年末のパワステ不調メンテ忘備録ということで長文です。
何だか慌ただしいうちに11月で登録から丸14年が経過し15年目に突入したマイレガですが、11月下旬にパワステアシスト低下の不調が発生。
修理第一弾としてステアリングギアボックスを交換し、12/10にレガを受け取りましたが、回復ならず。ステアリングギアボックスのメンテという位置付けになりました。ステアリングギアボックスのメンテはこれまで一切していなかったので、今回の不具合の原因ではなかったとしても、駆動系メンテの一環として意味はあり、コストが掛かっても問題なしです。
次の対応は、パワステポンプ交換です。パワステポンプ交換のためにはt-getさんで取り付けたダブルチャージャーを取り外ししなければならず、前回2年半前にエアコン不調対応で電動ファンを交換する際に、不具合が出る前にt-getさんにてパワステポンプも一緒に交換してもらいました。
パワステポンプは、新車から10年以上、275タイヤを入れてから5年弱不具合なく10万キロ以上稼働していましたし、交換するポンプはDにてリビルト品を入手しましたので、比較的信頼出来るものと思っていましたが、リビルト品の品質的にハズレだったのか、2年半1.5万キロ程度での不具合発生ということで、ちょっと想定外でした。
パワステポンプ交換は前述の通り、かなりの手間隙(慣れたプロで7~8時間作業)=コストが掛かりマニュアルがある訳ではないので、前回交換時に次回DIYで交換するために手順をかなり詳細に忘備録として残しておきました。今回、これを見ながら自宅で交換作業に着手しました。
リビルト品はコアを2週間で返送しなければならないので、余裕のある時にポンプの取り外しまで進めることにしました。ポンプが届いたら速やかに且つ余裕を持って取り付け作業に入れますので。
12/15
パワステポンプの取り外し作業スタート。
駐車場内を前後入れ替え、フロントを雨の掛かり難い屋根が深い側に向けてラダーに載せて少しアップ。後々ジャッキアップする必要がありますし、ラジエーターコアボトムからクーラントを抜く必要がありますので。
最初にラジエーターコアボトムのボルト(赤丸)を外してクーラント抜きです。
ラジエーターのクーラントを抜くのは、パワステポンプまで固定しているダブルチャージャーのプーリープレートの真ん中を通っているアッパーホースを外す必要があるためです。
バットに受けた後、アッパーホースを外し、オルタネーターを緩めてロングベルト・プーリーを外します。
パワステポンプのプーリーボルトが結構固く締まっていて少し取り外しに苦労しました。
ここまでは順調でしたが、プーリープレートを取り外す際にトラブル発生。
プレートは7つの六角ネジと1つの六角ボルトでエンジンに固定されていますが、六角ネジの2つ(赤丸)が舐めて外れなくなってしまいました(汗。
元々六角ネジの頭は溝が浅いためレンチが掛かり難く、ネジ自体も初回取り付けとパワステ交換時に2回締められ、1回緩められていて一部は舐め気味だったこと、プレートが振動でネジが外れないようにかなり強く締め付けられていたことが原因。
1ヶ所はネジ頭上部にスペースがありますが、もう1ヶ所は電動ファンとラジエーターコアがあり、かなり狭く厄介な場所。
舐めたネジの取り外し方法をネットで調べつつ、対策を考えてレンチとネジ頭を瞬間接着剤で接着して回すも舐めが進んでバツ。
結局、専用ツールを購入して取り揃える必要があると判断し、特に狭い場所の作業空間を出来るだけ広げるために、手間ですが、電動ファンとラジエーターコアを取り外して、12/15の作業を終了しました。
早速、舐めた六角ネジ外しツールをネットで色々検索して幾つかを購入。メインは「SK11舐めたネジ外しドライバー」セットと「舐めたネジ外しビット」セット、「L型ドリルアダプター」です。「舐めたネジ外しビット」は比較的破損しやすいようで、硬度の違う3種のセットを用意しました。
12/20午後
仕事を半休として舐めたネジの取り外し作業のみ再開しました。
最初に向かって左上のネジに対して舐めたネジ外しドライバーを使いましたが、刃が食い込まず、また舐めたネジ外しビットも硬さの異なる2種を使いましたが、外れず。これらツールはステンレスネジに対して効果なし。
結局、以前購入したステンレス用ドリルでネジに幾つか穴を開け、インパクトドライバー(マイナス)をハンマーで何度も叩いて、その後このマイナスビットを電ドルに付けて何度か逆回転させたところ、ようやっと外れました(汗。
外した六角ネジ↓
次は問題の狭い場所のネジ。
同じようにステンレス用ドリルでネジを削り、マイナスドライバーが掛かる溝を作るも、ハンマーで垂直に叩ける空間がないので、インパクトをネジにしっかり伝えられません。トルクの高い電ドルにL型アダプターを付けてマイナスドライバービットを回すも、逆回転側なので電ドルとL型アダプターを繋ぐチャックが直ぐに緩んでしまい、何度かトライするも外れず。暗くなったので12/20の作業は止めました・・・。まぁ、2本のうち1本が外れたので一歩は進みました。
12/22
問題のある舐めたネジの取り外しを開始。12/21の夕方にアストロプロダクツに寄って1/2DRソケットと6.3mm六角を繋げるアダプターを購入し、もう一本の舐めたネジを外したインパクトドライバーのマイナスビットをエアインパクトレンチに繋げて、逆回転でトライするも外れず・・・(泣。
意を決してネジをドリルで破壊することとし、ネジ頭を何度も繰り返してドリルで削って薄くし、プーリープレートを手前に引っ張ってネジ頭を歪ませ、ようやくプレートを外せました。ステンレス用ドリルといっても肉厚のネジ頭・芯を削ると刃が長続きせず、結局サイズ違いのドリルを5~6本ダメにしました。
プーリープレートを外し、ベルトテンション調整ボルト・固定ボルトを外してオルタネーターを取り外し。
固定ボルト(中ボルト)が非常に外し難いと思って何とか外すとボルトの山の一部が舐めていました。
オルタネーターを自分で交換したのが2015年5月でその時はボルトは舐めていませんでした。それ以降オルタネーターを脱着したのは前回パワステ交換してもらった時なので、その時に舐めた可能性が高い。まあ、仕方ないので微妙に形状が違うのですが、ほぼ同サイズ中ボルト(M8×140)を購入してここもメンテしておくことにしました。
↓オルタネーターを外した後、パワステポンプをアダプターごと外しました。
↓パワステポンプに繋がるバンジョーボルトを緩めて・・・
気温が低くホースの柔軟性が低下していてポンプから外すのに少し苦労しましたが、ドライヤーで暖めて何とかしました。
さらにポンプ本体をアダプターから外す際、破壊したボルトの頭が殆どなく、ペンチ等で掴めないと回転させられず、ネジ部が抜けないと結局ポンプを交換できないのでちょっと心配しましたが、何とか手で少しずつ緩めることが出来て、ここは心配した割にすんなり解決しました。
午前中に取り外し作業は終了して、以前から調べていたリビルト品のヤフオクサイトを閲覧。12/20の夕方時点で一ヶ所では同番号品の在庫を確認出来ていたのですが、1つだけで取り引きが数社ある中で価格が異なり、表示価格より結構高めでした。
12/23・24
他の出展者を捜し目星を付けた業者は日曜休業なので12/23に問い合わせすると、在庫なしで納品は年明けになるとのこと。年内には入手して作業したいので、結局12/20に在庫確認した業者と12/23中にやり取り、入金して12/24夜に入手出来ました。まるでクリスマスプレゼントですよね(笑。
リビルトポンプ軸を手で摘まんで回すとかなり『抵抗』があるのですが、外したポンプは抵抗が少なくクルクル回り、明らかに違うのでこの時点でポンプが不調の原因であることは推定出来ました・・・。
12/26
プーリープレートを取り付けるため12/22にネット購入したの新しい六角ネジが届くかちょっとヒヤヒヤしましたが、12/26に無事納品。
12/27
バンジョーボルトのパッキング(ワッシャー)は消耗品なので、ホームセンターで同じサイズの銅パッキング↓を探しましたが、ありません。
帰りかけてカーコーナーに寄ってオイルコーナーを見ると、オイルドレンパッキングがあり、よくコーナーを探すとマツダ用ドレンパッキングが全く同サイズ。素材は銅でなくアルミですが、オイル用パッキングなので素材は銅でもアルミでも問題なしです(実際、日産用は銅でマツダ・スバル・ホンダはアルミ)。
12/28
役者?が揃ったので、朝からパワステポンプの取り付け作業を進めました。
最初にポンプのコアの赤丸部分↓をグラインダーで少し削っておきます。この部分が何故か少しだけ前側(軸側)に斜めに出っ張ってるのでプーリープレートを付ける時に当たってしまうためです。
アダプターの赤丸↓部分が狭くて何度か試すもポンプが入らず、仕方ないのでリューターで少しずる削り、何とか固定。
コネクターをしっかり繋げて元の位置に戻し。
オルタネーターを新しい軸ロングボルトで元に戻し、端子を元通りに取り付け。
パワステポンプ高圧側に新しいパッキングを付けてバンジョーボルトを装着。
苦労して外してたプーリープレートを新しく入手した六角ボルトで取り付け。
プーリーを戻してベルトを掛け。
外したラジエーターコアと電動ファンを設置し、ホース類を繋げてクーラントを戻し、元通りになりました。
フルードに汚れが殆どないので、ポンプを外して減った分の補充とエア抜きをすることにしました。フロントをジャッキアップして馬を掛けてタイヤを浮かせました。
前置きインタークーラー配管のためにパワステフルードホースエアが山なりになっている部分はエアが抜けないので、インタークーラー配管の一部を外してパワステホースが直線上になるようにした上でパワステフルードリザーバーを高い位置に出来るように準備。
最初にエンジンを掛けずにステアリングを左右に20回ほど切り返してからリザーバータンクに減ったフルードを補充。
次にエンジンを掛けてステアリングを左右に切るとかなりの振動が・・・。
即エンジンを止めてみると特にベルト系などに問題はありません。
再度エンジンを掛けると振動はありませんが、ステアリングを切ると強い振動が発生します。
夕方、高校時代の友人と忘年会があるので出掛けなければならず、この日は14時半過ぎに作業を中断。
12/29
エンジンを掛けてステアリングが振動する原因は、バンジョーボルトの穴位置がフィッティング部分の流路と合致していないため、パワステポンプのフルード吐出が上手く出来ていないのではないかと推定。
バンジョーボルトを外すため、再度ラジエーターコアのボトムからフルードを抜いて・・・ともう一度プーリープレートを外す作業を実施(画像は同じなのでなし)。
一度施工した慣れと六角ネジが新品で脱着に全く苦労なし(本来の姿)なので、作業は素早く出来ました。一応バンジョーボルトの流路を最も抵抗がない状態で締め直し、再び元に戻す作業で2時間半経過。
エンジンを掛けずにステアリング切り返し作業を50回繰り返し、噛んだエアを出来るだけ取り除きました。
フルードは先月交換したばかりでしたが、一応再交換を視野に入れて2Lを準備しておきましたので、入れ替えを進めました。
そしてリザーバータンク内の分をシリンジで抜いて、ほぼ同量(冷間時Max~Minimumの間をキープするように)新しいフルードをつぎ足し、何度かステアリングを切り返して・・・を繰り返して1L分を交換。
最後に抜き出す前のフルードを集めて見ると少し濁り(銀色のキラキラ)が見えましたが、1L交換時に抜き出したフルードを見るとほぼ透明になりました。
エンジンを掛けてアイドリングが落ち着いてからゆっくりステアリングを切ってを何度か繰り返すと前日より振動することは少なくなりました。しかし、少し速くステアリングを切ると振動(一度振動すると共鳴して振動が止まらなくなる)が出ます。その度にエンジンを止め、エンジンを掛け直して振動が出ないようにゆっくりステアリング切り返しを繰り返すと殆ど振動しなくなりました。
バンジョーボルトとフィッティングの位置関係も影響が多少あったかもしれませんが、どちらかというとエア抜きが中々上手く行かなかったことが振動の原因のようでした・・・。
いよいよジャッキを下げてラダーから降ろして久々に試走。
駐車場を出る段階の切り返し時点で当然分かりますが、しっかりパワステポンプが作動してアシストが正常であることを確認出来ました。一カ月ぶりのパワステアシスト復帰でパワステの有難味を実感(笑。
ただ、問題が全て解決した訳ではない感じです。走行時にステアリングへのキックバックが少し強く、ほんの僅かシミーが出る状態は残っています。
先月パワステ不調時に気付いた時にも認められたのですが、DCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)のダイヤルを変えても前輪の駆動変化が感じられず、どの位置でもフリーになっている感覚で、これは相変わらず先月のまま。
この問題は、6速ミッションを導入してもらった大阪のオートプロデュースA3さんに相談するしかないかと・・・。年明けに対応することにしました。
結局、パワステアシストが殆どなくなったという不調の原因は、パワステポンプだった訳ですが、何故リビルト品が交換して2年半でダメになったのか、真の原因は掴め切れず・・・です。
しかし、今回の不調とDIYメンテ作業で々得ることがありました。
まず教訓としてボルト・ネジ類、特に舐め気味の、舐めやすい形状のものは(今回は自分の問題ではないので厄介ですが)ケチらずに更新するということですね。
まあ、整備出来る項目が増えたということも収穫ですし、また難題を与えて乗り越えさせてくれるマイレガに対する愛着がさらに高まりました。
2年半毎にパワステポンプ交換は勘弁ですし、問題が全て解決していませんが、年内に取り敢えず走行に支障がない状態に戻って年を越せそうなので、ホッとしていますし、良かったです。