
以前書いたけど登山家の植村直己氏、「青春を山に賭けて」の中にこんな記述がある。
・・・引用ここから
「とにかく日本を出ることだ。英語ができない,
フランス語ができないなどといっていたら、一生外国
などには行けないのだ」。
・・・引用ここまで
そして、マーメイド号で単独太平洋横断に初めて成功した堀江健一氏の「太平洋ひとりぼっち」、指揮者の小澤征爾が書いた「ボクの音楽武者修行」、私にとっての三部作。
桑原淳氏のこの本、上記の3名の方々と全く同じ意志を感じました。ブログやフェースブックで彼を知った方もいると思いますが、彼が自身で学んだ「知」の獲得のプロセスを忌憚のない言葉で綴っている。
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少々気になった個所を。
氏はこの本の中で宗教についてこのように書いていた。
・・・引用ここから
ヒンドゥーの世界で日本のことを思う
日本みたいに、宗教というものがあまり大事にされていない国ってたまに
あるのですが、インドはそういう意味ではまったく真逆の国です。宗教の
教えがあって、それが道徳、ルール、常識をつくっています。日本では
保育園、小学校で教わることだけど、他の国ではそれを宗教から教わり
ます。例えば、盗みはダメだ、とか。
・・・引用ここまで
輪廻転生を説くヒンドゥ、そしてブッダは「生まれ変わりなぞ無い、私は生まれ変わらない」と。インド・パキスタン分離独立紛争の時、ヒンドゥとイスラム間での衝突と報復合戦、このとき100万人の死者が出たといわれていますよね。ヒンドゥはキリスト教からも迫害された。
キリスト教はエルサレムを奪還する為に十字軍で遠征した。この遠征は約200年続き犠牲者は約100万人(諸説あり)にのぼった。そして現在の中東戦争・パレスチナ問題も言わば宗教戦争。相手を認める事が無く、宗教は十字軍以来その事で互いに虐殺の歴史を作った。
アイルランドやその他の国でもそうだが自身が信ずる宗派(宗教)以外の学校に通う事は考えられない。現在は緩和はしているが、幼少の頃から異教を認めぬ教育を受けているのがキリスト教・イスラム教の国々。他を認めぬ教育を受けているのが現状。
万物に神が宿ると考える日本の宗教、「殺すなかれ」と教えるキリスト教が殺し合いをしているが日本には宗教戦争と言われるものは無かった。日本の宗教は寛容。宗教の教えの結果、現在異なる宗教観の難民
↓が大挙して押し寄せているヨーロッパでは何が起きているか?
ノルウェーで増えるレイプ犯罪 移民問題
イギリスでイスラム法支配地区を作ろうとする移民達
↑動画削除のため、ニコニコから同種の動画を引用、下記アンカー。
【イスラム教支配】イギリス人が立ち入れないロンドンの移民地区
彼らの宗教はある意味過酷、彼らが持つ宗教観から日本を見れば日本の宗教は希薄な宗教と見えるかもしれない。比較すると、日本ほど束縛なく寛容な宗教は彼らの理解を越えているのかなと思う。
お時間があれば「
台頭する反イスラム運動」
そして今も人種差別を受けているアメリカの黒人、奴隷として苦役させられていた時キリスト教は何と言っていたか、「黒人は白人に使われるように神が与えた」と。そして南ア、激しいアパルトヘイトの時代、キリスト教を信じていた白人に博愛はあったか?
インビクタス 負けざる者たち(プレビュー)
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そして。
・・・引用ここから
日本は危険な国だ!
宿で一緒になったオーストラリア人・・・
彼曰く、歴史を正しく学ぼうとしない国は危ない、とのこと。
・・・
例えば「日本がこの国を占領していた」と聞いてびっくりしたこともあり
ます。
こんな歴史がこの国にあったのかとびっくりしたこともあります。
それは教科書に載っていないことでした。
なぜ日本の社会の授業では近代史をたくさん勉強しないのか?
なぜ日本が他の国でしたことを勉強しないのか?
ものすごくそれが不思議です。
・・・引用ここまで
「歴史を学ぶ」「歴史認識」というと必ず太平洋戦争(戦勝国側の呼称)、縄文から奈良・平安時代、そして絢爛豪華(異論は色々ある)な安土桃山時代。決してその時代を指すこと事は無いですよね。(本当はこのあたりが重要な歴史だと思うんですがね)
とある歌、
「教科書は現代史をやる前に時間切れ そこが一番知りたいのに何でそうなっちゃうの?」
と歌う。
それぞれの国の都合の上に記述される現代史、それぞれの国は学術ではなく現代史は政治で書くという現実。ここに「アジア諸国」「近隣諸国」という慣例句が出てくる。学術でないが為に「証言」のみで作られる歴史、事実は改変、その「現代史」を「認識」しろと責める。
「教えてもらえなかった」、学校では学ぶ手順を学習したはず、疑義があるのであればその疑義を生じた時点で「自身」で学ぶ、その努力が必要なのではないかと思う。学校教育に責を求めるのは筋違いだと思っている。
オーストラリア、スポーツハンティングとして先住民のアボリジニを虐殺した。アジアは欧米諸国の植民地だった。だれかそれを責めたのだろうか?
戦後、多くのノーベル賞を日本人は受賞した、人類に対する貢献への賞だ。宇宙開発、日本だけが非軍事で純粋科学のためにロケットを作り深宇宙の謎を追及している。
サイエンスマガジンに「
サイエンス誌に載った日本人研究者」というPDFが公開されている。
多くの若い研究者達が、独創し創造する世界を切り開いている。
電波干渉計の世界的権威の石黒正人氏、野辺山宇宙観測所の所長当時に端を発したアルマ計画。石黒氏は世界を歩きアタカマに狙いを定め予備調査・観測を行い決定した。世界に問いかけ賛同を得、計画が進んだ。ここにもそれを支えた若者達がいたんですよね。
【ニュースミニ】 アルマ望遠鏡(2013年6月27日配信)
知のフロンティアに挑む アルマ望遠鏡モリタアレイ(13G070693)
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鋏一本で世界を回り、1,000人の人達のカットを達成する。
日本人は独創性がないと言うステレオタイプで揶揄される、でも彼を含め多くの若者達はこの「ステレオタイプ」で括れるの?いつの時代も若者は頼もしいと思う。
タイトルの本の桑原淳氏はこう括る、「夢は願っても叶わない。行動すれば必ず叶う」。
是非、ご一読を。
桑原淳 旅人美容師1000人ヘアカット世界一周の旅
Posted at 2016/01/30 10:24:13 | |
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