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2018年10月11日 イイね!

【星野君の二塁打】

「今更」な話題らしいが、小学校の道徳で使われている「星野君の二塁打」という教材、この教材については以前から専門家の間でもいろいろと問題になっているようだが、例のアメフト問題に端を発し、巷で話題になっているそうだ。

以下、本文。

【星野君の二塁打】

(打てる、きっと打てるぞ!)

星野君は、強くバットをにぎり直した。

(かんとくの指示は、バントだけれど、今は打てそうな気がするんだ。どうしよう……。)

ピッチャーが第一球を投げ込んできた。星野君は反射的に、思いきりバットをふった。
バットの真ん中に当たったボールは、ぐうんとのびて、セカンドとショートの間をあざやかにぬいた。
ヒット! ヒット! 二塁打だ。
ヒットを打った星野君は、二塁の上に直立して、思わずガッツポーズをとった。
この一打が星野君の所属するチームを勝利に導き、市内野球選手権大会出場を決めたのだ。

その翌日も、チームのメンバーは、練習を休まなかった。決められた午後一時に、町のグラウンドに集まって、焼けつくような太陽の下で、かた慣らしのキャッチボールを始めた。
そこへ、かんとくの別府さんが姿を現した、そして、

「みんな、今日は少し話があるんだ。こっちへ来てくれないか。」

と言って、大きなかしの木かげであぐらをかいた。
選手たちは、別府さんの周りに集まり、半円をえがいてすわった。

「みんな、昨日はよくやってくれたね。おかげで、ぼくらのチームは待望の選手権大会に出場できることになった。本当なら心から、『おめでとう。』と言いたいところだが、ぼくにはどうも、それができないんだ。」

別府さんの重々しい口調に、選手たちは、ただごとではなさそうなふんいきを感じた。
別府さんは、ひざの上に横たえたバットを両手でゆっくり回していたが、それを止めて、静かに言葉を続けた。

「ぼくが、このチームのかんとくになる時、君たちは、喜んでぼくをむかえてくれると言った。そこでぼくは、君たちと相談して、チームの約束を決めたんだ。いったん決めた以上は、それを守るのが当然だと思う。そして、試合のときなどに、チームの作戦として決めたことは、絶対に守ってほしいという話もした。君たちは、これにも気持ちよく賛成してくれた。そうしたことを君たちがしっかり守って練習を続けてきたおかげで、ぼくらのチームも、かなり力が付いてきたと思っている。だが、昨日ぼくは、どうしても納得できない経験をしたんだ。」

ここまで聞いた時、星野君はなんとなく
(これは自分のことかな。)
と思った。けれども自分がしかられるわけはないと、思い返した。

(確かにぼくは昨日、バントを命じられたのに、バットをふった。それはチームの約束を破ったことになるかもしれない。しかしその結果、ぼくらのチームが勝ったじゃないか。)

その時別府さんは、ひざの上のバットをコツンと地面に置いた。そしてななめ右前にすわっている星野君の顔を、正面から見た。

「はっきり言おう。ぼくは、昨日の星野君の二塁打が納得できないんだ。バントで岩田君を二塁へ送る。これがあの時チームで決めた作戦だった。星野君は不服らしかったが、とにかくそれを承知した。いったん承知しておきながら、勝手に打って出た。小さく言えば、ぼくとの約束を破り、大きく言えば、チームの輪を乱したことになるんだ。」

「だけど、二塁打を打って、このチームを救ったんですから。」

と、星野君のヒットでホームをふんだ岩田君が、助け船を出した。

「いや、いくら結果がよかったからといって、約束を破ったことに変わりはないんだ。いいか、みんな、野球はただ勝てばいいんじゃないんだよ。健康な体を作ると同時に、団体競技として、協同の精神を養うためのものなんだ。ぎせいの精神の分からない人間は、社会へ出たって、社会をよくすることなんか、とてもできないんだよ。」

別府さんの口調に熱がこもる。そのほおが赤くなるにつれ、星野君の顔からは、血の気が引いていった。選手たちは、みんな、頭を深く垂れてしまった。

「星野君はいい選手だ。おしいと思う。しかし、だからといって、ぼくはチームの約束を破り、輪を乱した者を、そのままにしておくわけにはいかない。」

そこまで聞くと、思わずみんなは顔を上げて、別府さんを見た。
星野君だけが、じっとうつむいたまま、石のように動かなかった。

「ぼくは、今度の大会で星野君の出場を禁じたいと思う。そして、しっかりと反省してほしいんだ。そのために、ぼくらは大会で負けるかもしれない。しかし、それはしかたのないことと、思ってもらうよりしようがない。」

星野君はじっと、なみだをこらえていた。
別府さんを中心とした少年選手たちの半円は、しばらく、そのまま動かなかった。


以上、本文。

さらに教科書では下記のように学習について書かれている。

学習の道すじ
星野君のとった行動を通して、きまりを守り、義務を果たすことの大切さについて考える。
・うつむいたまま動かなくなった星野君は、どんなことを考えていたのでしょう。
・うつむいている星野君にあなたが声をかけるとしたら何と言いますか。
・だれもがきまりを守らず、義務を果たさなかったら、どんな世の中になるのでしょう。


この物語は1947年に書かれた娯楽的な雑誌に掲載された物語で、ここに出てくる選手権大会とは、今で言う甲子園の全国高等学校野球大会のことだと解釈されるらしい。だから星野君は甲子園には出られないということらしいのだ。

そしてこの話は、道徳の教科書用に編集してあるという。
原作には、星野君の打席内での心の葛藤の描写が細かく表現されていて、決して安易に「ヒッティング」という判断をしたのではない、ということが書かれているそうだ。さらに原作では、監督が試合翌日に星野君に対する意見を言う前に、キャプテンの大川君を呼びだして以下のようなやりとりを交わしているそうだ。

以下、ネットより転載

(一部現代仮名づかいに変更)
「ぼくが、監督に就任するときに、君たちに話した言葉は、みんなおぼえていてくれるだろうな。ぼくは、君たちがぼくを監督として迎えることに賛成なら就任してもいい。校長からたのまれたというだけのことではいやだ。そうだったろう。大川君。」
大川は、先生の顏を見て強く、うなづいた。
「そのとき、諸君は喜んで、ぼくを迎えてくれるといった。そこで、ぼくは野球部の規則は諸君と相談してきめる、しかし、一たんきめた以上は厳重にまもってもらうことにする。また、試合のときなどに、ティームの作戦としてきめたことは、これに服従してもらわなければならないという話もした。諸君は、これにも快く賛成してくれた。その後、ぼくは気もちよく、諸君と練習をつづけてきて、どうやら、ぼくらの野球部も、少しずつ力がついてきたと思ってる。だが、きのう、ぼくはおもしろくない経験をしたのだ。」


そして、原作の最後はこうなっている。

「ぼくは、星野君の甲子園出場を禁じたいと思う。当分、謹慎していてもらいたいのだ。そのために、ぼくらは甲子園の第一予選で負けることになるかも知れない。しかし、それはやむを得ないこととあきらめてもらうより仕方がないのだ。」
星野はじっと涙をこらえていた。いちいち先生のいうとおりだ。かれは、これまで、自分がいい気になって、世の中に甘えていたことを、しみじみ感じた。
「星野君、異存はあるまいな。」
よびかけられるといっしょに、星野は涙で光った目をあげて強く答えた。
「異存ありません。」

以上、ネットより転載

甲子園に行く年齢レベルの話を小学校の道徳の教科書に載せるのもどうかと思うが、道徳が教科となった以上「こう思うことが正解」的な指導がなされるんだろう。そして「こう考えたあなたには高い点数をあげます」と言う先生が存在することになるのだろう。

「こういう時は、こう思いなさい」「こう考えることが正しいんです」って、それって思想操作なんじゃないのか。日本の教育はどうなってしまうのだろう。



Posted at 2018/10/11 15:16:50 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記みたいなもの | 日記
2018年10月01日 イイね!

そんな時こそスマホなんじゃないの?

台風一過。
ありがたいことに俺の周りでは何事もなかったように10月が始まった。
これまでに1人が行方不明になっているほか、計8県で64人が負傷。JR東日本は昨日の9月30日午後8時以降の首都圏の全在来線を運休した、という事をニュースで知った。約45万人に影響が出たというが、個人的には英断だったと思う。

今もまだ停電している場所があったり、これからも交通機関への影響やそれに伴う休業・休校、農作物への被害等も心配されているが、遺憾の思いを強くするばかりだ。そのうえ、台風24号を追うように台風25号が発生し、沖縄方面に近づいているという。異常気象と言われているが、今年の後半も心配は続く。

そんな中、テレビのインタビューで、30日の首都圏の全在来線を運休を知らなかった若者が運休に文句を言いつつ「帰れないんだったら朝まで飲んでる」と言い、友人数人と繁華街へ消えていった。

その子たちも大きな台風が来ていることぐらい知っていたと思う。仕事にしろ遊びにしろ、そんな台風の中に出かけるなら、それなりのリスクを負うことは想像できたのではないかと思う。スマホは持っているらしかったから、情報はいくらでも収集できたはずだ。

スマホをどんな風に使おうが個人の勝手だが、自分の落ち度(情報はいくらでも流れている。「知らなかった」というのは今の世の中では受け取る側の落ち度だと思う)を棚に上げて、安全を考えて運休にしたJRに文句を言うような若者には大きく失望した。

これも年寄りの戯言か・・・



Posted at 2018/10/01 13:48:40 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記みたいなもの | 日記

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