2007年09月27日
第21話「ゼータの鼓動」
カミーユがアーガマに帰艦した頃、地球連邦政府への影響力を増したいティターンズは、月面都市フォン・ブラウンを制圧する“アポロ作戦”の準備に取り掛かっていた。
ジャミトフ「月の裏側に拠点があるからと言って、
地球連邦政府を恫喝する材料にはならん。
それがスペースノイドにはわからんと見える」
側近 「ドゴス・ギアが本艦を見つけたようです」
ジャミトフ「ふっふっふっふ、よくこの船を見つけたものだ。
世捨て人のような暮らしをしていながら、あの素早い行動力」
側近 「はっ。優秀な男です」
ジャミトフ「 パプテマス・シロッコ…危険かもしれん 」
ティターンズの創設者ジャミトフ・ハイマンは、自分への忠誠を誓わせたシロッコを、新造のティターンズ旗艦“ドゴス・ギア”艦長に任命する。
マウアー 「無礼を承知でお聞きします。シロッコ大尉は何が狙いで?」
シロッコ 「私の使命は、
重力に魂を引かれた人々を開放することだと思っている」
マウアー 「それは、エゥーゴの目的です」
シロッコ 「違うな。宇宙、宇宙と騒ぎ立てながら、エゥーゴだって
地球圏に縛られている点では、連邦の人々と変わらん。
不服そうだな、ジェリド君?」
ジェリド 「ご自分が、ニュータイプだとおっしゃるのでしょうか?」
シロッコ 「私は、私がいなければ時代は変わらないと感じているに過ぎない。
ジャミトフは、地球に引かれている人々を根絶やしにするために、
地球連邦軍をティターンズにした」
ジェリド 「え?」
シロッコ 「戦争を起こして、地球の経済を徹底的に窮地に追い込めば、
地球上の人間は餓死をしていなくなる」
マウアー 「それでは表面的にはエゥーゴの目的と同じように見えますが?」
シロッコ 「問題はその後だ。戦争の後で、
誰が人類の支配を握るかで、地球圏はどうにでもなる。
その時に、地球圏を治める天才が必要だと思えんか?」
ジェリド 「それをあんたが?」
シロッコ 「戦後の地球を支配するのは、女だと思っている」
クルー 「ジェリド中尉が発進しましたが」
シロッコ 「ん。下で索敵に出した。
右前方にプレッシャーを感じたのでな。
マウアー少尉にも、出てもらうかもしれん」
マウアー 「プレッシャーと言いますと?」
シロッコ 「口では、説明しづらい」
マウアー 「では、モビルスーツデッキで待ちます」
シロッコ 「そうしてくれ」
アポロ作戦を前に、新編成した部隊をテストし始めたシロッコは、ドゴス・ギアの右前方空域にプレッシャーを感じ、艦に所属していたジェリドを偵察に出す。可変モビルスーツ“ガブスレイ”で発進したジェリドは、シロッコが指定した空域でアーガマを見つけ、応戦に出たエマやカミーユと戦闘になる。
キースロン「総員、戦闘配置。所属不明機は1機、対空砲火戦急げ。早いぞ」
ブライト 「よし。1機である訳がない」
キースロン「ですが、目視カメラはまだキャッチしていません」
ブライト 「こんな空域で敵と接触をする…。ティターンズの艦隊が
大きく展開をしていると見ていいな。モビルスーツは?」
エマ 「エマ機、リック・ディアス発進用意。出ます!」
トーレス 「今だ1機のみ」
カミーユ 「探せ。そんなことはないはずだ。ガンダムMk-II、出るぞ!」
トーレス 「了解」
カミーユ 「妙だ。地球でのパターンと同じだ。
そうか、この感覚は新型が出るな?」
カミーユ 「エマさん。エマ中尉!」
エマ 「何か?」
カミーユ 「ただのモビルスーツじゃありません。注意してください。来ます!」
ガブスレイの機動力と絶大な威力を誇る武装に翻弄されるエマ。
エマ 「モビルスーツではない?戦艦か?
このメガ粒子砲は戦艦クラスのもの…」
カミーユ 「モビルアーマーか?あり得ることだ。あの機動力は間違いない、
モビルスーツクラスだ。しかも、戦艦の主砲を持っている」
ジェリド 「当たらんとはな。照準調節が完全でないということか。しかし!」
カミーユ 「やはり新型か!」
ジェリド 「無駄だ。接近戦だってできるって」
エマ 「はっ、変形する?来る!」
カミーユ 「エマさん。動いて!」
ジェリド 「この距離ならば、当たる!」
エマ 「あぁぁぁぁ!」
カミーユ 「エマさん!新型だからって!」
ジェリド 「何?この声…カミーユか!?」
カミーユ 「傷を付けた。ライフルで…。くっ!」
ジェリド 「ガンダムMk-IIが帰っていたとはな。ふふふ。敵か?マウアー!」
マウアー 「シロッコの命令で援護に来た」
ジェリド 「余計な事を」
ほどなくリック・ディアスを撃破された彼女は、ポッドで脱出し戦線を離脱する。そこへ、ジャブロー脱出以来ジェリドのパートナーになっていたマウアーが加勢に入り、カブスレイ2機を前に、カミーユは窮地に立たされる。そんな彼のピンチを1機の小型輸送機が救う。
カミーユ 「2機いたのか?」
マウアー 「ジェリド、何をためらってる?キャノンを使え!」
ジェリド 「こいつだけは他のマシンとは違う。なぶり殺しにしてやる!」
カミーユ 「はっ!」
ジェリド 「カミーユ、死ね!何!?マウアー、新手だ!」
マウアー 「全く違う方向から火線が走った。アーガマ隊ではないはずだ」
カミーユ 「はぁはぁ、迂闊だった。
新型が2機も出るなんて…。これが甘えだというのか」
マウアー 「見えた!小型の輸送機?
ジェリドは下がれ。強力なメガ粒子砲だ。えぇい!」
カミーユ 「あ!どこの戦闘機だ?」
ジェリド 「エゥーゴの新型なのか?」
カミーユ 「は?あ、ファ!」
ファ 「怪我はなかった、カミーユ?」
カミーユ 「ガ、ガンダムMk-IIも回収したいし、敵はまだ動いている。新型だ」
ファ 「アポリー中尉が、Ζを運んできたのよ」
カミーユ 「Ζ?」
ファ 「 Ζガンダム 」
カミーユ 「できたのか、Ζ!」
突然、予想もしなかった方角から攻撃されたジェリド。そこへファが操縦する小型輸送機と、新型可変ビルスーツに乗ったアポリーが姿を現す。エゥーゴの新型に追い討ちを喰らったジェリドは、損傷の酷い自機を放棄し、マウワーのガブスレイに避難し撤退していく。カミーユは、ファ達が運んできた新型が、自分が基本設計した“Zガンダム”だと知る。
次回予告
カミーユはファに冷たかった。
ジェリドはシロッコとヤザンを意識して、戦闘に身を晒した。
しかし、アーガマの新しい戦力の前に苦戦をする。
それを見つめるパプテマスは何を考えているか知らない。
次回、機動戦士Zガンダム、シロッコの眼。
君は刻の涙をみる・・・
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Posted at
2007/09/27 07:56:06
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