2020年03月16日
F-14トムキャット復活論…という見方もあるそうな…
先日航空雑誌で見かけた記事なのだが、実はアメリカ国防省の中にはF-14を退役させるべきではなかったという意見があるのだそうな…。
F-14トムキャットの退役の理由は運用上のコストや冷戦の終結によるそれまでの戦略の変化によると言われている。
F-14はソビエト連邦との冷戦による艦隊防空構想によるミサイルキャリアーとしての役目と次期海軍艦上戦闘機選定の中である意味、妥協の中から生み出された戦闘機だった。それゆえにエンジンのアップデートの遅れや大きな改良をされずに運用されていたことが、他の戦闘機に比べ悲運だったと思う。

さて、なぜ、ここにきてF-14が見直されているのか…。
それは中国の海軍の戦略が起因しているからだそうだ。
昨今の中国海軍は日本や他の沿岸諸国とのトラブル(フィリピン・日本・台湾…)が多い。また、無人島に滑走路を建設もしている。
それは第一列島線と言われる、九州を起点に、沖縄、台湾、フィリピン、ボルネオ島にいたるラインの存在である。これは中国海軍および中国空軍の作戦区域・対米国防ラインとされる。中国海軍にとっては、台湾有事の際の作戦海域であり、同時に対米有事において、南シナ海・東シナ海・日本海に米空母・原子力潜水艦が侵入するのを阻止せねばならない国防上の必要のため、有事において、このライン内においては、制海権を握ることを目標として、戦力整備を行っており、また作戦活動もそれに準じている。
そうなると有事の際にアメリカ海軍がこのラインを超えて、航空母艦を進めると「空母いぶき」にも出てくるが、「空母キラー」と言われるYJ91(超音速空対艦ミサイル/対レーダーミサイル)に狙われてしまう。

それに対抗するとなると現在のF-18E/FはもちろんF-35B/Cでも航続距離や長射程距離のミサイルを持てないことからF-14をもっと運用すべきだったという声があるのだそうだ。また現在のF-18E/Fの部隊が「VF-〇〇」ではなく、「VFA-○○」となっていることからも対地攻撃任務を付加した任務に移行しており、F-14のような艦隊防空任務という視点からは役不足となっているという意見もあるそうだ。さらに悲しいことにイランでも運用していることから部品を横流しされないよう、モスボール化されたF-14のほとんどが飛べなくなっているとも聞いている。

さて、そうなるとトップガン:マーベリックの予告編で飛んでいたF-14はCGだったのかとなるが、どうも、これは実機であるらしい…。あるサイトには空母に約10年ぶりに搭載されたF-14が撮影されている。となるとまだ、稼働できる機体もあるのかもしれない…。
今後、アメリカ海軍は大型空母による戦略を変更するかもしれないが、この空母を守るための防空戦闘機の開発は国防省の海軍にとって、課題となっているようだ。艦隊防空任務にはステルス機能もさることながら、長射程のミサイルを搭載できる戦闘機が必要らしい。ひょっとすると、新しい戦闘機の開発費よりもコストがかさむのならば、戦艦ミズーリが復活したようにF-14がもう一度復活することもないわけではないという人もいるようだ。

平面的でかつ無機質なデザインに感じるF-35と丸みを帯びて可変後退翼であらゆる場面でそれぞれの表情を見せるデザインのF-14とでは乗り物として比較するとF-14の方が限りなく魅力的に見える。もし、この雄猫がエンジンのアップデートをしていたら、アビオニクスをF-18E/Fレベルまで変更できて、長射程距離・中射程距離のミサイルを搭載できるようになっていたら、きっとまだ空母の甲板上には30年前と同じ風景が見えていたのかもしれない…。
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Posted at
2020/03/16 22:45:04
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