C28JA60TAKAのブログ一覧

　　

アムロ　　　「あそこだ！」
ジオン兵A　「うわーっ」
アムロ　　　「つかまえた」

ガンダムはザクの口の部分につながる動力パイプを握り、そのまま突き飛ばした。

ジオン兵A　「うおーっ」

動力パイプはちぎれ、ザクは後ろのマゼラアタックにぶつかり爆発の中に消えた。

アムロ　　　「うわーっ！」

アムロはガンダムにビームサーベルを持たせ、マゼラアタックに突進した。

アムロ　　　「このーっ！」

ビームサーベルを振り回し、ガンダムは次々とマゼラアタックを撃破していく。

ハヤト　　　「アムロ、お前・・・。よーし！」

ハヤトの目の前で３機目のザクはガンダムのビームサーベルに切り裂かれて爆発した。

アムロ　　　「やあーっ！」

すでに動かなくなってしまったマゼラアタックでさえも、ガンダムは執拗にを攻撃を加えていた。
何かに取り憑かれたように・・・。もう辺りにマゼラアタックの姿はない。


ガルマ　　　「基地へ帰還する」

ガウの中でガルマは目の前の自軍が大敗した光景に背を向けた。

ジオン士官A「このまま帰還するんですか？大佐」
ガルマ　　　「見ただろう、敵の威力を。
　　　　　　　私はあれを無傷で手に入れたい。
　　　　　　　あれは今度の大戦の戦略を大きく塗り替える戦力だ。
　　　　　　　が、奴らを大陸から一歩も出すな、
　　　　　　　私の監視の目の中に泳がせておけ。私は必ず仕留める」


勝負は決した。ジオン軍大敗の中、ホワイトベースは傷を負いながらも航行を続けていた。


ミライ　　　「ブライト」
ブライト　　「うん、山沿いに大陸に入るしかないな」
ミライ　　　「そうね。ガルマ・ザビに占領されたといっても、
　　　　　　　まだ大陸には連邦軍の地下組織が抵抗を続けているはずよ」
ブライト　　「どうやって接触するかだが・・・」

自信なげに頭をかくブライトにミライが諭すように言った。

ミライ　　　「ブライト、今はみんながあなたをあてにしているのよ」
ブライト　　「わかっている、ミライ。さあ、ガンダムの戦士を迎えよう」

アムロがガンダムのコクピットからゆっくりと降り立った。

フラウ　　　「アムロ、お疲れさま」

フラウの言葉に、アムロは少しだけ微笑んでみせ、自分の部屋に向った。

フラウ　　　「アムロ・・・」

リュウ　　　「アムロ、お疲れ」
カイ　　　　「おーいアムロ」
ハヤト　　　「お疲れさま」

駆け寄る仲間を無視するように、黙ったままアムロは歩を進めた。

カイ　　　　「ちぇっ、気取りやがってよ。戦ったのはなにもガンダムばかりじゃねえんだよ」
ハヤト　　　「よしなよ、そんな言い方」

アムロの部屋の前に子どもたちがはしゃいで現れた。

キッカ　　　「わ〜い・・・」
カツ　　　　「わ〜」
レツ　　　　「わ〜・・・」
キッカ　　　「アムロ、キッカ達お祝いのパイ大急ぎで作ったのよ」
レツ　　　　「シャンペンも持ってきたからさ、アムロ」
カツ　　　　「パイで乾杯しようよ」
ハロ　　　　「アムロ、カンペー、アムロ、カンペー」

ロボットのハロさえも、アムロにはうかれているように見える。

アムロ　　　「・・・一人にしてくれよ、な？」

アムロは目を閉じ、後ろ手に部屋のドアを閉めた。

キッカ　　　「…なによアムロ、イーだ」

アムロはベッドに横たわると目を閉じた。体は疲れきっているのに頭の芯が冴えてどうすることもできなかった。アムロは頭を抱えて横を向いた。


ガルマ　　　「シャア」

音を立てるシャワーブースに向って、ガルマは声をかけた。

シャア　　　「ガルマか？」
ガルマ　　　「なぜあの機密のすごさを教えてくれなかったのだ？」
シャア　　　「言ったさ、ジオン十字勲章ものだとな。
　　　　　　　次のチャンスを狙っているんだろ？」
ガルマ　　　「ああ、ぬかりはない」
シャア　　　「俺も協力する。
　　　　　　　君の手助けができるのはうれしいものだ」
ガルマ　　　「助かる、君の力を得れば百人力だ。
　　　　　　　これでキシリア姉さんにも実力を示すことができる」
シャア　　　「キシリア殿は君の直接の上司だったな？」
ガルマ　　　「シャア」
シャア　　　「なんだ？」

シャワーの音が止んだ。

ガルマ　　　「私はよい友を持った」
シャア　　　「水臭いな、今更。はははは・・・」

タオルで頭を拭きながら、シャアはシャワーブースを出てきた。
ガルマへのある思いを抱きながら・・・



次回予告
連邦軍本部と連絡を取る為、アムロは敵陣を飛び越す作戦を実行した。
しかし、シャアがその作戦の出鼻をくじく。
コアファイターはガンダムに換装してシャアに立ち向かえるのか？
機動戦士ガンダム、次回、『コアファイター脱出せよ』。
君は、生き延びることができるのか？