
先週23日。
山のふるさと村で旧いオート三輪を見学した後。
奥多摩から五日市に抜ける途中、お昼ごはんのため、こちらに寄りました。
五日市に向かう急峻な下り坂、都道206号線沿いに佇む立派な茅葺は、大変に目を惹きます。ボクは年に2、3度は通過していますが、訪れるのは初めて。理由は駐車場。5、6台分しかなく、お昼時はいつも満車だったのでした。この日は秋分の日。秋の奥多摩は多くのクルマやバイクが溢れますが、生憎の天候。最高点付近は雨と霧が酷く、秋の祝日とは思えないほど、ひっそりとしていました。
駐車場にクルマは1台だけ。直ちに入りました。
暖簾。何だかホッコリしました。
潜り足を踏み入れれば、そこは古民家の玄関!
L字型の上がり框に心が躍ります。
靴を脱いで上がります。
玄関脇には薪ストーブ。
東京都ですが、山間の此の地は冬は厳しい寒さなのだとか…。
店内の玄関側は椅子席が並びます。
奥の縁側横には座卓席。
既に一組の先客がいらっしゃいましたが、座卓で舌鼓を打っていました。
ボクたちも迷わず、座卓にしました。
こんな古民家に椅子席を沢山用意しているのは、ハイキング途中に立ち寄る方が多いからではと、勝手に想像しました。
歴史を感じさせる、立派な神棚が。
臍を切り組み上げた梁と柱。
建物の歴史と由縁を記した、立派な毛筆の額。
建築は元文年間、昭和から遡ると250年!
障子で仕切られた縁側にも、席がありました。
メニューです。
冷たいお蕎麦が中心。
ボクはとろろそばの大盛にしました。
メニューの最後には、この建築に関する蘊蓄が。
11月から2月には陽が当たらず寒さが厳しいこと、筋交いがなく現代の建築基準法では絶対に許可が下りないこと、屋根には何代もムササビが棲み共存している、等々…。お蕎麦が出て来るまでのひととき、興味深く読みました。
さて、食事が運ばれて来ました。
ウン、見るからに「オイシソー」!
大盛りにしましたので、お蕎麦は結構なヴォリューム。
上には生地が少し載っています。
埼玉の武蔵野うどんにも同様のものが載りますが、うどんの世界ではこれを「いったんもめん」と呼ぶと聞いたことがあります。
そばつゆです。
そのまま味わってみましたが、塩分が高く結構濃い味わい。山葵と薬味、七味を入れ、
少しずつとろろを入れては、蕎麦を絡ませて食べました。
とろろと濃いつゆの組み合わせで、味はベストポイントに導かれました。ズルズルと音をたてて啜り、固目の茹で加減を噛んで楽しみました。うん、おいしい!
付け合わせの煮物です。
ちくわ、大根、じゃがいも。
おでんのような材料ですが、味付けは薄く上品なものでした。
あっと言う間に平らげてしまいました。
山間で味わう素朴なお蕎麦、いいものです。
この日はクルマやバイクの音が聞こえず、マイナスイオンに全身を包まれました。そんな処で背後を流れる川音を伴奏に「ズル、ズル…」。また来ようと決めました。
かんづくり荘
東京都西多摩郡檜原村数馬2411
042-598-6063
11:30-15:00 木休
前述のように駐車場が狭いので、ツーリングなどで多数で訪れるのは難しいと思います。1台か2台で、お友達やご家族で行くのがお薦めです。
また、民宿としても営業しています。ただ、冬季の寒さは厳しいと思います。
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蕎麦・饂飩 | グルメ/料理
Posted at
2023/10/01 09:06:55