
オートバイツーリングは、それなりに体力を消耗します。
そこそこの距離を走り~の、林道で大汗かき~のした後に温泉なんかに浸かったら、「もぅ走りたくね~」モードになること間違いなし。
そんなわけで、あまり目的地に入れないようにしていました。
先日、遠くない所で温泉だけ入って帰れば大丈夫じゃない?と
久瀬温泉に行ったのだけど、はたと「寒い季節なら温泉疲れしないんじゃない?」と気がつきました。(遅い)
既に日中の気温は20℃に届くようになり、急に温泉に入らないのがもったいない気がしてきました。
どこ行こう。
いろんな所へ行きたい人じゃないので、過去に行った温泉でいいや。
候補としては
稲荷温泉か、
花白温泉。
そう言やぁ、一時期ハマってたアジメ胡椒ドレッシング、久々に欲しいな。
アジメを知ったのは、花白温泉で食事したときだった。
温泉に浸かって、食事して、アジメ胡椒買って。
オール・イン・ワン、素晴らしい。
平日にツーリングすることが増えたけど、とにかく気になるのは通勤ラッシュ。
暇とは言え、車列に並んで時間を潰すのはもったいないよね。
特に夕方 豊田市の市街地を抜けることだけは避けたい。
となると、行動時間は6時前出発の17時前帰着。
早く寝よう。
00:15
4時20分にセットした目覚ましを待たず4時15分起床。
だいたい目覚ましを掛けると、その数分前に目が覚めるので、アラームを聞くことはめったにない。
朝ご飯を食べ、オランちゃんを引っ張り出す。
日中の気温は「春」だから、もう冬の装備は要らないね。
ハンドルカバーは付けて、むこうで外せばいいか。

夜明けは早くなって、うっすら空が明るくなり始めてる。
気温は5℃ぐらい。
05:25

豊明市で道を間違え、田んぼの中。
05:40
どこにいるのか不明。
立て看板には、旧飯田街道 柿野街道と書かれてる。
柿野か…
何度もおじゃましてる、岐阜のお母さんちも柿野だな。
来月行ってみよう。

名鉄の電車が見える。
06:20
豊田市街地のラッシュは回避できたので、温泉の営業時間まで4時間もある。
迷っても気にしない。

どこかの集落に入る頃、霜が降り始めた。
どおりで指先が冷えるはず。
ハンドルカバーしてきて良かった。
獣害でもあるのか、林に檻が仕掛けられている。
06:35

2匹の鹿が道端にいた。
出るんだ。
そう言えば、鹿は「匹」なのか「頭」なのか。
諸説あるけど、人より大きいか小さいかで呼び分けるのが一般的らしい。
基準があってないような使い分けは迷うだけなんだけど、それが好きな人が多いのだろうか。
自分は「人が飼う家畜が頭で、それ以外が匹」と子供の頃聞いた。
理解しやすくていい。
06:45

工業団地のようなところに出た。
道路側には柵が並べられているけど、「出るな」とは書いてない。笑
06:55
どこ走ってるのか分からないけど、たぶん方向は間違ってないでしょ。

あぁ、こんなところに道が。
温泉だけと決めて来たのに、なまじ時間があるので、脇道が目に留まってしかたない。
この「舗装路の奥に未舗装が見える」って、罪だと思う。
07:30

あぁ、すごくいい感じ。
崩落した場所もあるのでノロノロと。
しばらく人が入った様子がない。
泥濘路面に落ち葉が厚く積もってズルズル滑る。

砂防ダム?
底まで20メートルぐらいあるかな。
下を見ると吸い込まれそうになって足がすくむ。
そう言いながら、へっぴり腰で覗き込む。
ガンダムのパイロットは、こんな高さでコックピットに跳び移るんだな。
ぼくはパイロットになれそうにない。
崩れた土砂で道が絶たれ、ここからは徒歩。

壊れたラジオに耕運機、それにダルマ。
過去にここで何が行われていたのかを想像するのが難しい。
奥まで道が続いているので行ってみたい気もするけど、今日は温泉が目的だと自制心が働く。
大人だ。
07:50
どうやら小原村を走っているようだ。

卵の自販機ハウスがあったので、入ってみた。
トウモロコシを与えると、黄身の色が薄くなるのだそうだ。
うまさには色の影響が大きい。
栄養価云々は別にして 黄身はオレンジ色の方が満足感がある。
08:00

磯丸碑
江戸時代の歌人だそうだ。
「この峠」とあるけど、、

ここを歩く人はいないだろうな。
あることにも気づかないだろう。
石像の表情はどこか憂いを帯びていた。
08:15
ハンドルカバーがあるのに指先がジンジンしてきた。
路肩を見ると霜柱。
名古屋で見たのは子供の頃までか。
まるで蟹の足…
ちょっと見栄を張ってしまった。
裂けるチーズとか、カニカマボコみたい。

これ高さが5センチはある。
これが踏んでも粉々にならず、繊維の状態を維持しているのがすごい。
持って帰りたい。
08:10

日当たりは心地よい暖かさ。
また道路じゃない所を走ってます。
ここ、イノシシのヌタ場になってるな。
どこもかしこもほじくり返されてる。
タイヤの溝に泥が詰まって、まるでグリップしない。
08:35

ハス(レンコン?)畑に溜まった水が凍ってる。

いいな、なんだか。
09:00
小里川湖にある道の駅、
「おばあちゃん市山岡」。

川の対岸から見た時、恵那峡ランドの観覧車かと錯覚した。
日本一大きい木製の水車だそうだ。
09:20
当時の遺物を全部残すのは難しい。
歴史的価値、維持費、観光収入を考えると、こうして一部を残すのが現実的か。
近隣になにかあるわけでもないのに、次から次へと車がやってくる。
大半が水車を見ることなく、売店に寄って出ていく。
どうも近隣で採れる野菜とか、手作りパンや菓子がお目当てのようだ。
まだ10時前だと言うのに、多くの棚が既に空っぽ。
並んでいる「からすみ」を見たら食べたくなってしまい、ご購入。

景色と巨大水車を眺めながらムシャムシャ。
からすみと言っても、魚の卵巣塩漬けじゃなくて、ういろうみたいなお菓子だけどね。
なんだかんだで、あと1時間もすると温泉の営業時間。
距離も分からないので、開業には着けないかも知れない。
10:00

とか言いながら、ぜったい違うだろという方向へ進んじゃう。
ほんと、どこにいるんだろう。
10:30

町道?で山を登ると、絶景じゃないけどいい感じの景色。
10:40
根の上妻神祠

根の上という地名は聞いたことがある。
このあたりのことだったか。
背面には「文化十一戊」。
200年も前の物悲しい言い伝えがあるようだ。
ところで花白温泉はどっちだっけ?
昨晩降ったのか、山の頂上が白い。
たどり着いた♪
、、んだけど、設備の故障で休業中だって。
あらら。

貼り紙の様子からして、閉じてからけっこう経ってる感じ。
11:10
温泉・食事・アジメ胡椒
今日の目的がぜんぶ飛んでった。
せめてアジメ胡椒だけでもと、さっきの道の駅に電話。
在庫2本だけ。
う~ん、うちに実家に専務んちにと、5本は欲しい。
中津川にある販売元は営業中。
ここから近いと言えば近いけど、遠いと言えば遠い。
どうしよう。
明知線を利用する人たちが、ポツリポツリとやってくる。
学生さんらしい数人、みなさん家族が車で送ってくるけど、通学にしては変な時間だよね。
お父さんが一人、ゆっくりと走り出すディーゼルを愛おしげに見ていた。
この街がお好きなんですね。
そうだね。
列車を見に来たの?
いぇ、温泉に来たのですが、あいにく休業で。
この温泉、いい湯だから 早く再開してくれると良いんだが。
でも、難しいかも知れないな。
そうですね、いちど止まってしまうと、再開にはものすごいエネルギーが要るでしょうからね。
この温泉、200年ほどの歴史があって、刀傷を負った武士が翌日には治ったそうだよ。
お父さん、そんなワケないよねみたいに笑って話してくれた。
水量はあまり多くなくて、昔は2ヶ所に湧いていたのを集めていたんだそうだ。
生きた歴史を聞くようで、ぼくにとっては書物で読むより はるかに面白い。
今朝は、この時期にしては珍しく、ものすごく冷え込んだって。
そうか、あんな霜柱を見ることができたのは、ある意味ラッキーだったな。
「アジメ」を求めて、ダメ元で 道の駅らっせいみさとへ行ってみるか。
お父さんが、ホーンを鳴らして見送ってくれた。
ありがとう。
12:05

らっせいみさとは、外周りの化粧直し中。
行楽シーズンへの準備だね。
売店にはアジメ胡椒がたくさんあった。
来て良かった。
でも、昨今 何でも通販で買えるから、こういった扱いにくくて重いガラス瓶は売れないのかな。
どれも賞味期限が、あと3ヶ月。
ナマモノではないけど、ちょっと商品には気配りしなくちゃね。
今度は製造元で買おう。
ちょうどお昼。
平日だというのに食堂は予約が必要なぐらいの大盛況。
外の売店で簡単なもの買うことにする。

「揚げ餅」
冷蔵庫から取り出したのをそのまま渡された。
暖められないのと聞いたら、電子レンジで暖めてくれた。
う~ん、アジメ胡椒といい揚げ餅といい。
今後はトイレだけ借りることにしよう。
その揚げ餅、お世辞にも ウマイとは言えない。
無難に明宝ソーセージにしときゃ良かった。
さて帰ろう。
12:35
とにかく豊田市は広い。
「豊田」と書かれた道路標識を見るたび、ここも豊田だろ?と突っ込みたくなる。
ふと、駅のホームっぽいものが見えたので、引き返してみた。

名鉄三河線の枝下駅跡が公園として残されたそうだ。
ツーリングに出ると、よく駅に立ち寄る。
鉄道自体には興味がないんだけど、ここで暮らした人たちの生活を何十年も支えてきたのだと思うと、感慨深い。
学生の頃、野宿しながら旅行して、たびたび無人駅で寝泊まりした。
朝、通勤通学の人たちに起こされたこともあったな。
地図には載っていない臨時の駅にも泊まった。
山形の川西にある無人駅では、下車してきた近所のご兄弟が
「こんな所で寝てないで、うちに来なさい。」
そう言って、家に泊めてくれた。
もう、すいぶん前にお母さんは他界し、当時保育園児だった子たちも40代。
旅先では数え切れないほど、見ず知らずの人達にお世話になったけれど、その中でも「駅」は、ぼくにとって特別な場所になっている。

残されたレール上に、トロッコが載っている。
「子供だけで乗らないで」と書かれてるけど、幸い「対象年齢:65歳未満」とは書かれていない。
これがよく転がる。
少し押して勢いついたところで飛び乗ると、けっこう走っていく。
大人気もなく、しばらく遊んでしまった。
13:55
豊田市街地を抜け、順調に名古屋へ。
15:10 無事帰着。
今日は家内の誕生日なので、寿司の出前を取って、家内が初めて買った車、
ホンダCITYのミニカーをプレゼント。
本日走行:182km (GPS:200km)
消費燃料:3.9L
全工程
瑞浪市・明智町周辺
花白温泉と近隣の道の駅
小原村
小里川湖周辺
名鉄枝下駅跡