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2007年11月30日 イイね!

CCA編 #15「 大人たち 」


チェーン  「オクトバーさんの試料は下に着いてるそうです」
アムロ   「そりゃあよかった」

 街に降りるエレベーターにはアムロ、チェーンの他にハサウェイも乗っていた。休暇を取ったアムロはハサウェイに街を案内する約束をしていた。その休暇もチェーンが取らせたものだ。チェーンはアムロに少し休んでもらいたかった。

ハサウェイ 「こっちからコロニーの中、見えるんですか?」
アムロ   「見えるよ」
チェーン  「あの新しいフレームはいいアイデアですよ」
アムロ   「アデナウアー・パラヤな。
        俺達ロンド・ベルにはジオンの残党狩りをさせておいて、
                      裏ではシャアと話し合ってる」
チェーン  「あれが政治家でしょ」
アムロ   「納得できるかい?」
チェーン  「そうね」

 突然現れた世界にハサウェイが歓声を上げた。エレベーターから見えるコロニーの街は壮大だった。

ハサウェイ 「わあーっ、コロニーだ」
アムロ   「そうだ。ここは五百万人ほどが住んでいる古い街さ」
チェーン  「いつもはこうしてやさしいのに、時々恐い声出しますね」
アムロ   「そうかな」
チェーン  「そうですよ」


      *   *   *


 ロンデニオンの高級住宅地にあるホテルのエントランスを行くアデナウアー・パラヤと地球連邦政府の高官数人の中にカムラン・ブルームもいた。他の客の姿は見えなかった。カムランは、なぜこのホテルに来なければならないか知らされていなかった。

ホルスト  「よくいらしてくださった」
アデナウアー「貴官こそ、我がロンデニオンにようこそ」

 細長く大きなテーブルには、精巧なスィート・ウォーターとアクシズ、ルナツーのプラスチックモデルが飾られていた。部屋に入ったカムランは間違った部屋に入ったのではないかと目を疑った。


カムラン  『ネオ・ジオンの連中じゃないか』

 そこにはネオ・ジオンの制服を着た男たちが座り、その真ん中にはネオ・ジオン代表のホルスト・ハーネルがこちらを見ていた。

      *   *   *

ハサウェイ 「いいんですか?アムロさん取っちゃって」
チェーン  「いいのよ、あなたがいない所で仲良くしてるから」
ハサウェイ 「ひゃははは」

 エレベーターから降りたハサウェイに、インフォメーションセンターで電話を受けていたブライトが、迷惑そうに声をかけた。

ブライト  「ハサウェイ」
ハサウェイ 「あ、父さん」
ブライト  「デートの電話を父親に入れるなって言っておけ」
ハサウェイ 「クェス?」

 ブライトは手に持った受話器をハサウェイに渡した。

クェス   「捜したよ。軍艦には直通電話できないしさ。
                  艦長さんを呼び出したりしてごめん」
ハサウェイ 「いいんだって」

トゥース  「そうですか?」
ブライト  「ああ」
アムロ   「あいつのチャージできてる?」
係員A   「あ、はい。出してあげて」
係員B   「はい、ハロですね?」
ハサウェイ 「ドレーク・ホテル?アムロさん」

 クェスのいるドレーク・ホテルは、クェスの父アデナウアー・パラヤがネオ・ジオンの高官たちと会っているホテルと、さして離れているホテルではなかった。


Posted at 2007/11/30 08:05:54 | コメント(0) | トラックバック(0) | 音楽/映画/テレビ
2007年11月29日 イイね!

CCA編 #14「 カムラン・ブルーム 」


ブライト  「シャアは本気で地球を冷却化するつもりなのかな?」
アムロ   「第一回戦はやっちまったんだぜ」

 ラー・カイラムのブリッジの前方の窓からは、接近するロンデニオンの港口のハッチが開いていくのが見えた。

ブライト  「地球を完全に寒冷化するには、
          もうひとつぐらい隕石を落とさなければ無理だ。
       しかし、月の軌道内の石っころは
           すべて連邦軍が管理している。だからさ、
         スウィートウォーターをネオ・ジオンの領土に承認させて」
アムロ   「その交渉にアデナウアー・パラヤが来たのか」
ブライト  「ああ、そう思えるな」
アムロ   「シャアは俺達と一緒に反連邦政府の連中と戦ったが、
          あれで地球に残っている連中の実態がわかって、
                       本当に嫌気がさしたんだぜ」
ブライト  「そりゃあわかってる」
アムロ   「それで、すべての決着をつける気になったんだよ」
ブライト  「すべての?」


 ロンデニオンからの誘導灯が伸び始めていた。


アデナウアー「よく時間内に入ってくれた。これで地球は救われる」

 ロンデニオンの桟橋に係留されたラー・カイラムの上甲板に、アデナウアー・パラヤを見送るためにブライト以下のクルーが整列していた。クェスもハサウェイもそこにいた。

ブライト  「交渉のご成功を」
アデナウアー「交渉?誰と?どこで?」
ブライト  「ラサから宇宙軍を指揮するあなたが、
             散歩の為に宇宙にいらっしゃったとは思えません」
アデナウアー「私がここに来たのは、連邦政府から発表があるまでは内密だぞ」
ブライト  「はっ」

 ブライトの敬礼を見ると、アデナウアーは軽くうなずいてから、桟橋に待つ高級リムジンに流れていった。

クェス   「じゃあね」
カムラン  「ご苦労様です。会計監査局のカムラン・ブルームです」
アデナウアー「ご苦労」

 ドアを開いて待っていたカムラン・ブルームは、そう自己紹介して、リムジンに飛ぶようにして乗り込むクェスに声をかけた。

カムラン  「危ないですよ」
クェス   「でーん、ははははっ、ははは」
アデナウアー「クェス」

 クェスが車に飛び乗るのと同時にブライトの声が聞こえた。カムランはドアを閉めながらラー・カイラムの方を見やった。

ブライト  「解散だ」
カムラン  「ブライト・ノア艦長か。ミライさんとうまくやっているのかな」
ブライト  「仕事は山ほどあるんだぞ」

 カムラン・ブルームが乗り込むとリムジンは発進した。

Posted at 2007/11/29 07:44:28 | コメント(1) | トラックバック(0) | 音楽/映画/テレビ
2007年11月28日 イイね!

CCA編 #13「 ロンデニオン 」


 サイド1のコロニー、ロンデニオンは、通常のオープン・タイプである。そのロンデニオンに港の誘導灯にそって、シャアたちを乗せたランチが入港しようとしていた。

パイロット「連邦政府の提供してくれたコードでバッチシです」
シャア  「能天気な連中なのかな?」
ホルスト 「大佐、そりゃ違います。我々の根回しの結果です」
シャア  「わかっているよ」


 ラー・カイラムは、シャアを追うようにロンデニオンに向かっていた。クェスは、もうアムロ・レイには会えないような気がして、もう一度、モビルスーツ・デッキに降りる決心をした。デッキにつながるハッチには警備の兵もいなかった。入港前という特別な空気が、クルーを安心させていた。

クェス  「…、あれか、新しいモビルスーツって」
チェーン 「民間人が入ってはいけないのよ」

 その言い方がクェスの癇に障った。

クェス  「前にもここには入ったわ、あなたこそなんでここにいるの?」
チェーン 「えっ?なんでって、自分はこの船のメカニックマンよ」
クェス  「大人の言いそうなことね。あたしが聞きたいのは
            そういうことじゃないわ、アムロ・レイとの関係よ」
チェーン 「関係って、…私の尊敬する上官よ」
クェス  「そうじゃないって。あたしはインドで修行したのよ、
      人類がみんな共感しあえるニュータイプになれるようにって。
       だからあたしは、ニュータイプだって言われている
        アムロに興味があったのに、なんであなたは邪魔するの?」
チェーン 「邪魔?」
クェス  「あんたあたしにとってそういう人よ。
                     あんたこの船から降りなさいな」
チェーン 「そんなこと、できるわけないでしょ」
クェス  「でないと、あたし」

 クェスは自分の中で、アムロに対しての興味をコントロールできなかった。アムロへの気持ちが消えていくような、裏切られたような感覚がクェスを襲い、それが目の前の女性のせいだと感じていた。

ハサウェイ「クェス、入っちゃあ」
クェス  「うるさい、ああっ…」
ハサウェイ「つかまって」
クェス  「いやーん…」

 無重力でバランスを崩したクェスが、ハサウェイの投げた縄に絡まっていた。


      *   *   *


 ラー・カイラムの窓から接近するロンデニオンが見えた。月を追いかけるような位置にあるサイド1こそ、最も古くスペース・コロニー群が建造された空域だった。

ハサウェイ「クェス、コロニーだよ」
クェス  「コロニー?」
ハサウェイ「サイド1のロンデニオンだ」

 窓をのぞいたクェスは細長いシリンダーに三枚のミラーをつけたスペース・コロニーを見て、歓声を上げた。

クェス  「シリンダーの中に街がある。湖も。
           こんなのを見れば、人が革新できるって信じられる」
ハサウェイ「ザビ家が独立宣言した気分ってわかるよな」
クェス  「でも、ザビ家のジオンは地球に負けたんだよね?」
ハサウェイ「そうだけど」
クェス  「お父さんはこんなもの知らないで、
              地球から宇宙に住む人を支配しているのよね」
ハサウェイ「だからさ。シャアは一度は地球の味方をしたけど、
           今度の作戦で地球を潰してしまおうってんだからな」
クェス  「その話わかるよ。地球の人って頑固で変わんないくせに、
        自分の奥さんや旦那さんだけは替えるでしょ。
      だからシャアはいろいろやって見せてさ、
                   人の可能性見せようとしてんのよ」
ハサウェイ「でもさ」
クェス  「え?」
ハサウェイ「そんなことで地球を寒冷化してもいいの?」
クェス  「…うん、わかんない」


 接近するロンデニオンが窓いっぱいに広がっている。


Posted at 2007/11/28 08:25:18 | コメント(0) | トラックバック(0) | 音楽/映画/テレビ
2007年11月27日 イイね!

CCA編 #12「 クェスとアムロ 」


クェス   「…、やられた?」
アストナージ「そういうことだ、クェス・パラヤ」
クェス   「…すごいね。前の戦闘で撮影した映像から
                     すぐにCGを作っちゃうなんて」

 その声は、モビルスーツ・デッキにひどく似合わない少女の声だった。

ブライト  「いいセンスを持ってらっしゃいますよ」
アデナウアー「あの子がこんな物に興味があるとは知らなかった」

 そんなブライトのお世辞とも本気とも思えない声に、アデナウアーがヤニ下がったような声を出した。とクェスの身体がプラットホームから流れ出した。

アムロ  「クェス・パラヤさん」
クェス  「は、はい」
アムロ  「この先は、民間人は入らない方がいい」
クェス  「すみません」

 これがクェス・パラヤとアムロ・レイの出会いだった。

クェス  「そっか、 あれがアムロ・レイか

 その感触は悪いものではなかった。


ハサウェイ「感じなかったか?」
クェス  「ほかの大人とおんなじみたい」
ハサウェイ「でも、あの人初めてモビルスーツに乗った時に
        ちゃんと操縦して、ジオン軍のザクってのを倒したんだぜ」
クェス  「ほんとかな?」
ハサウェイ「コックピットに座っただけで、
                ガンダムの配線なんか全部わかったって」
クェス  「え?あっはははは、ははははっ、はは」
ハサウェイ「なんだよ?」
クェス  「ううん。それをニュータイプっていうんだ?」
ハサウェイ「そうさ」


 その話は本当ではない。しかし、噂というものは、いつしか肥大して伝えられるものである。


クェス  「インドのクリスチーナが言ってたのと違うな。ニュータイプは、
      物とか人の存在を正確に理解できる人のことだよ。それもさ、
      どんなに距離が離れていてもそういうのがわかるようになるの」
ハサウェイ「ああ。人間って、地球だけに住んでいた時は
             頭の細胞の半分しか使ってなかったんだろ?
      それが、宇宙に出て、残りの頭の部分を使うようになれば、
            テレパシーだって予知能力だって高くなるよな。
      じゃないと、地球とコロニーで暮らしてたら
                 家族だなんて思えなくなっちゃうもん」
クェス  「あんたんとこの家族はわかりあってんだ?」
ハサウェイ「親父、いつもうるさいけどな」
クェス  「うちなんか、家族で地球にいたんだよ」


 クェスが、フッと淋しそうな表情を見せた。


Posted at 2007/11/27 07:47:36 | コメント(0) | トラックバック(0) | 音楽/映画/テレビ
2007年11月26日 イイね!

CCA編 #11「 ララァ・スン 」


 閃光の奔流の中にアムロ・レイはいた。


アムロ  「ララァ・スン?」


 そこには、一羽の白鳥が飛び、それが、薄い黄色のローブのような衣装をまとった少女に変身していった。


アムロ  「シャアと僕を、一緒くたに自分のものにできると思うな」
ララァ  「意識が永遠に生き続けたら拷問よ。私はあなた達を見たいだけ」
アムロ  「そりゃあエゴだよ」
ララァ  「私は永遠にあなた達の間にいたいの」
アムロ  「シャアは否定しろ」
ララァ  「彼は純粋よ」


 アムロは上体を起こした。寝言である。


アムロ  「純粋だと?…くそ、また同じ夢を見るようになっちまった」


 その時、壁のディスプレーのチェーンが言った。


チェーン 「大尉」
アムロ  「なんだ?」
チェーン 「よろしければ、モビルスーツデッキに上がってください」
アムロ  「10分後に行く」
チェーン 「はい」


チェーン 「どうしたんだろう?恐い声」


Posted at 2007/11/26 07:33:41 | コメント(1) | トラックバック(0) | 音楽/映画/テレビ

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