2016年01月21日
軽井沢バス事故の原因はブレーキ??
軽井沢での事故は調査が進められ、だんだんと事故時の状況が明らかになっています。これまでに解っているのは、どうやら以下のようです。
・運転士は、病気ではなく、おそらく意識はあった
・バスのストップランプは点灯していた
・事故直前より蛇行運転をしていた
・事故時は、80km/hも出ていた
・運転士は、12m長のバスをほとんど運転したことがなく、不慣れであることも自覚していた
・事故現場は、8%の下り勾配であった
・大型車などのストップランプは、フットブレーキでも点灯し、排気ブレーキ作動でも点灯する
・大型車のブレーキは、エンジン連動エアーコンプレッサーが作った圧縮空気を、ブレーキペダル連動のブレーキバルブで調圧の上供給し、エアーシリンダーを動かしてブレーキピストン等を動かす
下り坂で、蛇行運転をしてしまうとはどんな状況であるか、考えてみました。
・停車ないしは減速がコーナー手前で終わるよう、車を蛇行させて距離を稼ぐ
・壁に車をこすりつけて減速する、「壁ブレーキ」に躊躇する
・運転士が錯乱状態
・テールスライドを修正しようとしてカウンターステアをするものの操作と挙動が合わない、いわゆる「タコ踊り」状態
です。そもそも、運転に慣れていないのに80km/hも出してしまうはずがありません。減速できなかったのではないでしょうか。地図を見ると、事故現場の手前では、屈曲路が長く続きます。そのようなコーナーでは、スピードを出したくても出せないものです。
その九十九折屈曲路を抜けるとコーナーの曲率のみが緩やかになり、スピードが出やすくなっていたようです。日光のいろは坂を降りた人ならお分かりですが、イニシャルDでバトル中に敵が躊躇した「橋」の辺りは、同じようにコーナーの曲率のみが緩やかになり、非常にスピードが出やすい場所です。東日本の多くの山が、同じような道の構造になっています。
即ち、九十九折屈曲路をフットブレーキ中心で下っていてブレーキディスクやドラムが過熱、いわゆる「フェード」が起こったのではないでしょうか?運転士はこれまで、ダンプトラックや中型バスを運転し、ディーゼルエンジン車の運転は慣れていたはずです。そのため私は勝手に「フットブレーキ多用はないだろう。」と勝手に推論を取り下げてしまいましたが、どうやらこの推論を蘇らせることになりそうです。ブレーキディスクやドラムの焼け具合によって分かりそうです。
また、フットブレーキ多用によるエア圧低下もまだ捨てきれません。電車のブレーキは、同様にエアで作動させています。しかし、ブレーキシリンダーにエアを注入してブレーキを解除していますので、「元空気ダメ(タンク)」のエアまで使い切らない限り、ブレーキが効かないようにはなりません。
一方、バス・トラックは、エアを供給してブレーキをかけています。エンジン連動のエアーコンプレッサーによるエアを使いきれるのかどうかわかりませんが、もしそうならエアーブレーキの使用誤りとなります。
いずれにせよ、運転士の方の運転習熟不足、ないしは、コーナー読み取りやブレーキ取り扱いのセンス不足の方向に向かっているようです。運転士の方も、人間的には悪い方ではないようです。バス需要が過熱し、バスも運転士も不足、ウインタースポーツシーズンゆえ、儲けを減らしてでも便数を増やす、そんな需給バランスの崩れが、本当の原因ではないでしょうか。
産業廃棄物食品転売問題とともに、「安さにはワケがある」といえます。今から二十数年前、KDDが「安いが一番!」とCMをしたあの頃の風潮は、全くの誤りだったとしていきたいものです。
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Posted at
2016/01/21 00:40:32
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