そんな視点が欠けていると思うのです。
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Posted at
2013/09/09 22:42:04
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