2007年10月22日
第36話「永遠のフォウ」
クルー 「何を躊躇っているのです?」
クワトロ 「アウドムラが戻ってくるのを待った方がいい。
こちらも万全の体制を取ることができる」
アムロ 「だが、敵にも余裕を与えることになる」
クルー 「麓では、突撃部隊も出撃の命令を待っています」
アムロ 「指揮権は君に委ねられたんだぞ」
キリマンジャロ攻略が膠着する中、次なる攻撃のタイミングを計るクワトロとアムロ。一方、カミーユはフォウを救おうと、単身キリマンジャロ内に潜入する。潜入後、すぐにお互いの思念を感じ取るカミーユとフォウ。二人は再会を果たすが、出会ったところを基地で怪我の治療をしていたジェリドに見られてしまう。
カミーユ 「は!やはり、いるんだ」
フォウ 「カミーユ…カミーユ!」
カミーユ 「フォウ、会いたかった」
フォウ 「カミーユ!必ず会いに来てくれると思ってたよ」
カミーユ (妙だな、監視カメラがない。しかも昼間と全く違うフォウ…。
全く別人に見える。しかし、僕には同じフォウにしか見えない)
フォウ 「うふふ、カミーユ…。でも変だ、お風呂に入るまで、
全然カミーユのこと忘れてたんだよ。何でだろうね?」
カミーユ 「僕のこと、嫌いになったんだろ?」
フォウ 「うふふふふふふ、ずっと好きよ。
でもあたしは変わってしまうのよ、サイコガンダムに乗ると…」
カミーユ (アムロさんも言ってたな。
フォウが戦うのは、戦闘システムのせいだって。)
フォウ 「あたしの頭の中はカラッポになって、
別のあたしが入り込んで来る。だから…」
カミーユ 「乗っちゃいけない。
フォウはもう、あんなマシーンに乗ることはないんだ」
フォウ 「うん、カミーユがそうしろって言うなら、もう乗らない」
カミーユ 「フォウ」
日中に出会ったフォウと、目の前の精神が安定したフォウの違いに戸惑うカミーユ。彼と会話をしていたフォウは、突然頭痛に襲われる。カミーユはフォウを連れて頭痛を抑える薬を取りに行くが、運悪くナミカに見つかり通報されそうになる。カミーユはその場を制圧するが、そこへジェリドが踏み込んでくる。
フォウ 「うあっ、あぁぁ!」
カミーユ 「フォウ!」
フォウ 「あぁぁ、頭が。頭が…い…。く、薬…薬を…」
カミーユ 「取ってくる。どこへ行けばいいんだ?」
フォウ 「ダメ!カミーユが行ってもダメ。あたしが直接行かなければ」
カミーユ 「薬を。フォウが…」
ナミカー 「フォウ?」
カミーユ 「急に頭痛がするって」
ナミカー 「え?あなた、カミーユ・ビダン!」
カミーユ 「う!」
ナミカー 「エゥーゴのニュータイプよ!ガンダムのパイロットの」
カミーユ 「あなた、動かないで!」
ナミカー 「そのキーボードは…」
カミーユ 「動くな!フォウ・ムラサメ…ムラサメ研で4番目の強化人間…」
ナミカー 「強化人間ではない。
人工的にニュータイプを造る研究をしている…」
カミーユ 「それが人間のすることか!人をあんなに弄り回して。
記憶を戻してやれ。今すぐにだ!」
ナミカー 「そんなの無理でしょう?人間の記憶なんて、
そう都合よく消したり戻したりできる訳ないでしょう」
カミーユ 「うぅ、何だと!」
ジェリド 「そこまでだ。オレはその女を人質にされたって無視するぜ」
カミーユ 「ジェリド中尉」
ジェリド 「死ね、カミーユ。うっ!」
カミーユ 「フォウ!」
フォウ 「カミーユをいじめるなら、私が許さないよ」
ジェリド 「貴様…!強化人間の出来損ないが」
フォウの協力でジェリドを倒し、そのまま逃亡した二人だったが、そこで再びカラバのキリマンジャロ攻撃が始まり、戦火を目の当たりにしたフォウが豹変してしまう。
フォウ 「は、うぅぅっ!」
カミーユ 「フォウ、大丈夫か?」
フォウ 「大丈夫…大丈夫よ。はあぁ!うぅっ!」
カミーユ 「は、フォウ?フォウ、君は…」
フォウ 「お前は…誰だ?敵だな?」
カミーユ 「待てよ。目を覚ませ、フォウ。
オレだ、カミーユだってわからないのか」
フォウ 「わかる」
カミーユ 「わかる?」
フォウ 「カミーユ・ビダンはΖガンダムのパイロットだ。
エゥーゴの中核の戦士として、認知されている」
カミーユ 「フォウ。カミーユなんだよ。オレ、カミーユ・ビダンだ。
フォウ、よせ、あれを呼んじゃいけない!フォウ…」
フォウ 「ふんっ!」
カミーユ 「ダメだ、それに乗っちゃ!
それは、悪魔のマシーンだ、行くな!」
カミーユを跳ね除けたフォウは、遠隔操作で呼び寄せたサイコガンダムに乗りカラバ隊の攻撃を始める。カミーユはクワトロが運んできたZでフォウの後を追う。
クワトロ 「カミーユ!Ζに乗れ!」
カミーユ 「僕に、フォウを撃てって言うんですか?」
クワトロ 「これは戦争だぞ、カミーユ!」
カミーユ 「だけど、僕は人間です!」
クワトロ 「こんな所で子供の理由を振り回すな!
戦いの中で人を救う方法もあるはずだ。それを探せ!行くぞ!」
カミーユ 「ある訳ないだろ!クワトロ大尉の言う事の方が、
よっぽど理想論だ。オレはフォウを守る!」
戦いを止めるように必死でフォウを説得するカミーユ。しかし、彼は“バイアラン”で出撃してきたジェリドに襲われ、カラバはサイコガンダムに守られたジャミトフの基地脱出を許してしまう。
フォウ 「出て来たか、Ζガンダム!」
アムロ 「カミーユ、離れてろ!」
カミーユ 「大尉、やめてください!攻撃はしないで!」
アムロ 「どうしろと言うんだ!」
カミーユ 「僕が説得します。フォウ、止まれ!」
フォウ 「前に出て来るとは、いい自信だよ!」
カミーユ 「何!?」
ジェリド 「カミーユ!」
カミーユ 「ジェリド!」
クルー 「サイコガンダム、指令である。
ジャミトフ閣下を守れ。シャトル発射口へ」
フォウ 「りょ、了解」
クワトロ 「宇宙に逃げる?ジャミトフか!」
フォウ 「来るな!」
クワトロ 「何だ?フォウという強化人間のプレッシャーか?
ジャミトフ!みすみす逃がすとは…」
アムロ 「チャンスはまだある」
クワトロ 「は!」
アムロ 「突撃部隊、成功したな」
その頃、カラバの突撃部隊がキリマンジャロの爆破に成功し、これに巻き込まれたフォウはショックで安定した精神に戻る。
フォウ 「カミーユ?」
カミーユ 「よし、コクピットを開けろ」
フォウ 「カミーユ。あなたなの?」
カミーユ 「サイコガンダムのコクピットにいてはいけない。早く!」
フォウ 「はっ!」
ジェリド 「死ね、カミーユ!」
カミーユ 「ジェリド!」
フォウ 「来るな!」
カミーユ 「フォウ!」
フォウ 「わぁ!あぁぁぁ…」
カミーユ 「フォウ!!」
フォウ (カミーユ、悲しまないで。
これであたしは、いつでもあなたに会えるわ。
本当に、あなたの中へ入ることができるんだから)
カミーユ 「フォウ、しっかりしろ、フォウ!目を開けろよ。
嘘だろ、こんなの嘘だろ?目を開けてくれよ、フォウ!」
フォウの安否を確認しに行くカミーユ。そこへジェリドが襲い掛かり、咄嗟にフォウはカミーユを庇う。機体の爆発で地面に投げ出されたフォウは、駆け寄ってきたカミーユの腕の中で息を引き取る。ララァの悲劇が繰り返されたことを悔やむアムロとクワトロ。二人は号泣するカミーユとZを連れてアウドムラに引き上げる。キリマンジャロは誘爆で壊滅する。
アムロ 「人は、同じ過ちを繰り返す…。全く!」
クワトロ 「同じか…」
クルー 「クワトロ大尉、要塞の誘爆が顕著です。
間もなく、山頂全体が爆発します」
クワトロ 「わかった。各モビルスーツは順次アウドムラに移動。
こちらもすぐ行く。カミーユ、ここは危険だ!撤退するぞ!」
アムロ 「カミーユ、何してる!?爆発に巻き込まれるぞ!」
クワトロ 「カミーユ、かわいそうだが、
君はまだ死ねない身体だ。カミーユ、乗れ!」
次回予告
カラバは、地球連邦政府の議会を制圧した。
シャアは、そこで自分の正体を明かし、
ティターンズの危機を世界に訴えた。
それは、時代の変わる狼煙であった。
次回、機動戦士Ζガンダム、ダカールの日。
君は刻の涙をみる・・・
ブログ一覧 | 音楽/映画/テレビ
Posted at
2007/10/22 08:08:20
今、あなたにおすすめ