2007年09月19日
第15話「カツの出撃」
アッシマーやギャプランの修理を急ぎつつ、アウドムラを追うスードリ。
ブラン 「動けばいい。その修理だけをしておけ。すぐに出撃するつもりだ」
クルー 「は!」
ブラン 「輸送機ごとぶつかってくるとは…」
ロザミア 「少佐。ブラン・ブルターク少佐。少佐のお陰です。
こうしてギャプランの修理もできますのは」
ブラン 「強化人間の癖か、同じことを何度も…」
ロザミア 「私をこの隊に加えてください。耐えられないんです。
あの人達が宇宙を落とすのは」
ブラン 「宇宙を落とす?」
ブランはロザミアとの会話の中で、強化人間である彼女に精神や情緒の不安定さを感じる。一方アムロ・レイは、ハヤト達と合流した。
ハヤト 「そうか、日本へ向かったか」
アムロ 「あぁ、フラウに来させたのはハヤトか?」
ハヤト 「迷惑だったかい?」
アムロ 「いや」
ハヤト 「アムロのところへやって良かったよ。
思った通り、カツを連れ出してくれた」
アムロ 「どういうことだ?」
ハヤト 「アイツは地球の生活から抜け出したくて仕方なかったのさ。
しかし、フラウは嫌がっていた」
アムロ 「そりゃぁそうだろ、子供を戦場に行かせたい母親なんていない」
ハヤト 「そう、たとえ義理の母親でもね。
しかし、子供は親の気持ちなどはお構いなしに行動する」
アムロ 「カツを見てると、こっちが歳を取ったって感じるものな」
ハヤト 「君からはその弱音は聞きたくないな。
カツを鍛えてもらおうと思っているんだから」
アムロ 「それは逆だろ?オレを鍛え直したかったんじゃないのか?」
気持ちの切り替えが出来切らないアムロは、卑屈と現状打開の間で葛藤していた。
クワトロ 「さすがだな、輸送機という機動性のないものを
モビルスーツにぶつけるとは」
アムロ 「なぜ地球圏へ戻ってきたのです?」
クワトロ 「君を笑いに来た。そう言えば君の気が済むのだろう?」
アムロ 「好きでこうなったのではない。それはあなたにだってわかるはずだ」
クワトロ 「しかし、同情が欲しいわけでもないのだろう?
ならば、カツ君の期待にも応えるアムロ・レイであって欲しい。
それが、私に言える最大の言葉だ」
アムロ 「なぜ地球圏へ戻ってきたのだ?」
クワトロ 「ララァの魂は地球圏に漂っている。
火星の向こうにはいないと思った」
アムロ 「ララァ…」
クワトロ 「自分の殻の中に閉じこもっているのは、
地球連邦政府に、いや、ティターンズに手を貸すことになる」
アムロ 「宇宙に行けなければできない相談だ!」
クワトロ 「籠の中の鳥は、鑑賞される道具でしかないと覚えておいてくれ」
カミーユ 「アムロさん、夜食です」
アムロ 「あぁ、ありがとう」
カミーユ 「僕、あなたにお会いしたいと思っていました。
いろんな人からあなたの名前を聞かされました。
僕はあなたと比較されてるみたいで、苦痛だったんです。
教えて欲しいんです、周囲の期待に応える方法を」
アムロ 「オレが初めてガンダムで戦ったのも、
ちょうど君と同じくらいの年頃だった。
あの頃は夢中だった。カツ君は、オレのこと何て言ってる?」
カミーユ 「は?」
アムロ 「何か言ったと思うんだが…」
カミーユ 「なら、カツ君に直接聞けばいいでしょ?」
アムロ 「カミーユ君」
カミーユ 「失礼します」
アムロ 「オレは、一体何をやってるんだ…」
そんな時、カラバのベルトーチカ・イルマがアウドムラをヒッコリーに誘導する為、複葉機“コメット”で現れる。アウドムラと合流し、ヒッコリーにある地球脱出用シャトルの情報を伝えたベルトーチカは、機内でアムロに出会い、彼に興味を持ち始める。そこへスードリが現れ、ロザミアのギャプランが出撃してくる。
カツ 「ん?敵です!」
クワトロ 「敵の数は?」
カツ 「僕だって戦えるはずだ」
カミーユ 「ガンダムMk-Ⅱが動いている!誰だ?」
カツ 「カツ、行きます!」
カミーユ 「カツめ、無理だ、実戦をやろうなんて!」
クワトロ 「カミーユ君、リック・ディアスで出られるか?」
カミーユ 「了解」
アムロ 「カツが出たのか?」
ハヤト 「カツが?」
煮え切らないアムロへの反抗心から、Mk-IIで無断出撃するカツ。すぐにクワトロとカミーユが百式とリック・ディアスで後を追い、7年間操縦経験のないアムロもまた、ハヤトの制止を抑え出撃しようとする。しかし、アムロは立ちすくみ、それを見たベルトーチカは、彼が内心では戦闘を怖れ、内面の背反と戦っていることを感じ取る。
ロザミア 「ん?2機出たようだが、私に敵うのか?」
カツ 「敵はどこだ?右から来るのか?左からか?うわっ!
ハイザックは上からか?索敵チェックモニターどれなんだ?
ザクと違うから!あれか?あっ、うっ、あっ!」
ロザミア 「もう逃さないよ。同じようなことはしない」
カツ 「う、後ろに。あぁぁぁぁ!」
ロザミア 「あのパイロット、昨日と違うのか?ん?
どんな作戦であっても…いや、あれはパイロットが違うんだ」
カツ 「あぁぁぁぁ!」
勇んで出撃したものの、旧式モビルスーツの操縦経験しかないカツは、ロザミアのギャプランを前に手も足も出ないまま窮地に追い込まれる。
ロザミア 「な、何だ?金色のモビルスーツか?ガンダムを盾に使うか?」
クワトロ 「逃げる?」
カミーユ 「クワトロ大尉」
クワトロ 「Mk-Ⅱのカツ君を」
カミーユ 「了解」
カツ 「あっ!この、この、この!」
カミーユ 「カツ、目を開いて!相手をよく見る!」
ロザミア 「この力は何だ?」
カミーユ 「カツ、体勢を直せ!カツ!」
カツ 「カミーユ…。リック・ディアス…」
カミーユ 「カツ!」
カツ 「まだ戦えます」
カミーユ 「いい加減にしろ!自分やったことが、他人の迷惑になってることに気が付かないのか!」
カツ 「うぅぅ」
カミーユ 「ガンダムMk-Ⅱを壊してからじゃ遅いんだ!」
危ないところをクワトロとカミーユに救われたカツではあったが、最後に感じるままに放ったビームライフルがギャプランの脚を打ち抜き、ギャプランはクワトロとカミーユに止めを刺される。
ブラン 「ロザミア・バダム、先走って敗れたか。
強化人間、使い物になるのか?」
ハヤト 「馬鹿野郎!」
カツ 「あぁ!」
ハヤト 「全く!」
カツ 「ごめんなさい、父さん。
でもね、僕、見えない敵が見えたんだ!ほんとだ!」
ハヤト 「黙れ!それが何だと言うんだ!一度ぐらいの偶然で、
それがお前の才能だと思うのは軽率だ!」
カミーユ 「ハヤト艦長の言う通りだと思うよ、
カツ君。でもカツ君の言うことは、本当です」
ハヤト 「いや、こいつの甘さは許すわけにはゆかない。
一人の身勝手さが、時には部隊を全滅させることもある!
それは許せないんだ!」
クワトロ 「どうしたのだ、アムロ君。こうして若者達も戦っている。
あのときの血の騒ぎはなくなったのか?」
ギャプランからパイロットが脱出するのが見えたカミーユは、それが女性であったことに驚く。その後、アウドムラに戻ったカツは、義父ハヤトから制裁の鉄拳を受け、個人の勝手な行動が大勢を死に至らしめるかもしれないことを知る。若いカツが起こした血気の顛末を皆が見守る中、アムロは一人背を向けその場を離れていく。
次回予告
アウドムラはヒッコリーと接触するために、西海岸に滞空する。
ベルトーチカは、なんとしてもシャアとカミーユを宇宙に帰すのだと、
アムロに決断を迫る。
アムロはリック・ディアスを駆って、アッシマーと対決したが・・・。
次回、機動戦士Zガンダム、白い闇を抜けて。
君は刻の涙をみる・・・
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Posted at
2007/09/19 07:53:23
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