• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

moto('91)のブログ一覧

2014年05月18日 イイね!

トヨタ ヴォクシー(3ZR-FAEガソリンエンジン搭載車) 試乗

トヨタ ヴォクシー(3ZR-FAEガソリンエンジン搭載車) 試乗 この日は、本当はアトキンソンサイクルエンジンを搭載したヴィッツかパッソに試乗をしに行ったのですが、あれだけ宣伝をしながら試乗車はないとのことで、そのお店にあった「ヴォクシー」に乗ってまいりました。

ヴォクシーの経緯
 そもそも、1970年代半ばにさかのぼります。排ガス規制やオイルショックで、各車は出力が大幅に低下していました。暴走族問題や公害問題とも関連し、自動車はスピード性能から多用途性をうたうようになりました。カローラやスプリンターに追加されたリフトバック、ルーチェのワゴンなどに、その傾向が見られます。

この時期まで、大人数や荷物と一緒に出かけるときには、「ベンチシート、コラムシフト、ワゴン」が定番になっていました。私の不得意な分野なのでよくわからないのですが、今のように箱型の車を個人の家庭が使う例は、ほとんどなかったようです。そこへ、マツダのボンゴがワゴンモデルを、トヨタがライトエースの上級乗用版として、タウンエースを発売しました。

タウンエースは一定の市場を得ることに成功しました。1982年?の次のモデルでは、車内で寝られる仕様が登場したり、ムーンルーフやアルミホイールといった、乗用車並みの装備を選択できるようになり、大家族の乗用車として本格的に展開が始まりました。途中から兄弟車として加わったマスターエースには、レジャー色を強めた「サーフ仕様」も登場しました。

 その後、エスティマなどの乗用ミニバンが展開され始め、マスターエースを廃止しました。衝突安全性などの点から、この種の車は不利とされ、やがて廃止される、と唱えた評論家もいました。しかし、この種の箱型車には根強いファンがいること、仕事用と家庭用をかねている家庭もあるなどのことから、廃止には至りませんでした。

 流石に衝突安全性やエアバッグと運転士の関係などから、この種の車は、徐々に「鼻」を付ける傾向になってきました。タウンエース・ライトエースもその例に漏れず、1996年には乗用モデルに「ノア」のサブネームをつけて展開を始めました。なお、商用モデルもあり、そちらはボデー形状はそのままに、ノアの名前がつきません。このモデルは、イプサム、ガイアなどとともに、トヨタの中型ミニバンのヒット車となり、これからも箱型車が生き残る道筋をつけました。

 その後、一番のライバル車であったステップワゴンは、「カスタマイズ」の種車として発売したはずの「SMX」を差し置いてヒットするなど、若者の車としても注目されました。トヨタがそれを放っておくはずもなく、次のモデルはより角張った形状で登場、ファミリー向けの「ノア」、若者向けの「ヴォクシー」に分割して展開されました。

この車が、より大型の「bB」として当時の若者に大ヒットしました。それほど荷物を積むわけでもないのに大きな室内をもち、中にはオーディオや照明、内装などに大金を叩くものも現れるようになりました。同時期にモデルチェンジしたエスティマも当初は人気がありましたが、若者風俗はすっかりヴォクシー寄りになりました。

なお、セレナはハイウェイスターを、ステップワゴンはスパーダを登場させて臨みましたが、この種の車は服やブランド品と同様、ある種の「記号」なので、いくら似ていてもそれでなければダメなのだそうです。初代ノア、ヴォクシーは、その後CVTやLEDテールランプに変更されるなどの、モデル途中としては大きな変更を受けるなどし、トヨタのドル箱車であることを示しました。

二代目のノア、ヴォクシーは、いろいろあったエンジンである「1ZA-FSE」を捨てて、バルブマチックエンジン「3ZR-FAE」と、ノーマルバルブの「3ZR-FE」の二本建てで登場しましたが、途中で3ZR-FAEのみになっています。この頃になると、若者風俗としてのこの車の傾向は、だいぶ薄くなってきました。中学、高校がそれぞれ3年であることから、流行の基本的周期も3年なのですよね。

この時期、日産のセレナは「5ナンバーサーズミニバン販売台数1位」をうたっていますが、ノア、ヴォクシーを別にしたこと、ノア、ヴォクシーにはエアロパーツなどで3ナンバー登録になるモデルもあることから、やや「数字のマジック」のように感じます。しかしながら、ファミリカーとしてのこの種の車の傾向として、ノア、ヴォクシーの力が弱ってきたことの表れでもありました。

ステップワゴンも、現在のひとつ前のモデルで「低重心コンセプト」を売りにしたかと思えば、今のモデルでは初代帰りをし、かと思えば自社内でフリードを経由してN BOXへど代替される現象も起こっています。

 どうにも、あまり良い話がないこの種の車ですが、それでも根強いファンがいること、家庭の都合で多人数が乗れる車が必要な人がいることなどから、今回もモデルチェンジを受けました。

エンジン
 今回のモデルは、大きく「ノア」、「ヴォクシー」、「それぞれの走りの性能を重視したG's」、「それぞれのハイブリッド」の、計6種で成り立っています。ハイブリッドは基本がプリウスであるため、エンジンは2ZR-FXE」となっています。今回試乗したエンジンモデルは、旧型のキャリーオーバーである「3ZR-FAE」を搭載しております。

一部の雑誌ではアトキンソンサイクル化されたとありましたが、そういう話は聞いておりません。乗った感じも、出力の切り替えが行われているようには感じませんでした。

 このエンジン、登場した頃には「スムーズでなめらかなエンジン」と高く評価しました。しかし、他社のエンジンがかなり改善されており、現在となっては「並」とせざるを得ません。むしろ、他社エンジンと比較して、振動が大きめに感じられます。

前モデルが発売された頃に乗った印象とは明らかに異なり、低速域での出力が大幅に不足しています。と言ってアクセル開度を増しても、CVT制御の上で変速比が低い領域を長く維持しているだけの印象です。すなわち、エンジン回転の上限が高くなるだけで、かったるい印象に変わりはありません。渋滞路や徐行を求められる道では普通に走れますが、少しでも流れが良い道では、発車の度にかったるさを感じてしまうので、少々の試乗でも痛痒さを感じてしまいます。

同じ印象をオーリスRSでも感じましたので、おそらくエンジンの特性として低回転時の出力が低いのであると思われます。というのも、バルブマチックのように、「バルブの開度でエンジンが吸引する混合気の量を制御するエンジン」は、低バルブ開度時にバルブリフト量が揃わないため、結局スロットルバルブを備えています。スロットルバルブでも吸気バルブでも開度が少ない結果、吸気抵抗が大きくなっているのでしょうか?

なお、エコモードスイッチは装備されていないとのことなので、アクセル操作で自動判定しているのではないか、と思います。出力を得るためにはアクセルペダルを大きく操作し、しかも回転を上げ気味にしなければならず、気分のよい運転は望めません。

 結局のところ、前モデルからエンジンをそのままにした結果、セレナやステップワゴンに水を開けられてしまった印象です。というより、トヨタとしてはこの種の車は、この先売れ行きが低下していく、という予想をしているのではないか、という印象です。

 いずれにせよ、この車を考えている人はもはや「ヴォクシーでなければ」という人は少ないでしょうから、セレナやステップワゴン、最近スカイアクティブエンジンに乾燥されたビアンテにも乗ってみるとよいでしょう。特にセレナの滑らかさは特筆ものです。

トランスミッション
 旧型と比較し、特に変更はなされていないようです。旧型モデルの頃のCVTにはよくあった、「定速運転になると、あれよあれよと変速比が高められてしまう」「再加速の時に、変速レスポンスが悪い」は、かなり改善されています。しかし、エンジン低回転時の出力不足はいかんともしがたく、CVTを以てしても包み隠すにはいたっていません。

ブレーキ
 普通に運転する際には、全く普通に停車できます。若干ペダル不感帯が大きいような印象で、制動力の立ち上がりが唐突かな、とも思えますが、ブレーキアシストが搭載され始めた頃のような不自然な印象はありません。

ステアリング
 何と、ステアリングを少しでも切ろうものならアシスト用モーターが回り始めてしまう、という仕上がりになっています。路面の状態も全く伝えず、電動パワーステアリングが搭載され始めた頃のような印象です。

この改悪は「女性の意見を聞いた」ためだそうですが、いくら女性の意見でも操縦系に「車を知らない女性の意見」を入れてしまうことには反対です。車は商品ではありますが、その気になれば時速100km以上の速度で走れること、直進状態やステアリングの切れ角を、反力で知らせる必要があること、緊急時には緊急回避運転をしなければならないこと、などの理由があります。

トヨタのブラシレスモーターによる「アシストマップ付きパワーステアリング」に良い仕上がりのものはないのですが、中でもこの車の仕上がりはよくありません。

サスペンション
 こちらも旧型とは大きく変わっていません。旧型の際には若干動きの渋さ、減衰力の不足を感じました。今回のモデルでは動きの渋さは完全に解消され、乗り心地が良くなっています。おそらく、セレナをターゲットにしたような印象です。

そこで顔を出してきたのが、「サスペンションが柔らかすぎる」ことです。ショックアブソーバーでしっかりした印象を出していて、一部の評論家が褒めそうな乗り心地になっているのですが、これは間違いなく「山道で酔う」サスペンションです。すなわち、街中の交差点などではそこそこのロールしか感じないので運転士は「うーん、しっかりしていて乗り心地も良い」と思うのでしょう。しかし、曲がっている時間が長くなる「山道などのカーブ」では、間違いなくロール角が深くなり、運転士は恐怖を、後席では乗り物酔いを感じることが予想されます。

おそらく、調査などで「この種のユーザーは、家と駅、ショッピングモールなどを往復する使い方がほとんどで、山へ観光には行かない」という結果が出たのでしょう。よりハードな乗り心地を求める場合は、ノアに対してヴォクシーを選ぶのではなく、それぞれの「G's」仕様を選ぶ必要があるとのことです。ヴォクシーは「いかつい外観」を持つのですが、見掛け倒しになっていたんですね。。。
なお、停車中にお尻の位置を変えるべく、お尻を持ち上げては椅子に落とすことを、私も横に乗ったセールスマンもしたのですが、その度に車が結構揺れました。「旧車」のノーマルサスペンション車に見られる動きですが、これがサスペンションの柔らかさの証拠です。

 また、この種のサスペンションでは「いざという時の緊急回避性能」にも不安が出るはずです。横滑り防止装置はついているものの、それはあくまでも「ひどいアンダー(オーバー)ステアを軽減する、ブレーキの上での努力」をするだけのもので、ボデーそのものの動きを抑制することはできません。

この車で高速道路で障害物を発見、ブレーキを踏みながらステアリング切った際には、「サスペンションストロークを使い切って前輪はひどいアンダーステア傾向、障害物を回避できたらオメデトウっていうところだな」と、ガンダムのリュウさんのセリフを思い出しながら待つしかありません。

ボデー
 旧型の頃も「しっかりしたボデーだ」と評価しました。今のモデルはさらに改善され、突起乗り越え時などにボデーが震えることはありません。もっとも、サスペンションからの入力が小さくなっていますので、一概には言えません。

 今モデルから、サードシートを横にリフトアップする方式になりました。が、こうすると斜め後方の視界がほとんどなくなり、カーブなどではかなり注意が必要です。最近、自動車メーカーは「バックモニターをつければ、後方視界を気にせずにボデースタイルを決められる」とする傾向がありますが、どういう神経なのでしょうかね?この種の車(セレナも含む)に乗る人は、くれぐれも斜め後方に注意しながら右左折をしてください。

 また、メーターなどは確か旧型はオレンジ色の照明を使っていたと思いますが、視認性に優れた、白系統になっています。メッキパーツも控えめになっており、他社に一時見られた「ギンギンギラギラ」は、控えめになっています。

まとめ
 自動車の設計は、「3代目になると初代の精神が失われる」ようです。ヴォクシーはこれで3代目になりますが、女性、それもいわゆるやんちゃだった女性の意見を聞きすぎたかな?という印象です。さもありなん、タウンエース・ライトエースのノアが女性の意見を重視して、それまでの箱車を改良して登場しただけに、女性の意見を聞くのがこの車の歴史になっているのでしょう。サスペンション、ステアリングなどに、強く疑問を感じました。

また、G’sには乗っていないのですが、ボデー剛性の向上も含めた走りのチューニングがなされているそうです。箱車に走りの性能というのも変な話ですが、G'sを引き立たせるために、標準系の性能が落とされているのでは?と、勘ぐってしまいます。

 この種の車には「乗っても我慢できるな」となっていた私ですが、久しぶりに「この種の車には乗りたくないな」と感じました。モデルとしては折り返し点を過ぎ、そろそろ末期になっているセレナにようやく追いついた印象であり、走りの性能はビアンテやステップワゴンに劣ってしまうことも考えられます。

この車、「(仕事や下取りや気持ちの上で)どうしてもトヨタの車でなければならない」という人以外には、お勧めできません。この種の車に乗る人は試乗をしないらしいのですが、セレナ、ステップワゴンはもちろん、ビアンテにも乗って、体への馴染みを検討してください。

おまけ

 商品の企画手順の一つとして、「競合製品を徹底的に研究する」があります。また、車のゲームやレースでは、ライバル車の後ろに着くと、ライバルの運転に引きずられてしまい、実力以上の速度でコーナーへ進入、あえなくコーナーを飛び出してしまう、という現象があります。この車を見ていると、セレナを研究しすぎてついに車として破綻した、ということが頭に浮かびます。

参照して欲しい記事

トヨタ
アルファード
ノア(旧型前期型、バルブマチックエンジン車)
ウイッシュ(現行前期型)
プリウスα
スペイド

日産
エルグランド(2500cc車)
セレナ(アイドルストップ)
セレナ(Sハイブリッド)
ラフェスタハイウェイスター
キューブ(市街地)
キューブ(山岳路)
NV350キャラバン

ホンダ
ステップワゴン(アイドルストップ搭載前)
フリードハイブリッド
N BOX

マツダ
ビアンテ(非スカイアクティブ)
プレマシー(現行)

三菱
デリカD5(2400ccガソリンエンジン搭載車)
デリカD5(4N14 クリーンディーゼルエンジン搭載車)

ヴォクシー(旧型)とセレナ(アイドルストップ)とステップワゴン(アイドルストップ搭載前)、ビアンテ(非スカイアクティブ)
Posted at 2014/06/14 23:01:01 | コメント(1) | トラックバック(0) | 試乗 | クルマ
2014年05月18日 イイね!

ソース焼きそば 267/255 パパヤ有機ウスターソース 268/255 パロマトマトソースチリ風 269/255 センナリ広島ぢゃけんお好みソース

 本来は日曜日にソース焼きそばを食べる日にしているのですが、前日が貸切営業日であったために、本日となりました。



パパヤ有機ウスターソース
 少ししょっぱくて、ピリッと辛いソース。甘さはほんの少し感じますが、酸味はありません。引き締まった感じのソースです。酸味を感じさせると関東のソースですが、他の地域ではまず酸味を感じるソースがありません??



パロマトマトソースチリ風
 変わり種ソースです。まさにチリトマトそのもので、甘くて辛いソースです。酸味はありません。塩気はほどほどです。爽やかでフルーティーな甘さです。チリトマトの味わいを卓上調味料や基礎調味料として応用してみたソースでしょうか?意外にいけます!



センナリ広島ぢゃけんお好みソース
 「ぢゃけん」に、広島を感じさせる製品です。甘いソースで、辛さや酸味、塩気は感じられません。カキエキスが入っているのでしょうか?旨みを非常に強く感じるソースでした。これなら酸味を感じるマヨネーズを使っても美味しいでしょうね!
Posted at 2014/05/30 01:33:37 | コメント(0) | トラックバック(0) | ソース焼きそば | グルメ/料理
2014年05月18日 イイね!

インターネットサーチエンジン記事で騒ぐ人が増えましたよね

インターネットサーチエンジン記事で騒ぐ人が増えましたよね 今、パソコンを起動したらmsnのヘッドライン記事に、トヨタのアトキンソンガソリンエンジン車の記事がありました。アトキンソンサイクルは、マツダのユーノス800が実現したのが最初なのですが、そんなことには全く触れてはいません。というより、説明もかなりあやふやです。もっとも、トヨタ自身もCMで「燃焼効率」などと言っているだけに、「なんだかねえ」という印象です。

 今回は、こういう記事を見て「さも自分で体験したかのような」人が増えていることについて気になったので書きました。このエンジンは、アトキンソンサイクル用のバルブタイミングとオットーサイクル用のバルブタイミングとを電動駆動VVTで切り替え、加速要求量が大きい場合(アクセルペダルの踏み込み量が大きい場合)には素早くオットーサイクル運転に切り替え、出力を確保しています。すなわち、出力要求が小さい場合のエンジン出力を、スロットルバルブ開度を減らすことなく下げているのです。

ちなみに、日産のDIG-S(ノートのスーパーチャージャーエンジン)は、エンジンの基本をアトキンソンサイクルとして、要求出力が大きい時はスーパーチャージャーで空気を押し込み、アトキンソン運転度合いを弱めて出力を増大しています。

 パッソやヴィッツの当該車両を運転する際には、運転士にこの特性を理解させなければ低燃費運転は引き出せません。ただ、車種の性格上、それはかなり難しそうですし、教えられるセールスマンどころかセールスマントレーナーもいるのかどうか???

現在、「軽自動車やハイブリッド車の燃費がカタログ表記に全く届かない」とのクレームが、販売したお店に寄せられることが増えているそうです。

マイカーを手に入れられるようになって30数年、カタログ燃費の7割程度ということがよく知られていますが、半分程度に低下したら、そりゃ怒るよね。

 本題に入りますと、経済雑誌や日本経済新聞ですぐに騒ぐおじさんは今までもいましたが、おじさんも入れ替わりつつあるのか、インターネットサーチエンジンのヘッドライン記事で騒ぐ人が増えていますよね。「記事で知る」のは良いのですが、大切なのは「自分で知る」かどうか、です。自分で試乗したり買ったりして燃費がどうこうと言うのは良いのですが、たいていはこの記事を読んで「トヨタすごいんですってね。やっぱりトヨタだよなあ。」と、騒ぎ出してしまうこと。これじゃあ、クラスの話題の中心になるために、見てもいないのに「口裂け女を隣町で見た」と騒ぐ小学生と同程度です。

ビジネスマンとして大切なのは、いくつになっても「自分で確かめよう」とする心があるかどうか、です。

ダイブ主義万歳!
Posted at 2014/05/18 15:56:07 | コメント(4) | トラックバック(0) | 時事 | クルマ
2014年05月18日 イイね!

「千野志麻アナウンサー交通事故」問題から、交通事故の真の原因を探る

「千野志麻アナウンサー交通事故」問題から、交通事故の真の原因を探る 1989年の、「新車情報」の夏終わりの特集でしたでしょうか?後に「新くるま情報」と読む回が放送されました。次々に発売される高性能車、高価格車について、「三本和彦」、「徳大寺有恒」、「鈴木五郎」各氏が登場し、それぞれテーマに従って思い思いのことを語る回でした。

その回の中、当時増加傾向にあった交通事故死者に対して語る場面があり、
「日本国内では、交通事故は誰も調査していない。」
「警察は、刑事事件になるかどうかを調べて、ならないなら何もしないんでしょ?」
「損保会社は調べているんだってね?」
「調べていないですよ。彼らは、保険に関するところだけです。」
「あれ?調べているって言っていましたよ?」
などという会話は繰り広げられました。

当時、「これじゃあ、交通事故は起こりっぱなしじゃないか!」と、驚いたものです。
この他、三本和彦氏は著書の中で、「交通事故死者の統計は、24時間以内に死亡したものの統計だ。統計に現れない死者はたくさんいる。」
と、糾弾していました。

 そしてそれから15年、先日スイカの苗を買った場所ではパトカーの展示が行われており、近くには警察官の方がいたので聞いてみました。すると、
「我々の努力というよりは、医学の進歩で交通事故死者は減りましたね。統計も24時間でとっていますが、24時間以内で亡くならない方はほとんど助かっています。」
との言葉を得ました。

 となると、交通事故原因の調査の方は、放り投げられたままできていることが明らかになりました。警察は刑事事件としての調査しかしないし、損保会社は個人情報の問題に相当するので事故を公開することはないし、で、事故の傾向というのは結局「自分かその周りで起こったこと」しかわかりません。ここでは、報道された「千野志麻アナウンサーが起こした死亡事故」を例にとり、事故傾向を探ってみたいと思います。

なお、千野志麻アナウンサー(以下、加害者)は以前フジテレビに勤務しており、「チノパン」なる愛称で呼ばれていました。私はフジテレビのニュースを見ないので、現役当時のことは知りません。女子アナタレント化第二期の方のようです。

事故の状況

 事故現場は、ホテルの駐車場です。ごくごく一般的な駐車場で、都市部の駐車場よりはかなり通路に余裕があります。ホテルの駐車場は、夕方と朝に出入りが集中し、昼間は空っぽ、夜は車のみでいっぱい、という傾向にあります。





加害者は、大型SUVに夫と子供を乗せ、右に二回90度曲がって、直進通路に差し掛かったところで被害者を轢いています。時間は夜で加害者はホテルから自宅へ帰ろうとしていた模様です。すでに日は落ちていた時間のようです。被害者は黒っぽい服を着ていたそうで、見えづらかったのは事実のようです。

加害者は子供に気を取られていたようで、通路を横断していた被害者に気づかず、はねるのではなく「轢き」、さらに体に乗り上げたところで止まったそうです。大型SUVが体に乗ったのでは、それはもう体には大きな重量が乗り、被害者は死亡してしまいました。

分析

 この件に限らず、ここ数年駐車場の通路でアクセルを踏んで立ち上がる馬鹿者が多いように感じます。通路の始まりの部分で、「ドゥルルル」と、トルコンAT車でアクセルを操作し、強く加速している音が聞こえます。その多くは、統計を取ったわけではありませんがV6エンジン車が多いような感じがします。「どんな馬鹿だ?」と運転士を見ますと、30-40歳代の女性が多く、しかもこちらを見ておらずに「まっすぐ前だけを」見ているような気がします。もっとも、私が男性だから女性の方が印象に残っているのかもしれませんが。

駐車場には速度制限はありませんが、だからといって時速200kmで走って良いということではなく、「徐行」して走行するのが常識でした。徐行とは、すぐに安全に停車出来る速度です。

私の場合は、ブルーバードシルフィではクリープ現象のみで、コロナの場合では、1速でアクセルペダルは踏まずにアイドリングのままで走行します。ところが、通路で加速する人は明らかにアクセルペダルを大きく踏み、「ここはサーキットのヘアピンコーナーの立ち上がりか?」と思わせるほどです。

また、最近わかってきたことなのですが、「様々な状況」が同時に起こった際に、「何もしない」か「一番優先しなくて良いことを優先している」人が意外に多いようです。

大学時代の同じ部の人に「Y君」という人がいたのですが、彼の車に計5人が乗り、部活移動前の食事を済ませ、いざ発車する段になった際のことです。その日は雨で時間は夕暮れ、道は片側2車線で、車は路上駐車をしていました。

本来なら、ワイパーを作動させ、ヘッドライトを点灯させ、右斜め後方の安全を目視で確認をしてから方向指示灯を作動させ、もう一度目視で安全確認をして発車するところです。

ところが彼は、周りから前述のことを急かされると、「すべてのことをせずに発車だけさせた」のです。これには皆驚き、笑う者、怒る者、皆、彼を責めるのでした。

 彼のことはこのくらいにし、ファミリーのドライバー、特に子供連れの人は、何よりも子供を優先してしまう傾向にあるようです。子供がお腹がすいただとか、アニメのDVDを見たいだとかいうと、運転や状況確認をさておいて子供の相手をしてしまうのです。お腹がすいたといっても餓死するほどではないでしょうし、アニメなんか見なくったって、死にはしません。なのに子供が優先してしまう、「優先事項の選択」が誤る傾向にある人です。

家族連ればかりを責める書き方になってしまいましたが、男性も同じです。自身の状況を世情を加味して俯瞰できない方がいます。

 再び加害者の話に戻すと、何よりも自車の中の状況が優先する「車内主義」、くわえて加害者はやや混乱しやすい性格であったことが推察されます。すなわち、
「子供が「早く○○!」と要求して、それに対応していた結果、被害者を轢いた上に乗り上げてようやく気付いた、という状況になった」
か、
「いつもの「コーナー立ち上がり癖」を実施し、まっすぐ前しか見ていなかったので、すぐ前にいた被害者を轢いて乗り上げた」
ということです。

だいたい、SUV車なら「顔が大きい」ために「はねる」が普通で、「轢く」の時点でかなり状況確認か運転技能に欠落があり、「乗り上げ」では、もはや運転士失格、と言えます。

 以前は、「車の中」というのは「家の外」であり、身だしなみに注意を払って出かけたものです。あるいは、交通事故で死んだ場合に汚い格好をしていたら恥ずかしい、という背景もあったのかもしれません。しかし、居間とは違う緊張感漂う場であったものです。

1996年頃の「間違いだらけのクルマ選び」にて、徳大寺有恒氏は「高速道路のサービスエリアで、ミニバン(当時はオデッセイやラルゴ)の運転席からジャージにサンダルの男性が降りてきて云々」という意見を書いていますが、この頃から車の居間化が始まったような気がします。

車に乗ったら、たとえ身内が危篤であっても運転を優先する、という考えが見直されても良い時期なのではないでしょうか?「安全運転のためなら死んでも良い」、そんな心構えが求められているように思います。

参照して欲しい記事
車にはねられたら「受身」の準備だ!
Posted at 2014/05/18 00:00:46 | コメント(0) | トラックバック(0) | 走行 | クルマ

プロフィール

「パソコンは購入しました。次の週末の都合により、26日夜以降に活動を再開します。」
何シテル?   01/19 13:39
小さい頃、トラック野郎を見てトラックが好きになりました。その後「太陽にほえろ!」のカーアクションを見て、乗用車も好きになりました。カーグラフィックTVや新車情報...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2014/5 >>

    1 2 3
4 56 789 10
111213 1415 1617
18 192021222324
25262728293031

リンク・クリップ

サイドブレーキブーツ取付け 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2025/04/09 17:25:38
白日 ホワイトデーにはドーナツを。 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2025/03/18 20:45:46
メーター球のLED化 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2025/03/03 23:12:12

愛車一覧

トヨタ コロナ トヨタ コロナ
 自己所有の主力車種です。車いじりと「維持」を中心に使っています。昭和55年式の前期型で ...
マツダ グランドファミリア マツダ グランドファミリア
 1972年頃購入とのことです。ファミリアではなく、グランドファミリアです。同時期のサバ ...
日産 サニー 日産 サニー
 1981年春ごろ、当時同居していた叔父の所有するカローラのセールスマンのつてか何かで、 ...
日産 ブルーバード 日産 ブルーバード
 1982年秋、事故で廃車になったサニーの代わりに買った車です。910型、白の4ドアセダ ...

過去のブログ

2025年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2023年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2022年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2020年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2017年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2014年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2013年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2012年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2011年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2010年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2009年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2008年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2007年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2006年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2005年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2004年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2003年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2002年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2001年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2000年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation