
TVK(テレビ神奈川)では、日曜日の夜に昭和ー平成初期の色々な作品が放送されます。有料では見るのを躊躇するものの、無料なら見てしまうような、絶妙なプログラムが選択されています。
現在は、「タッチ!」「銀河鉄道999」「機動戦士ガンダムZZ」などが放送されており、そのあとに1時間ものテレビドラマが放送されています。先週までは観月ありさ主演、1993年放送の「じゃじゃ馬ならし」でした。「じゃじゃ馬」の感想は後日書くとして、今週からは宮沢りえ主演、1990年放送の「いつも誰かに恋してるッ」が開始されます。
宮沢りえ演じる主人公は都内の私立高校生で、学校を舞台としたいろいろな出来事を描く恋愛を中心としたドラマだったと思います。周囲の同級生が色々な恋模様の出来事を起こす中、劇中で彼女は「ぶっ飛び!」と独白するのですが、このセリフが当時流行しました。
彼女が「ぶっ飛ぶ」のは、同級生が高校生とは思えないような恋愛行動をとるためであり、決して「友達の家が経営する機械工場が、拳銃密造にかかわっていた」とか、「みんなで海沿いに行ったら、麻薬密輸の船を目撃した」とか、そういうお話しではありません。
1990年は、前年末に平均株価が最高価格を超えた後、徐々に低下する傾向にありました。しかし景気は悪化しておらず、前年までの好況感が継続していました。今でこそ当時を「一億総中流時代」と評価していますが、実際には貧富の差はありましたよ。大企業の部長級や個人事業主なら年収1500万円は軽々と得られ、そんな家族は「冬は家族そろってスキー旅行」などが可能でしたが、普通の平社員一家ならレジャーは何もできない状況でした。
加えて上記のセミ富裕層では、家が手狭になっていたり老朽化している場合に、現在の住まいを手放して新興郊外のより広い家に住み替えることも流行っていたようです。
話がややそれましたが、当時宮沢りえは不動産仲介業者の「三井のリハウス」のCMに出演し、リハウスガールと呼ばれていました。「いつも誰かに恋してるッ」は、のCMのイメージのままの学園もので、いかにも富裕層の子女を描いていたのでした。さらに当時上記に示したセミ富裕層一家では、子供を私立学校に入れることが流行っていました。その結果、このドラマ自体が「セミ富裕層の、悩みも何もない女子高校生とその周囲の物語」のように映ったものでした。
その結果、私立高校に通う生徒は「お坊ちゃま、お嬢さま」のように見られるようになったのです。とはいえ、この作品では「暴力などで荒れる学校」以降「コ・ギャル」化以前の、「お金を持っていて時代感度が高い女子高校生」の、貴重な姿を見ることができます。
今なら反感を買うかもしれないこのドラマを、当時の世相も含めて楽しみたいと思います。TVKが見られる地域の方、ぜひ、ご覧になってみてください。
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Posted at
2022/04/03 20:52:43