今日は親戚の車選び第二弾ということで、日産、ホンダ、スバルの3箇所を回りました。そのうち、日産とスバルはすでに何度も乗っている車であるため運転をおばに譲りました。しかし、ホンダのアコードは乗ったことがなかったため、これだけは乗せてもらいました。
エンジン
K24A DOHC (ハイパワー)VTECエンジンで、206馬力ほどあります。以前乗った
旧型アコードセダンが、高効率型バルブ休止VTECであったため、このエンジンとしてははじめての低高速切り替えVTECです。乗る前はその期待が高まっていたのですが、いざVTECゾーンに入ると、、、まあ、他のメーカーのエンジンの様にはパワーが落ち込まないというだけで、さほど気持ち良い回り方はしませんでした。これなら、同じ出力のトヨタ4GR-FSEの方がよほどパワー感あふれ、しかも気持ち良い回り方をします。
その期待に裏切られた部分を除けば、4気筒としてはスムーズで十分なトルクを発揮するエンジンです。もちろん電子制御スロットルなのですが、アクセルワークに忠実で滑らかで自然な運転が可能です。必要にして十分なエンジンですが、206馬力もあるのか、やや疑問を感じました。
それに、K型エンジン特有の正確だと思うのですが、中回転域で、「ウニョー」というエンジン音が聞こえます。これがどうにも安っぽくて気になります。一方で、アンバランスシャフトの効果か、高回転域でのエンジン振動がかなり少ないです。V6エンジンよりも少ないかもしれないというほどです。
トランスミッション
もうおなじみのホンダ方式5速ATです。
アコードセダンの時には、「もはやMT要らずのマニュアルモード付きAT」と評価しましたが、あのときよりも若干変速レスポンスが遅く感じられました。もちろんそれはアコードセダンと比べてのお話であり、他のトルコン有段ATと比べれば、レスポンスに優れるATです。シフトショックも、小さからず大きからず、変速したことを運転手に知らせる良いATです。
サスペンション
ホンダ流の乗り心地は、このクラスの車にも生きています。すなわち、路面の凹凸に対してやや突っ張る感じのサスペンションです。凹凸の角は丸まるのですが、上下動は結局そのまま伝える感じですね。さすがに車重があるため、
フィットのように「ボデーがヒクヒクと常に上下する」感じは無くなっています。
コーナーではロールスピードの立ち上がりがかなり抑えられていて、おそらく山道では気持ちが良いサスペンションなのだと思います。日産とは正反対の性格のサスペンションですね。操舵とボデーの傾きの関係が自然で、「コーナーリングしやすい」という感じがしました。
ステアリング
やや重めのパワーステアリングですが、自然なフィーリングです。ホンダの車は遊びが適当です。ステアリングセンターがしっかりしているため、直進しやすいです。
ブレーキ
これはどうしたことでしょう。踏んでも反力の立ち上がりが悪く、制動力の調整がしづらいです。ちょうど家のブルーバードシルフィに近い感じで、スポンジーで印象が悪いブレーキです。剛性感あふれるボデーなのに、このスポンジーなブレーキだけが際立って印象が悪いです。効き自体は悪くありません。
ボデー
これは、マークXにも同じ印象を持ったのですが、ボデーを前後方向から見たときに台形に見える「台形ボデー」であるため、各ピラーが内側に向かって倒れこんできています。これによりボデー上方に行くほど幅が狭くなり、狭苦しさ満点です。かつての「カリーナED」のボデーそのものです。現行でいうと、
マークXかな?
この車が登場した頃、「クーペスタイルのワゴン」と評した方がいましたが、まさにそのとおりです。この車は荷物を積むためのワゴンではなく、スタイルを楽しむためのワゴンなのだと思います。
センターコンソールやドアトリムが厚く、足の置き場にも困る印象があります。ちょうど
クラウンにも似ています。
視界はそれほど悪くはありませんが、よくもありません。ボデー剛性はかなり高く、18インチタイヤを十分はきこなしています。後輪からの入力があったときに、ややタイヤの位相ずれが発生したかとも思えるような振動は感じますが、それでもボデーがブルブル、ミシミシすることは皆無です。ボデー剛性が高い車は、乗っていて気持ちが良いものです。
まとめ
大きくて贅沢なボデーなのにエンジンは4気筒、リニアリティあふれる操舵感と乗り心地と、どうにもちぐはぐな印象があります。いったいどういう車になりたいのかが不明です。値段もけっこうしますしね。エンジンパワーにはがっかりしましたが、操縦性やボデー剛性はかなりのものですよ。スポーティーなステーションワゴンとしては、もうちょっとパワー感を上げないとスポーティー感が出てきません。
一方、ステーションワゴンとしては、ピラーの傾きがありすぎます。同じ程度の屋根の高さの車には乗ったことはありますが、それにしてもピラーの傾きはかなりのものです。
よってこの車は、「この車の流麗なスタイルが気に入った人が買う車」、ということが言えます。アコードでなくても良い人には、積極的にはオススメしません。しかし、ドライバーズステーションワゴンという性格は捨てがたいな。
Posted at 2010/12/23 22:35:23 | |
トラックバック(0) |
試乗 | クルマ