「 回転防禦！！ アステロイド・ベルト！！ 」#43

イスカンダル星への旅を急ぐ宇宙戦艦ヤマトは、
冥王星のガミラス前線基地が張り巡らした罠にはまり込み、
反射衛星砲の餌食になろうとした。
しかし使命を果たすまではと頑張るヤマトの不屈の闘志は、
ついにガミラスの反射衛星砲を葬り形成を逆転、深い傷を負いながらも基地を壊滅させた。
そして基地を離脱したシュルツの艦隊は、そのままガミラス星へ戻れない事を知っている。
デスラー総統は彼等に対し、戦って死ねと命令した。
深く傷つき休息を必要としているヤマトへ、シュルツは命をかけた最後の戦いを挑もうとしている。

「未確認飛行物体発見！」
「シュルツ司令、ヤマトでは？」

冥王星から逃れたガミラス艦隊の旗艦には決死の覚悟を決めたシュルツがいた。

「ヤマトに違いない」

ガミラス艦隊に通信が送られた。

「全艦隊に告ぐ。ヤマトらしき艦映を発見した。これより全速でヤマトに接近する」
「方位ＥＫ５の１１１」
「艦隊隊形を崩す。おのおの別航路をとって、目標点へ結集せよ」

一方ヤマトでは傷ついたヤマトの修復作業が急がされていた。

「真田君、船の修理を急げ」
「はい」
「島、低速航行を続けろ」

作業班に真田から司令が下る。

「第一班、第二班は艦外、第三班、第四班は艦内を担当する。
　損傷が大きく、苦労するかもしれないが全力を尽くせ」
「はい」
「あの～真田さん。ヤマトはこんな状態で大丈夫なんでしょうか」
「余計な心配するな。俺にも考えがある。そろそろ艦長に自主プランを出す時が来たようだ」

ヤマトにとって大切なときだ。ヤマトの工場長としてもヤマトの修復に全力で取り組まなければならない。
真田の頭の中には一つのプランがあった。

「う～む、艦長、修理はかなり手間取りそうですぞ」
「何か見えます。強い反応です」

徳川が心配そうに修復作業の様子を伺っていると、雪がモニターの異変に気付いた。

「艦長。冥王星から脱出したガミラス艦じゃないでしょうか」

古代の推測は正しい。沖田は判断した。

「森、修理班を収容させろ」
「はい」
「しかし、一隻というのはどういうわけだ・・・」
「そんな馬鹿な。どこかにもっといるはずだぞ」
「総員、異常配備！」

第一艦橋に沖田の声が響く。

「総員、異常配備」
「どうしたんだ！？」

真田は自分の考えたプランを作りながら、艦内放送を聞いていた。

「方位Ｆ２５の３１６。距離５２０００」
「速度０．５宇宙ノット。接近してきます」

第一艦橋に真田が駆け込んできた。

「艦長！攻撃は避けて下さい！」
「船の損傷は予想以上です。攻撃の結果、どういう影響が出るか心配です」

作業の進捗状況は芳しくなかった。ヤマトには休息が必要だ。

「艦長、艦首の右上方に反応があります。アステロイドベルトです」

そこにはアステロイドベルトとよばれる、小さな岩が帯のように集まった一帯が見えた。

「第十番惑星の成れの果てじゃろう」
「十番惑星って何だ？」

古代の疑問に島が答える。

「昔から太陽系には十個の惑星があったと言われていたんだ。それのことだろう」
「ふ～ん」
「島、アステロイドベルトに入り込め」
「はい」

沖田の指示に島が返事をした。