
今日は有給休暇を取得、午前中に84歳になる母を病院へ連れて行き、血液検査などをしてもらいました。盛んに「ふらつき・眩暈」を訴えるのですが、どこも異常なし。多分に精神的な要素が主因と思いました。
閑話休題。
去る4月29日の祝日。
その2日前。
急遽広告用の版下の作成が必要になり、お付き合いのあるデザイン事務所に無理を言い、ほぼ徹夜で完成させてくれたものを、この日の午前中に引き取りに伺いました。
起きたてで食欲がないまま、家を出ました。
西武池袋線に乗車、ひばりが丘を過ぎたあたりで、急にお腹が空きました。
どこで食べようかと考えていたら、ピンと閃きました。
「そうだ、あそこに行こう!!」
下車すると、駅はほぼ無人。
ゴールデン・ウィークの初日ですが、外出の自粛が守られています。ヨーロッパの諸国のように、コロナ禍の中での外出にペナルティはありませんが、我々日本人には、正直で真面目に生きている人が多い証左と実感しました。
降りたのはこちら、中央線緩行電車の千駄ヶ谷駅。
改札口を出て少し直進、左折するとこんな光景が待っていました。
初めて目の当たりにしました。
訪れたのはこちら、長い歴史を誇る東京背脂ラーメンの名店、ホープ軒。遥か昔からこの国立競技場の前で、24時間営業。黄色いシンボルカラーに赤い文字は、かつての近鉄バファローズの応援団旗を彷彿させます。
こちらは食券制。
この券売機で購入、出て来たメニュー毎に色の異なるプラスチックの札を、店員さんに渡します。ボクは「ラーメン」800円に「味付け玉子」100円を購入しました。
午前9時20分頃でした。
休日の午前中ということもありますが、客はボクだけ!
おそらく15、6年ぶりですが、こんなことは初めてです。
若い頃。
レコード会社に勤めていた当時、恵比寿駅東口に午前1時を過ぎると開店する「おゆき」という、屋台と言うより「テント」と形容するに相応しい呑み屋がありました。夜が明け、通勤で駅に向かう人々が無言で横を通過する時刻になっても、延々と『どんちゃん騒ぎ!』が繰り広げられていましたっけ…。今なら、たちまち『自粛警察』にタイホされてしまいますが、おおらかな時代でした。そこで朝の8時やら9時過ぎまで呑み、仕上げと言わんばかりに、仲間の社員やミュージシャン、マネージャーらとタクシーでどやどや乗り付け食べたものでした。ところが当時、そんな時間でも少なくとも5、6人は食べていました。
嬉しいことに、こちらではネギが入れ放題!
でも、券売機にはしっかり「ネギラーメン」950円があります!
デフォルトのラーメンに入れ放題のネギを投入したものとの違いを知りたいのですが、そう思い30年以上が経ってしまいました(笑)!
「お待ち!」
丼が提供されました。
うーん、これぞ「昭和の食べ物」!!
ミンチ状の背脂が浮かんだ醤油豚骨ベース。
上京し大学に入った頃。
初めてこのラーメンを食べ、虜になりました。ボクは今年還暦。さすがに当時のように頻繁にこの種のラーメンを口にすることはなくなりましたが、果たして食べれば若かりし頃が一瞬で思い出されます。
昔読んだラーメンに関する書籍によると、ホープ軒のルーツは「ホームラン軒」というお店だったとか。そこからこの千駄ヶ谷の「ホープ軒」、常盤台の「土佐っ子」、門前仲町の「弁慶」、恵比須並木橋の「香月」等が生まれたのだそうです。
当時、ボクはこちらと並んで「土佐っ子」に通い詰めたものでしたが、内紛や店主が893から借金したりで経営がおかしくなってしまいました。今も池袋に「環七ラーメン土佐っ子」を標榜するお店がありますが、味はとても当時のものとは言えません。
ところが、こちらはずっと変わらず続いています。大変素晴らしいことです。
スープを啜ると…。
背脂醤油豚骨に特有の「甘さ」が口中に広がりました。
ネギと胡椒を入れました。
太いストレートの麺は、硬過ぎず柔らか過ぎずの丁度いい茹で加減。啜ると背脂の浮かんだスープが潤滑剤の役割を果たし、口に「ズルズル」と、抵抗なく入って来ます。この感触は、美味しさの大きな要素だと思います。
メンマは薄味。
スープが濃いので、この「退いた味」がマッチします。
チャーシューはバラロールですが、こちらも脂身は少な目です。よく考えて作られていると思います。
100円でトッピングした味付け玉子。
割るとこんな加減でした。
おいしいのですが、このラーメンには普通の固茹で玉子のほうが合うような気がしました。
というわけで、午前9時半頃に「完食」しました。
外に出ると、斜め先に新国立が静かに佇んでいました。
たかだか1ヶ月間程度のオリ・パラのためにこんな「ハコモノ」を建設すること自体、ボクには「壮大な無駄」に思えてなりませんでしたが、そのオリ・パラは来年に延期。果たして来年開催出来るとは、ボクには到底思えません。
版下を受領し表参道まで歩きました。
人の姿のない青山通りのビルには、空しい表記が残っていました…。
政治的な意図はありませんが、今日は個人的な思いを述べさせて戴きます。
『466億円を注ぎ、小さなマスクを作ったエライ方』がいらっしゃいます。
まだ来年、オリ・パラを延期開催したい様子。
『小さなマスク』は、84歳になる母のもとに、未だ届いていません。
来年「オリ・パラが終わると想定される頃」迄に、完了するのでしょうか…。
街では、不織布製のそれが、一箱2000円程度で流通が始まりました…。
ホープ軒
東京都渋谷区千駄ヶ谷2-33-9
03-3405-4249
24時間営業
Posted at 2020/05/27 16:15:52 | |
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