ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は21日、地元メディアのインタビューで、ロシア軍を2月24日の侵攻開始前の状態まで撤退させられれば「勝利だ」との認識を示した。ウクライナ国営通信によると、ゼレンスキー氏は「戦争は対話で終わる」とも語り、ロシアが2014年に併合した南部クリミアや、東部の親露派武装集団が実効支配している地域の地位については交渉で解決することに意欲を見せた。「最も重要なのは、より多くの人命を守ることにある」とも語った。
一方、ウクライナ国防省の情報機関「情報総局」トップのキリル・ブダノフ局長が米紙ウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューに応じ、南部クリミアも含め、「露軍を全ての領土から撤退させるまで戦い続ける」と語った。同紙(電子版)が20日に報じた。ブダノフ氏は、ウクライナ軍が今後数か月かけて、南部や東部の占領地域を露軍から奪還することに重点を移すと主張し、中長距離のミサイルシステムや戦闘機を含め、米欧に軍事支援の強化を求めた。
ただ、クリミアも含めてウクライナが全ての領土の奪還を目標に掲げて戦い続けた場合、戦争の長期化は必至だ。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は19日の社説で、「バイデン大統領はウクライナ側に対し、米国としてロシアと全面衝突はできないことや、兵器や資金の提供にも限界があることを伝えるべきだ」と主張した。
侵攻前の状態まで戻せば勝利と言うのはウクライナ側も現実を認識するようになってきた証だろうか。ウクライナは確かに善戦はしているが、士気の低いロシア軍に対して圧倒的に優勢なわけではない。戦線はほぼ拮抗、一部ではウクライナがロシア軍を押し返してはいるが、世界第2位の軍事大国ロシアもそう簡単には引き下がらないだろう。ロシアも損害が大きくて兵器切れ、金切れ、弾切れにはなりそうな状況ではあるが、ウクライナにしても西側の支援があってこそ何とか戦線を維持していると言うのが実情だろう。西側にしてもウクライナが気の毒と言うよりもここでロシアの力を削いでおけば今後の自国の安全保障に影響大と言う考え方での支援が主なものだろう。米国にしてもアフガニスタンのようにもろ手を挙げて逃げ出してしまうような国では支援も意味がないが、ウクライナの善戦に着目してここで世界の同情が集まっているウクライナを支援してロシアの力を削いで自国の立場を強化するとともに国際的な影響力を高めようと言うのが本音だろう。ウクライナのゼレンスキー大統領もその辺は承知しているだろうからこの戦の落としどころを探り始めているのだろう。クリミア半島を含む全領土の奪還と言うと相当な長期戦になるし、西側の支援も限界があるだろう。支援なしでは戦えないと言うウクライナの弱点があるので現実的な落としどころを探り始めたのだろう。ただ侵攻前の状態までロシア軍を押し戻すという目標も簡単ではないだろう。また世界中の大部分の国がウクライナ側なので停戦交渉の仲介をする国を探すのも難しいだろう。ロシアにしても侵攻前まで押し返されたらこの軍事侵攻は何だったのかと言うことになってしまうのでプースケは損害を顧みずに必死で頑張るだろう。どこで決着がつくにしてもいい加減早く止めればいいのだが、両国ともに国家の存亡がかかっているので簡単には行かないだろう、・・(^。^)y-.。o○。
Posted at 2022/05/22 14:28:33 | |
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