• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2020年09月24日

八戸市内の建造122年の新むつ旅館に泊まる②

八戸市内の建造122年の新むつ旅館に泊まる② 夕暮れ前に戻ってきました。
まずは、女将さんの薦めてくれた通りにお風呂を頂きます。
お風呂を含めた水回りは最近の設備と遜色がないものです。
昔ならではの設備が良いなぁ、と思う方もいらっしゃると思いますが、実際に泊まる身としては最新の設備でありがたいのは確か。

風呂上がりに宿を観察。
まずは、有名なY字型の階段に渡り廊下。
写真しか見ていなかった身としては、玄関を入って正面がこの情景と思っていましたが、玄関入って右側に存在しているのですね。
この階段があるスペースではイベントも開催されることがあるそう。
床は、どこもかしこもギシギシなります。でも、歩いてわかるのは根太が傷んでギシギシなっているのではないって事。
女将さんの説明では、床板の繋いでいる楔が湿気が多い時期に鳴るのだとこと。湿気が少ない時期だと板が収縮するので、鳴らなくなるんだって。
最初、二条城のようにセキュリティーのために板の間を鳴らしているのかと思っちゃった。
alt

階段を登るとこの様になっております。
昔の建物だから、階段は非常に急角度。姫路城もそうだったっけ。
それに、渡り板の奥行きも狭いから滑って落下しない様に要注意。
僕は翌日朝に靴下だけで降りる際にお尻をしこたま打ちました(汗)
alt

階段を登り切った吹き抜け側には渡り廊下。
ちょっと狭いので、高所恐怖症の方は軽くめまいがするかも。
この正面の部屋が宿泊した部屋です。
宿泊できる部屋は2階の5部屋だそう。
alt

当たり前ですが、自然の素材のみの世界。
この狭く、急な階段を芸妓さんや娼妓さんが上り下りしたのでしょうね。
遊郭なので、京都と同じように料理は別なところで作られていたようです。
alt

吹き抜けの上には、その時代もあったのかと思う、天窓があります。
照明用電気がいつ設置されたのか判りませんが、貴重な明り取りだったのでしょう。
alt

玄関の隣には、一つの間をつぶしたのではないかと思える、広いトイレがあります。
勿論、2階にも綺麗なトイレあり。
alt

反対側に位置するのは、顔見せ場。
娼妓さんがこの部屋に待機していて、窓の外からお客さんが品定め(失礼)という場所。
今は、臨時の食事の間として使っているみたいです。
alt

かなりお金を掛けたのでしょう。
120年も建つ建造物なので、傷みを補修して今に至りますが、素材そのものの重厚感は、今の木造建築では見られないもの。
集成材なんてない時代ですので、無垢の木の素晴らしさは圧倒的です。
alt

電話が取り付けられてから整備されたであろう、電話室。
市内局番が無い時代だったのでしょうね。
でも現在の電話番号下4桁と違うのはなんでだろう(汗)
alt

その奥に、階段を下りて踊り場が全くと言ってもないほどの急角度の階段があります。
女将さんの話では、後々の時代に消防からの指導で、避難ルートを複数確保するために仕方がなく取り付けたものなんだって。
alt

この宿を有名にしたのは、「日本ボロ宿紀行」という本に紹介されたのがきっかけでした。
その後、全国からお客さんが来るようになり、特に女性がかなりの割合を占めるとの事です。
宿泊した時は、もう一人男性の方が宿泊されていました。
alt

これまた有名な遊客帳。
利用者の名前と共に、特徴、お会いしてした娼妓さんが記録されております。
犯罪防止のためで、欄外には八戸警察署の認印が捺印されています。
この様に記録されていると、浮気(爆)調査に使われたのかもしれません(汗)
でも、一般の方には見せなかったでしょうが。
alt

遊郭だからこその魔除け(汗)
alt

さて、食事の時間になりました。
料理は80歳を迎える女将さんの手作り。
豪華ではありませんが、実家に帰って来た時に婆や母が作る手料理の味がします。
この写真には、ご飯とみそ汁がありませんが、呑む人には上がりのラーメンの様に食事が終わり際に出すようです。
19時くらいに食べ始めましたが、もう一人のお方は30分ほどでお風呂に入りに行きました。
僕はと言うと、4本もの瓶ビールを飲みながら、仕事が一段落した話し好きの女将さんと沢山のお話を。
箸が津軽塗であることに注目!
あっという間に21時30分になり、本当に楽しい時間を過ごすことが出来ました。
alt

ほろ酔い加減で部屋に戻ります。
部屋の縁側は網戸だけで開け放ち、テレビもつけずに静かな夜を過ごします。
時々、近くを走る八戸線の気動車の音を聞きながら、過ぎ去りし日々に思いを巡らせておりました。
この部屋でも、多くの出会いと、楽しい思い出と、愛の世界、悲しい思いもあったのでしょう。
alt

部屋には、貴重な資料もあります。
付け長押の釘を隠す金具。これは鶴ですが、亀や梅もあります。
alt

納屋を解体した時に梁に書かれていた文字。
料金や建造した職人の名前も。
alt

沢山の資料や本を見ながら、どっぷり夜は更けていきました。
もう一つ。新むつ旅館で幽霊!?と言う話もネットで散見しますが、女将さんの話ではお客さんで、その様な事で眠れなかった方は一人もいないとの事だそうです(笑)
念のために宿泊した方には「眠られましたか?」と聞くようにしているとも。

ただ、エアコンが無いので、暑い中眠るのが苦手な人は季節を選んだ方が吉です。
今回は夜の気温が23~25℃と、暑い中眠るのが苦手な僕でも扇風機だけで気持ちよくぐっすり眠る事が出来ました。

2022年5月追記:残念ながら女将さんが亡くなったとのことで、旅館業をおやめになったそうです。(電話で娘さんから話を伺いました)

にほんブログ村、本日もよろしくお願いします。
 ↓ ↓ ↓
にほんブログ村 車ブログへ
にほんブログ村
PVアクセスランキング にほんブログ村
ブログ一覧 | 日常 | 旅行/地域
Posted at 2020/09/24 21:42:19

イイね!0件



タグ

今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

ケイシュウ大先輩と行く「群馬・シャ ...
Highway-Dancerさん

夜によくイくラーメン8
グルテンフリー!さん

田植えが終わりましたー 立ち話
urutora368さん

車のある生活に戻した
別手蘭太郎さん

こんばんは。🙇🏼‍♂️
138タワー観光さん

香川も梅雨入り☔☔🐌です。
TOSIHIROさん

この記事へのコメント

2020年9月24日 22:20
外の表側の庇の下がちょっとした庭と垣根が変わっているなと思ったら、顔見せ場ね! 天窓、階段、当時のモダンかつ粋な証だったのかな。。。
コメントへの返答
2020年9月25日 20:17
よくぞ、鋭い洞察力ですね!
戦時中も、軍の方針で遊郭の営業を続けたらしく、その際は顔見せ場の前に塀を設けたとの事です。
この庇に用いている桜の木は、現在ではまったく手に入る見込みがないらしく、庇の先端の模様も凝っているんですよ。
ブログでそのあたりも紹介しますね。

プロフィール

「@ちょい悪爺サン えっ、お体は大丈夫ですか?」
何シテル?   04/02 13:13
4台目外車の購入です。3台目まで同じアウディA6ですが東日本大震災で廃車となり、その後事故での廃車を経験しました。でも同じアウディA6です(汗)4代目はイタリア...

ハイタッチ!drive

みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/6 >>

1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     

リンク・クリップ

[フォルクスワーゲン ゴルフ (ハッチバック)] インテークバルブカーボン除去 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2022/12/20 11:36:08
オフミの 〇と× 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2022/12/07 14:03:49
夜間飛行 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2022/12/07 11:11:54

愛車一覧

アウディ A6アバント (ワゴン) アウディ A6アバント (ワゴン)
3台目のA6です。とてもデザインが好きで乗り継いでおります。シルバーばかりでしたが、ホワ ...
フィアット 500 (ハッチバック) フィアット 500 (ハッチバック)
欠点だらけのクルマ。 でも、この車に乗ってみて歓声を上げない車好きの方はいない。 そう言 ...
その他 WACHSEN その他 WACHSEN
アウディ八戸のイベントで頂きました。調べたところ、WACHSENのBA-100 angr ...
ヤマハ TZR125 ヤマハ TZR125
バイクで趣旨に外れますが大目にみてください。 2012年からネジ1本に至るまで、完全なオ ...
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation