2007年10月31日
第43話「ハマーンの嘲笑」
アーガマを去ったロザミア・バダムは、グリプス2の空域へ向かった。グリプス2のコロニーレーザーがグラナダを射程距離に捉えようとする中、グラナダのメラニー・ヒュー・カーバインは、現状を打開するためにアーガマへ特使を送る。
カミーユ 「ハマーン・カーンと接触して、
グリプス2の破壊工作を依頼せよ…。どういう事ですか?」
ブライト 「読んでの通りだ。メラニー会長は何としても
アクシズをエゥーゴ側に引っ張り込むつもりだ」
カツ 「ハマーンのアクシズはエゥーゴの敵なんですよ!」
クワトロ 「いや、まだ敵と決まった訳ではない」
カツ 「大尉!」
カミーユ 「大尉は、この作戦に賛成なんですか?」
クワトロ 「やってみる価値はあるだろう」
カツ 「やめましょうよ、そんな事」
ヘンケン 「カツ!お前が口出しする事ではない」
カツ 「はい」
ブライト 「確かに了解したと、メラニー会長にお伝えください」
特使 「では、よろしく」
メラニーの親書には、グワダンにコロニーレーザーの破壊工作を依頼するよう指示書きされていたが、アーガマでは、これに反対する者が続出する。敵味方に近い状態のアーガマとグワダン。クワトロにとっても、ハマーンにものを頼むのは屈辱的だったが、彼とブライト、ヘンケンは、この命令を受けることにする。しかし、不満を示したファとカツは謹慎処分を受けてしまう。その後、「命令は命令」と割り切ったカミーユが使者となり、グワダンへ向けZを発進させる。
ハマーン 「了解した。だが、そちらの使節団がこのグワダンまで
来る必要はない。私が直接アーガマに赴き、話を聞こう」
カミーユ 「えっ、あなたが?」
ハマーン 「私とてそれほど傲慢ではない。礼には礼を尽くす」
カミーユ 「わかりました。では、デッキでお待ちしています」
艦長 「ハマーン様、よろしいのですか?」
ハマーン 「アーガマの中を見たい。キュベレイは出せるな?」
艦長 「はっ!」
ハマーン 「シャア・アズナブルめ、こういう出方をするとはな。ふっふっ…」
グワダンへ赴いたカミーユは、ハマーンから交渉の了解を取り付ける。偵察も兼ね、自らニュータイプ専用モビルスーツ“キュベレイ”でアーガマを訪れたハマーン。
カミーユ 「ハマーン・カーンのモビルスーツか!」
ブライト 「ハマーンか?」
クワトロ 「キュベレイだ!あれも完成させていたとなると、
アクシズの生産能力は、かなり拡大しているな」
ハマーン 「13バンチ以来、また会ったな、シャア。
この縁、不思議とは思わんぞ」
クワトロ 「永遠に切れない仲らしいな。それもいいだろう」
ハマーン 「良い返事だ。ということは、エゥーゴは
かつてスペースコロニーを支配していた
ザビ家の復興を認めるというのだな、艦長?」
ブライト 「エゥーゴを支援する人々は、その条件を呑むようだ」
クワトロ 「ザビ家復興を認めねば、どうするつもりだったのだ?」
ハマーン 「地球に全面核攻撃をするだけのことだ。
アクシズにはその用意がある」
カミーユ (これ以上地球を汚染したら、地球は…)
クワトロ 「グラナダの、メラニー・カーバインの親書だ」
ハマーン 「なるほど、サイド3をくれるか。で、私に何をやれと?」
クワトロ 「グリプス2のコロニーレーザーを、
グワダンの手で破壊してもらいたい」
ハマーン 「ふふ、シャアからそのような申し出を受けるとは嬉しい。
だが困ったものだな、お前は物の頼み方を知らないようだ」
コロニーレーザーの破壊工作を行う代わりにザビ家復興を認めさせ、更にクワトロに頭を下げて懇願するよう促す。ブライト、クワトロはその要求を呑む。
クワトロ 「頼む、ハマーン・カーン。コロニーレーザーを潰してくれ」
ハマーン 「ふふふ、約束は守る。我々の力をその目に焼き付けるがいい」
いよいよ始まる全面衝突。しかし、あまりに多いティターンズ艦隊を前に、アーガマとラーディッシュは苦戦する。
トーレス 「グワダン、依然動きがありません」
ブライト 「何をしているんだ。このままでは…」
クワトロ (ハマーンめ、自分だけが消耗しない作戦を考えているのか)
ヘンケン 「もうちょっとの辛抱だ。なんとかもたせるんだ。
砲座開け!艦隊戦になるぞ」
ファ 「間合いが!」
カミーユ 「ファ、数が違うんだ、接近戦はやめろ」
ファ 「了解」
カミーユ 「グワダンはまだなのか。
いつまでももたないぞ。うっ、ハマーンめ!」
カミーユのZも多勢を前に窮地に立つが、謹慎を解かれたファとカツの加勢で救われる。その頃、ティターンズを援護すると見せかけたグワダンは、遂にコロニーレーザーに向け主砲を放つ。
ハマーン 「そろそろだな。砲門開け。
目標はグリプス2の核パルスエンジン!」
クルー 「はっ。第1、第2、第3主砲、砲門開け」
ハマーン 「よし、主砲発射!」
カミーユ 「グワダンが…やったのか?」
バスク 「グリプス2が、直撃を受けただと?」
クルー 「被弾状況は、不明!
グワダンからのビームです、間違いありません!」
バスク 「何だと!」
クルー 「グワダンが後退していきます」
バスク 「このまま逃がすものか。
モビルスーツを回収しろ!グワダンを追う!」
艦長 「大佐、冷静に…。グリプス2の防衛が先です!」
バスク 「わしに指図するな!」
艦長 「うっ!」
バスク 「これでは、ジャミトフ閣下に申し開きが立たん!」
トーレス 「グリプス2の射撃軸はズレた模様です。
月へのコースへの変動も見られます」
ブライト 「ハマーンが約束を守ったか…。アーガマは後退する。
モビルスーツ隊を撤退させろ」
ハマーンに裏切られたバスクは矛先をグワダンに向けるが、グワダンはティターンズ艦隊の射程を逃れ去っていく。核パルスエンジンを破壊されたコロニーレーザーの射撃軸はグラナダを逸れ、アーガマとラーディッシュも撤退する。クワトロはミネバとハマーンに会い礼を述べるが、激しい憤りと葛藤を覚える。
ハマーン 「ようこそ、シャア・アズナブル」
クワトロ 「ご協力、感謝します、ミネバ様」
ミネバ 「シャア・アズナブル、お前が戻って来てくれた事、
うれしく思う。これからも私のために働いてくれ」
クワトロ 「はい。では、また」
ミネバ 「うん。ザビ家再興の日も近い。
それが共に良き日である事を、祈って欲しい」
クワトロ 「はい」
ハマーン 「ミネバ様、これでエゥーゴはアクシズのものでございます。
これ以降はミネバ様の手足となって
ザビ家再興のため働いてくれるでありましょう」
ミネバ 「それは、シャアの功績であるな?」
ハマーン 「はい、もちろんでございます」
ブライト 「ひょっとしたら、こいつと
戦闘状態になっていたのかもしれないんだな」
クワトロ 「あぁ。しかし、先の事はわからんよ」
ブライト 「グワダンのデータは取ったのか?」
トーレス 「やってます」
ブライト 「機銃1門も見逃すな」
カミーユ 「大尉…」
次回予告
ザビ家復興を目指すハマーンは、
エゥーゴと手を結びながらもジャミトフと会った。
それができるのも、ハマーンには決定的な武器があったからだ。
その作戦の中、カミーユはサラ・ザビアロフと出遭った。
次回、機動戦士Zガンダム、ゼダンの門。
君は刻の涙をみる・・・
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Posted at
2007/10/31 07:52:30
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