2007年09月20日
第16話「白い闇を抜けて」
カツは、アムロが戦おうとしないのが、不服だったのだ。一人、ガンダムMk-Ⅱを駆って、ロザミア・バダムのギャプランに立ち向かおうとした。しかし、シャアとカミーユの助けがなければ、カツは、死んでいたかもしれなかった。ヒッコリーへ向かうアウドムラの機内では、ベルトーチカがアムロの気力を奮い立たせようと試みる。
ベルトーチカ「この霧を利用して、カミーユとクワトロ大尉だけでも、
宇宙に戻してあげなければね。それがカラバの任務でしょ?」
アムロ 「君は戦うことは嫌なのだろ?」
ベルトーチカ「戦争は、嫌いよ。当たり前でしょ?でもそのことと
戦わなくちゃいけないときは戦うということは別よ」
アムロ 「僕を軽蔑しているんだろ?」
ベルトーチカ「私はそれほど鈍くはないわ。
アムロ・レイの7年間は眠りの時間だったのよ。
肉体も、精神も。休養は必要だわ。目を覚ませばいいのよ。
そうすれば昔と同じになるわ」
アムロ 「ベルトーチカ…同情ならいい」
ベルトーチカ「私はそれほど鈍くはないと言ったでしょ?
女の愛撫で男を奮い立たせることができるのなら、
女はそれをするときもあるのよ。なぜだと思う?」
アムロ 「男を試しているんだろ?」
ベルトーチカ「そうよ。自分にふさわしい男になって欲しいからね。
でも、ダメだとわかれば捨てるわ。同情してる暇なんてない」
アムロ 「カミーユとクワトロ大尉は宇宙に帰す」
一方、クワトロはハヤトからカツを宇宙へ連れ出す許可を取り付ける。アムロはクワトロにモビルスーツを置いていってくれるように頼む。
アムロ 「モビルスーツを1機置いてってくれないか?」
クワトロ 「なぜだ?」
アムロ 「理由が必要なのか?」
クワトロ 「すまん。Mk-Ⅱはカミーユが慣れているので置いてはゆけない」
アムロ 「リック・ディアスでいい」
クワトロ 「エゥーゴで開発したものだ。あれこそ置いてゆけない」
アムロ 「信用ないのだな」
クワトロ 「エゥーゴとティターンズの決着は、宇宙でつけることになる。
君も…君も宇宙に来ればいい」
アムロ 「行きたくはない。あの無重力帯の感覚は怖い」
クワトロ 「ララァに会うのが怖いのだろう?
死んだ者に会える訳がないと思いながら、
どこかで信じている。だから怖くなる」
アムロ 「いや…」
クワトロ 「 生きている間に、生きている人間のすることがある。
それを行うことが、死んだ者への手向けだ 」
霧に紛れてモビルスーツをヒッコリーへ降ろすアウドムラ。クワトロとカミーユは百式とMk-IIで機内から発進し、カツを伴ったアムロもリック・ディアスで後に続く。しかし、アウドムラの行動を予測していたブランが近くに迫っており、それを逸早く察知したアムロが迎撃に向かう。
アムロ 「ん?敵か?」
カツ 「?」
アムロ 「まだこちらは気付かれていない」
カツ 「クワトロ大尉に、連絡は?」
アムロ 「宇宙に行きたかったら、黙ってろ!」
とうとうブランのアッシマーに捕まったアウドムラは、ヒッコリーの位置を悟られないように別方向へ降下しながら応戦する。そこへアムロが加勢に入り、ブラン隊と交戦になる。7年のブランクを経ても尚、すぐさま歴戦の動きを取り戻していくアムロ。戦闘中、アムロは宇宙へ行くカツに1年戦争で愛用した銃を餞別として渡す。
カツ 「もういいよ、アムロ」
アムロ 「餞別だ。何かの役に立つ」
カツ 「アムロ…」
アムロ 「この拳銃は、前の一年戦争のときに、
ジオンのシャアと撃ち合ったものなんだ」
カツ 「大事なものじゃないんですか?」
アムロ 「パイロットになるんだろ?」
カツ 「はい!」
その頃、ヒッコリーでは百式のシャトル積み込みが完了していたが、降りて来ないアムロを心配したカミーユは、Mk-IIで空へと探しに出てブランと戦闘になる。カミーユはアッシマーの機動力に苦戦するが、その間にカツをヒッコリーに降ろしたアムロが戻り、激戦の末、二人はアッシマーを撃墜する。
クワトロ 「アムロ、カミーユはスードリに捕まったのか?」
アムロ 「この霧です。大丈夫です。カツを頼みます。
これ以上ハヤト達に笑われたくはない」
クワトロ 「シャトルがやられたら、何にもならん」
アムロ 「守ってみせる。
クワトロ大尉は、宇宙でやることが山ほどあるはずだ」
ブラン 「ガンダム!落ちろ!」
カミーユ 「うわ!」
ブラン 「ここまでだな、
こういうときは機動性に優れたアッシマーの方が…。ん?」
アムロ 「カミーユ君、気合がぼけているぞ、聞こえているか!」
カミーユ 「アムロさん、カツ君は?」
アムロ 「宇宙に帰す!君は間に合わない。
次のチャンスまで傍にいてくれ」
カミーユ 「了解です。目の前の敵は危険です」
アムロ 「カミーユ、正面やや下、バズーカだ」
カミーユ 「ん?どこだ?見えない!」
アムロ 「撃て!」
ブラン 「当たるかよ」
アムロ 「もっと下だ!」
カミーユ 「ん?ランドセルだけを切った」
ベルトーチカ「アムロ・レイが!?」
ブラン 「あれか?今のドダイは囮か」
カミーユ 「こんなのまで出すのか?えぇい、コクピットまで。ぐぁ!」
ブラン 「リック・ディアスか!」
アムロ 「後ろにも目を付けるんだ!」
カツ 「カミーユ・ビダン、間に合いませんね」
クワトロ 「あぁ、しかし君と同じで必ず戻ってくる」
カミーユ 「アムロさん、もう無理だ!地上すれすれです!」
アムロ 「敵はパワーダウンしている、押し込め!見ろ!」
ブラン 「アッシマーの飛行性能はこんなもので…こんなもので…」
アムロ 「カミーユ、撃て!」
カミーユ 「うわぁ!」
アムロ 「カミーユ、逃げろ!」
ブラン 「アッシマーがぁぁ!」
ベルトーチカ「アムロ…さんは、無事なのね?」
カミーユ 「大したものです」
ベルトーチカ「私も見たわ。第一印象を取り消さなくてはね」
カミーユ 「えぇ。そうでしょうね」
ベルトーチカ「眠りから覚めたアムロ・レイ…。
怯える男は嫌いだけど、好戦的なのも嫌ね」
カミーユ 「ニュータイプだと、信じたいところですね」
結局、カミーユのMk-IIとリック・ディアスはシャトルの発射時刻までに戻れず、クワトロは百式とカツだけを乗せて宇宙へ飛び立つ。戦闘に勝利したカミーユとアムロはアウドムラへと戻り、彼らはアメリカ大陸を逃れ、補給のためにニューホンコンを目指す。
次回予告
日本から出撃をしたモビルスーツは、新しい敵であった。
そのパイロットはフォウ・ムラサメ。
彼女が今までと違う敵であると分かるまでに、
アムロはミライ親子と再会をし、
そしてカミーユの戦い方に苛立つのだった。
次回、機動戦士Zガンダム、ホンコン・シティ。
君は刻の涙をみる・・・
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Posted at
2007/09/20 08:07:49
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