8月6日に最後の更新をして以来、ほぼ2ヶ月半が経ってしまいました。サブチャンネルをお読みの方にはご報告済ですが、この間仕事とプライベートで多忙を極めておりました。
昨日9月23日、秋分の日。
彼女を誘い、奥多摩方面へドライブに出掛けました。
所謂「デート」というよりも、ボクが今抱えるプライベートの難題について、「相談をした」と表現する方が相応しく思います。ドライブ中や食事時に想いを打ち明けることで、かなり心が軽くなりました。
ちなみに彼女は、医療現場で働いております。
そんな「楽しい」というよりも「有意義だった」昨日。
以前から訪れたかった処に足を向けました。
場所は、奥多摩湖畔に佇む「山のふるさと村」。
ここから湖畔に向かい降りた場所に、旧いオート三輪が存在すると、インターネット情報で知ったのでした。
山のふるさと村の奥、2つの階段を下りた辺りに、果たして…
木々と落葉に囲まれて、『彼女』は静かに蹲っていました。
キャブのフロントガラスと屋根は既になく、荷台の背は後方に大きく倒れ込んでいます。ライトのバルブとガラスは欠けリフレクターは白く曇っていますが、何処となく魚の「目」のような印象。周囲と荷台には伸びた木が侵食、長き年月が偲ばれます。
不思議と「ボロっちい」との印象はなく、ここまで生きながらえた事実、朽ち果てゆく退廃の美に、得も言えぬ感動が胸に湧きました。我が身の「運命」を黙して受け容れた事実…。此岸から彼岸に旅立とうとする人の姿と人生を、思わず重ねてしまいました。出来ることならばサルベージし、レストアの上道路に戻してあげたいとの想いも。実現すれば、『彼女』は「立命」を果たせますが、貧乏人のボクには到底無理なこと…。
右横からの撮影。
荷台は短くコンパクトで、ミゼットより一回り大きいサイズ。こじんまりとした印象で、隘路では使い勝手が良さそう…。
こちらのページによれば、このオート三輪はダイハツSCB7型。1950年代の生産、バーハンドルタイプで800cc単気筒22馬力。
1957年の小河内ダム竣工により、旧小河内村の大半は奥多摩湖の水面下に沈みました。毎日、ダム底でせわしく働いていたと想像します。急峻な未舗装で曲がりくねった坂道には、うってつけだったのでしょうか。そして元オーナーは湛水を前に、湖面となる場所の上に逃がしたような気がしてなりません。
朽ち果てスカスカとなった荷台の底部から木が成長。ところが台枠は今も姿をとどめています。
右後輪。
鉄チンもタイヤも、しっかり残っています。
エンジンはOHV特有の姿。オートバイで言うダイヤモンドクレドール風のフレームに固定されています。
ダッシュボードのセンターには、ハンドルの取り出し口。一目でバーハンドル車だったことが分かります。その下にはメーターの積算距離計が残ります。この位置関係、昔のハーレーや陸王を彷彿させます。
更に下にレバーが2本。おそらく一つはシフト。もう一つは逆転用でしょうか。
右下にはペダル。ブレーキなのかクラッチなのかは判然としません。
こちらのページに、美しい車両の写真があります。また、
こちらでは走行シーンを見ることができます。
それにしても、昔の車両は美しいと思いました。同時に逞しい、とも。
…何だか、勇気を貰った気がしました。
東京都西多摩郡奥多摩町川野1740
東京都立奥多摩湖畔公園山のふるさと村 内
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Posted at
2023/09/24 15:36:58