ここ数年、ボチボチとツーリングに出かけるようになったけれど、以前のようにとにかく走りたい!
ってことは皆無。
あと何年オートバイに乗れるだろう…と考えると、焦りのようなものを感じるようになり、かえって出かけられなくなった気がするな。
不安定な空模様が続く中、今日は晴れ間も見えそうなので、「どこか」へ出かけることにしよう。
行くアテがあるわけでもなく、定番の本巣・板取か、中津川か、八百津方面か。
ここ3年ほどの走行記録を重ねてみる。
もちろん「走ることができない」場所もあるけれど、思った以上に空白の地帯がある。
思いつくままズームしたところ、滋賀にある「多賀鉱山跡」が目に止まった。
近くに「河内の風穴」ってところもあるので、ここにしよう。
何があるか、もしくは何もないのか分からないけど、調べずに行くからこそ逆に見つけられるものもあったりして。
それも一人ぶらりと出かける楽しみ。
まぁ、何もないと分かってしまうと、出かける理由を失っちゃいそうな気がするしね。
今日は
タイヤ交換したばかりのエムちゃん。
タイヤのフィーリング確認と慣らし目的で、ダート走行はしない
つもり。
鉱山跡は山奥のようなので、トライアルブーツは履かずにトレッキングシューズで。
気温は15℃ぐらいあり、Tシャツにジャケットだけで寒くはない。
05:50
走り慣れた国道23号線。
懐かしい、元 動物喫茶「エルザ」。
懐かしいと言っても、一度も入ったことがないんだけど。
廃業後は特徴のある建屋はそのまま、中古車のアップルとか今はトラックの中古車屋さんに変わってる。
06:25
R23を離れ、桑名からいなべ市へ。
道が拡張整備されて、昔の景色が思い出せない。
何十年と住んでいる町内ですら、忘れてしまうのだから無理もないか。
07:10
国道をビューンではつまらないので、脇道へ入ってみる。
こんな道の方が好きだな。
廃屋が目立つ静かな集落。
景色を眺めていると、仕事に出かけるだろう土地の人たちが通っていく。
知る人のない街で朝の挨拶を交わす。
それはヨソモノがここに居させてもらう作法みたいなもの。
07:40
マンホールのフタをマジマジと見ることは少ないんだが、最近水道局が仕組んだのか こういうのを写すのが流行りだとか。
タイヤ交換時にセットした空気圧が高すぎて、ゴツゴツとショックが大きいので、空気を抜いてみた。
トレッド面を指で押すだけで凹んじゃう。
たぶん100kPa切ってる。
明らかに抜きすぎたけど、ポンプなど持ってないし、乗り心地が格段に良くなったので そのまま行っちゃお。
幾利林道
いや、今日は歩くのよ。
またの機会に来よう。
07:45
と言いつつ、空気圧下げたのだからと、薮谷林道へ。
07:55
ところどころ泥濘んだところはあるものの、穏やかなカーブと起伏の走りやすい道をトコトコと。
まだまだ奥まで行けそうだけど、「車両乗入禁止」の札が立っているので、ここで終点。
08:20
静かな山に響く川のせせらぎを聴きながら、のんびりと引き返す。
五僧峠
どこに出るのか奥に続く山道が見える。
きっと「五僧峠」由来の看板に書いてあるだろうけど、読まない。
この林道時山多賀線は、わりと最近抜けた道らしい。
それまではどんな道だったんだろう。
08:50
人が住まなくなってずいぶん経つだろう廃屋。
大きなお宅だ。
ここに住んでいた家族は、石で組まれた階段を毎日行き来したんだな。
周辺は手入れされているから、まだ人とのつながりが途絶えたわけではなさそう。
ちょっと温かな気持ちになる。
09:05
白谷林道入口
この道も良さそう。
いゃいゃ、今日は鉱山へ行くのだ。
09:15
林道?
いえ、河内の風穴につながる道。
いちおう舗装路だけど、土砂崩れで数キロに渡って石や岩がゴロゴロ。
まだ復旧作業は始まっていないらしく、四駆でも通れない。
09:20
15分ほど走ると崩れた家が何軒もあった。
ここも廃村かな…
と思ったら住んでいるお宅もあった。
失礼。
ん?
この「昭和五六年 多賀町」の標識、いつだったか見た覚えがあるぞ。
09:40
再び山道。
こんな景色を見ていると、なかなか前へ進めない。
急に視界に花畑が飛び込んできた。
個人の土地らしく「入らないように」と注意書きがあったので、路上に停車。
そう言えば、春だというのに 今日は鮮やかな花を見ていないな。
09:45
あら、第一目的地 河内の風穴に到着していたのね。
09:50
この受付を見てやっと思い出した。
20年ぐらい前、タカくん(当時ヤマハセロー)とXLRで来たんだ。
さっきの標識もその時に見たから覚えがあったんだ。
受付のお父さん、いゃ自分の年齢からすればお兄さんとお呼びするべきか、と世間話をして拝観させてもらう。
受付の向かいにある八幡社
たしか前もお参りしてから入った。
信心深いわけではないけれど、こういう場所に神社が置かれたのは何か意味と言うか 人々の思いがあるわけで、敬意をはらいたいなと。
滋賀県指定の天然記念物に指定されているそうな。
「かわちのふうけつ」と読んでいたけど、正しくは「かわちのかざあな」。
独特な空間。
かなり奥は深いそうだけど、見学できるのはほんの一部なので、ゆっくり見ても20分ほど。
今日はガラガラだけど、日曜祝祭日にはそれなりの人で賑わうんだろうな。
照明のあるところに、苔やシダが生えているのが残念。
山形の方で見学した鍾乳洞は、見学者が好き勝手に照明を当てないよう、入り口で携帯を預ける徹底ぶりだった。
疲れたわけでもないけれど、のんびり景色を眺めていたらコーヒーが飲みたくなった。
自販機にあったチチヤス。
6年前に福井県大野市へ行って以来。
この風景に合うのは、DyDoやCoCaColaよりもコチラでしょ。
風穴を後にしてしばらく走ると、この場に似つかわしくない広い駐車場が数カ所あって、どこも満車。
どうやらここには住民がおらず、ハイキングブームで押し寄せるようになった車が無断で私有地に駐車するようになった経緯があるらしい。
行楽が悪いわけではないけど、金を落としてくれるわけでもなく、整備にだけ費用が嵩むのだから、この地域にとってはいい迷惑に違いない。
自分も加担する一人ではある。
過疎になる前なら村興しの目玉にもできたろうに。
これも時の運というものか。
11:05
このところ廃村めぐりツーリングの傾向があるけど、わざわざ目指さなくてもいたる所に廃屋がある。
今日なんか、見た建物の半数が廃屋と言っても言いすぎじゃない。
比婆大神
車でも奥まで行けそうなので、エムちゃんで入ってみる。
11:20
かなりの急斜面。
舗装されてはいても狭い道幅に コンクリートがパックリ割れている場所もあって、きっと自動車では怖いだろう。
山の上にある駐車場まで、1.5キロほど走っただろうか。
単車を置いて更に奥にいくと、立派な社があった。
誰がこんな山奥の神社を守っているんだろ。
きれいに手入れしてあって、今でも大切にされていることがよく分かる。
11:30
林道滝谷武奈線
もうじき多賀鉱山跡近く。
11:55
展望は開けない道だけど、時々街が見える。
街の向こうに霞んだ琵琶湖。
柵があって入ることはできないけど、ここが鉱山跡への入り口らしい。
野鳥を写しに来ていた人も、鉱山があったらしいと聞いたことはあっても知らないと言っていた。
多賀の役場に問い合わせたら、入山許可がおりるかな。
別の道があるようなので、とりあえずはそちらに回ってみよ。
12:25
この近辺にあるハズなんだが。
12:35
柵の中に登山道らしき道が。
ここに違いないけど、歩きでも大変だ。
もう昼を回っているので多賀鉱山跡はあきらめて、杉坂峠経由で 今朝通った風穴への道に向かお。
杉坂峠
昔は寺もあったようだ。
路面に花びら。
曇り空に溶けて見えなかったけど、見上げるとまだ桜が咲いている。
13:05
林道高室線
ここまでの舗装路も多くが「林道」だったし、なし崩しにダートも走ってるね。
13:10
ほどなく 林道陣屋線
13:15
行く先も考えずに入ったら、グルっと一周して元の道。
林道では経験のないパターン。
13:25
オートバイショップが管理しているらしいオフロードコース。
何となく立ち止まってコースを眺めている内に、妙な胸騒ぎ。
あと数キロも走れば今朝通った道のはずなんだけど、引き返した方が良さそうな。
13:35
そして杉坂峠まで引き返し、
ここでまた「いや待てよ、合ってるよね。」
と、オフロードコース途中まで戻り、
またまた妙な胸騒ぎに駆られて停車。
と漠然とした不安感で決めかねているところへ、道の先から来たホンダフリードが。
「TLRなら越えられるかも知れないけど、大きな木が倒れてるよ。」
大人しく引き返すことにしよ。
この辺りの状況にかなり詳しいご様子で、丁寧に名古屋方面への道も教えてくださった。
道はGPSレシーバを見ればわかるけど、崖っぷちだとか倒木があるとか、歩きでも無理とかいったことは分からない。
携帯電波も届かない地区で迷い込んだら、出てこれなかったかも知れない。
感謝。
14:00
国道306号線で鞍掛峠を越えていなべ市に。
一部整備された区間はあるけど、全般路面は昔のまま。
路面がキレイならワインディングが楽しかろうに。
ここに来て、異音発生。
排気が漏れているような、エアクリーナ外したような。
いなべ市街のローソンに寄って、駐車場の片隅で点検。
なんと、キャブのキャップが外れてる。
異音はここからね。
ちゃんと締めたはずだけど、マウントが割れたまま走ってたから原因は振動か。
駐車場をお借りしたので、腹は減ってないけど調理パンを買って、少々遅い昼飯。
15:10
日が長くなってきたので、明るい内に帰宅できそう。
16:15
17:15帰宅
家に帰って道を辿ってみたら、多賀鉱山跡への道、進行方向に対して鋭角に戻る細い道で見落としてしまったらしい。
また行ってみよう。
本日走行:230km
消費燃料:4.3L
全工程
いなべ~多賀
多賀鉱山跡周辺