金曜日の仕事帰りに、ふと冬の冠山峠を見に行こうかと。
峠までの途中にあった、
徳山ダムに沈んだ村も何度か歩いた。
道から離れたところには、ガソリンスタンドがあった。
それはトラックや重機を扱う工場の一角に給油機があっただけで、スタンドではなかったかな?
住民が去った後も、工事現場の車に給油するため、水没する間際まで営業していた。
たぶんぼくは最後の数少ない給油客の一人だっただろう。
幹線路を離れた脇道の奥には、名前は忘れてしまったけど、民宿があった。
一度は泊りにこようと思いながら、行かずに終わってしまったのが残念だ。
規模は小さいけれど
遺跡調査が行われていたのを覚えてる。
既に住人の大半は移住していた頃で、言葉を交わした人たちは数人しかいない。
林道冠山線は福井の大野市に行く時に使う お気に入りのルートで、20回ぐらいは通っているのだけど、中でも初冬に
冠山峠で見た樹氷の美しさは忘れられない。
そんなことを思い返している内に、無性に行きたい気持ちになってきた。
それは毎年、秋から冬にやってきて、以前も
まったく同じ話をしてる。
冠山峠は11月中旬に通行止めになり、通ることができるのは翌5月。
ただ、真冬に訪れたことがなくて、おそらくは周辺も積雪があるだろう。
帰宅してすぐ、
国土交通省の道路情報を確認。
ダメだ。
樹氷を見たのは11月末。
徳山ダムから冠山峠までは、凍結していても通行止めになっていなかった。
また春になったら行ってみよう。
ではどこへ?
近隣の道路情報を見ると、
揖斐高原スキー場が目に留まった。
スキー場は閉鎖されて、雪のないシーズンにキャンプなどの営業しているみたい。
スキー場跡周辺は通行止めになっているけど、すぐ東にある南下する道には、特に記載がないので、通れるかもしれないな。
では、5時起床 6時出発ということで。
予定通り5時起床。
昨年5月のツーリング以降、ちょい乗りしかしていないオランちゃんを満タンに。
予報は晴れ。
冷え込みはなく、日中は3月の陽気とか。
ハンドルカバーを付けたから、もう指の感覚がなくなることもないね。
交換したばかりのLEDバルブは思いの外 配光がよくて、夜道も安心できそうだ。
出発
06:05
国道23号線で三重の長島へ。
気温は7℃前後と、予報通り冷え込みはなし。
トラックに乗用車、交通量はけっこう多く、遅い流れは50km/h、早い車線は80ぐらい。
たまに100は超える車もいて、60~70ぐらいで流そうと思うと少々走りづらい。
走り慣れた揖斐川の中洲。
右折禁止が始まる7時をギリギリでクリア。
晴れの日の明け方は気持ちがいいな。
冷え込みはないというものの、気温は5℃ぐらい。
その影響だろう、夏場に70キロ楽勝だったのが、全開にしても70。
06:55
この道は道幅が広げられてから快適になったけど、一部の区間はここ数年 路面の荒れがひどくなってきた。
8インチのホイールには、このワダチがかなりの恐怖になる。
年がら年中、どこかでトンネルや橋をかける工事が行われている。
こういうものができれば便利になり、過疎化の歯止めになる…なら良いのだけど、もともと便利で大きな街だけが栄えることにはならないか。
07:45
家を出て2時間。
トイレ休憩で、国道303沿いのファミマに立ち寄る。
お客の半数が車のエンジンかけたままだね。
無警戒ではあるけれど、見方によっては良いことでもあるか。
店員さんに聞くと、今年は雪が少ないそうだ。
関東方面では大雪のニュースが多い気がするけど、中部はだいぶ様子が違うんだな。
タダでトイレを借りるのもナニなので、コーヒーとオニギリを。
ファミマのオニギリ良くないね。
米が締まっていなくて、バラバラこぼれてしまう。
あ、
みんカラでTLM50つながりのBeetle fanさんのお宅がすぐ近くだ。
ツーリングで頻繁に通るのだけど、いつも帰宅してからのお知らせで失礼しているので、今日はLINEを入れておきましょ。
08:15
国道と並行する道の方が景色に変化があっていいな。
08:40
快調に走って、揖斐高原に向かう県道40号へ。
路肩には雪が見え始める。
暖かいと言っても、スキー場があったぐらいだもんね。
09:15
夫婦滝。
滝があると、どうしても立ち止まってしまうな。
日坂川。
水が綺麗だ。
09:30
奥に進むに連れ、路面にはシャーベット状の雪。
日陰の脇道はガリガリになった雪とカチンコチンに凍った道。
20メートルも登ることができず。
久瀬温泉脇を通過。
緩やかな坂をタラタラと進んで行くと、、
凍ってない??
路面全面凍結。
停止したが最後、タイヤはスリップし足をついたらツルンツルンで移動すらままならず。
二輪二足をバタつかせ、ホウホウノテイで雪上に退避。
融雪剤が撒かれるも、山陰の気温には効かぬよう。
あと、400メートルほど進めば、南下を考えていた道なのだが。
あぁどうしたものか。
この県道より交通量が多いとは考えられず。
途方に暮れるの図。
5分ほど考えた末、引き返す英断を下す。
大人になったもんだ。
09:55
気温は0℃ぐらいか。
10分停止しただけで、エンジンを触ってもヌルいぐらいに冷えてる。
銅板で作ったインマニアダプタの効果は絶大で、それほど待たずに走り出せる。
下ると言っても、けっこう登ってきてしまった。
久瀬温泉で小休止。
温泉か。。
今日は帰ろう。
10:10
凍結のない集落まで下ると、お寺があることに気づいて停車。
「善重寺」
人気はなく、廃寺みたい。
ネットで調べてみると、なんと!
2008年、
知多市に移転してるそうで。
うちの近所じゃない。
これも何かの縁。
いちど訪ねてみようか。
そう言えば、東北であるお寺に立ち寄ったことがあるけど、うちの近所のお寺さんと縁があると聞かされて驚いたことがあった。
きっと多くの事象が、思いもしない縁でつながっているのだろう。
ただそれを知る機会はあまりないのだ。
10:20
寺のすぐ下に湧き水があった。
岐阜の名水に選ばれているらしい。
「しみず」でも「きよみず」でもなく、「しょうず」と読む。
沢のようなキンキンの冷たさはなく、温かさを感じる。
味の表現を知らないけれど、とても柔らかい印象。
「スクールバス」とあるけれど、廃線となって久しいようだ。
現在は「はなももバス」が、平日上り下り各1本が、予約で拾ってくれるらしい。
国道まで戻り、南下してほどなく。
道路脇に「揖北林道」の銘板あり。
1991年に作られたと記述。
11:00
入り口から300メートルで舗装が切れ、時折 川が臨める道幅のある林道。
今回、林道走行がすごく楽になった。
シート高を35ミリ上げただけのことだけど、自力で足を持ち上げていなくてはならない、おかしな力の入れ方から開放された。
どうにもならない膝の痛みの原因は、どうやら膝が攣って(つって)いたらしい。
入り口から約1キロ。
盛大に崩落して、ガードレールが宙に浮く。
「750ライダー」ならこのレールの上を走ってしまうな。
11:20
今日はもう満足したので、あまり寄り道をしないで、来た道を戻るとしよう。
お昼時だけど朝オニギリ食べてるし、抜きでもいいか。
急にカップ麺が食べたくなった。
3時頃には帰れるだろうから、それを楽しみに走ろう。
しばらく揖斐川堤防を走っていたけれど、伊吹おろしと言うものか、ものすごい横風に煽られたので、堤防下の道に退避。
初めて走ったけど、意外な距離を走れる。
12:20
しばらく走ると、堤防上でなにやら物々しい様子。
見慣れない型のヘリが2機、揖斐川の上で静止している。
この風の中でよく同じ場所を維持できるものだ。
道路を封鎖しているお巡りさんに聞くと、
車が転落する事故があったらしい。
ヘリは投げ出された人を捜索していたようだ。
昼前に起きた事故から、既に1時間が経過。
希望は薄いだろう。
自分もあのまま堤防上を走っていたら、風に煽られて落っこちていたかも知れない。
12:55
長良川河口堰。
ここまでくれば、順調に行けば家まで1時間ぐらい。
風はおさまり煽られることもなくなった。
朝との気温差は10℃ぐらいだろうか。
落ちていたパワー感は戻り、車と同じペース、70の巡航も不安がない。
この違いは「吸った空気を暖める」ことにパワーを奪われることだと実感。
13:20
帰着
14:10
洗車とチェーン給油の前に、カップ麺をば。
本日走行:205km
消費燃料:3.5L
全行程
揖斐周辺
久瀬・揖斐高原