先日、マイレガのクラッチの固着とそれ以前からクラッチペダルの戻りが悪い状態がありました。
固着は2日に一回は乗り込んで動かすか、短距離走行させることで、その後は起きていません。
一方、ペダルの戻り不良は暫く乗って動かしたり、ペダルだけ何度か動かして戻るようになることもありましたが、戻りが悪い状態は徐々に増えている感じでした。
まぁ、ペダルの稼働パーツ系の消耗劣化が主な原因なら、ただ乗って動かしていても良くなることはない訳です。
以前に一度トライ仕掛けたのですが、運転席下側に潜り込んで様子を見た時に、思った以上にクラッチペダルAssyの取り外しが難儀しそうだったため、諦めて何とかマメに乗ることで誤魔化そうと思っていたのが、そうは行かない・・・ということで、意を決してメンテを行うことにしました。
一度にやっつけようとすると、体的にも大変なので、在宅の合間を活かして昼休みと夕方に分けつつ、数日掛けて進めることにしました。
<1日目:4/19>
まず、クラッチペダルAssyへのアクセス経路の確保のため、内装部材を外します。
運転席を目一杯下げてスペースを確保しつつ、仰向けに頭をペダル前に入れて、配線を掛け分けながら、徐々にアクセスを進めますが、予想通りこれが結構大変。
運転席付近に後から追加した電子機器の配線も取り回しているのでノーマル以上にジャングルのようになっていますし・・・(汗。
もちろん作業場所が狭いので身動きが取り難く、腕を回すこともままなりません。洞窟探検は子供の頃にしか経験がありませんが、入ったことがない狭い暗い洞窟を懐中電灯で探検するようなイメージですね。
狭くて写真を撮るスペースもないので、ここからAssyを外すところは殆ど画像なしです。
最初の難関は、インテグレーテイテッドコントロールユニツト(ライト・ウインカー・ワイパーなどを制御)の取り付けを外すところ。腕を上向きにしてユニットを固定金具から外すのに、前後がカシんでいるのでマイナスドライバーでコジリながら引っ張り下げるのに一苦労・・・。
さらにこのユニット固定金具がステアリングシャフトに12㎜ボルトで固定されているのですが、手が入りにくい上側の見えないところにボルトがあるので、手探りで工具を当てて緩めて除去。
ようやくクラッチペダルAssyが見えて来ますが、Assyを固定しているボルトの1つがこのインテグレーテイテッドコントロールユニットの止め金具の上にあるんですよね。14㎜ボルトで上向きに止まっているので、これを取り外します。
そして、マスターシリンダーとクラッチペダルを繋げているクレビスピンを外すために、ピンを外す必要がありますが、このピンがクラッチペダルのアームの裏側の壁との間の狭いところにあるので、指1・2本しか入らず下から全く見えません(泣。
以前購入したロングペンチ(支点が2か所あり先端だけが開くマジックハンドのうような工具)を使って、当たりを付けながらピンを探し当てて、引き抜くのに結構時間とエネルギーを使いました・・・。
ようやくクレビスピンを何とか手を入れて抜き取り、クラッチペダルAssyを外すための室内側の準備が終了。
<2日目:4/20>
次にエンジンルームのマスターシリンダー側です。
Assyを外すためにはクラッチマスターシリンダーと結合しているボルトナットを外す必要があるのですが、これがマイレガの場合、一筋縄では行きません(汗。
ノーマルならマスターシリンダーの固定ナットはアクセスし易いはずですが、マルシェさんでタービンをGT2835に大型化した際、熱影響を下げるために遮熱板をワンオフで設置してもらっています。
この遮熱板が邪魔でそのまま自前の工具では、進行方向右側のマスターシリンダーのナットにアクセス出来ません。
取り外す順番をパズルのように暫く考えてから実行。
遮熱板は、マスターシリンダー固定ナット左側とブレードマスターシリンダーストッパーのボルトを利用して止まっているので、これを外して遮熱板を少しオフセットさせます。
スペースを確保して、奥まったボルトナットを緩め・締めをするのに購入しておいたエクステンションとフレキシブルジョイントを活用しつつ、マスターシリンダーを固定ナットを緩めました。
マスターシリンダーの固定が外れ、これで室内のクラッチペダルAssyが外すことが出来る状態になりました。
もう一度運転席に潜り込んで、配線・リンクロットの『パズル』を解きながら何とかクラッチペダルAssyを引っ張り出しましたが、初めてだと狭いスペースでアチコチ引っかかって大変で腕が疲れ、何度か休み休みでした・・・。
次に外したAssyを分解します。Assyのペダル固定ボルトナットを外すと、アシストスプリングが飛び出すので注意しながら外す必要があります。
ペダル支点のパーツ一式↓
ペダルブッシュ(白い樹脂品)が少し消耗していますが、ネットで見られるようなブッシュが原形を留めない状態ではありませんでした。
また、ペダルスペーサー(金属棒)には特に傷等ありませんでした。
新品で用意していたペダルブッシュが1個だけ↓だったので、一応、一式をキレイに拭いて1つだけ新品に交換、シリコンスプレーを拭いて元に組み付けました。
アシストスプリングも発注はしていたのですが、入手まで暫し掛かるのと、特にスプリング自体にヘタリなどないため、そのまま組み付けることにしました。
アシストスプリングのサポートパーツもペダル上部にクレビスピンで止まっていますので分解。
クレビスピンは少し汚れた感じですが、キレイに拭くと消耗も多くなく、可動範囲が少ないので、シリコンスプレーを吹いてそのまま戻しました。
メタルブッシュ(ペダルパーツに入っている状態)も特に変形もないので、こちらもそのままにしました。
Assyを取り出す前に外した、マスターシリンダーのロッドとペダルを接続するクレビスピン(↓左・右は新品)は少しだけ消耗してますが、作動に影響するほどではない感じでした。
また、メタルブッシュも消耗・変形している感じではなかったですが、こちらは
メタルブッシュはかなりピッタリハマっているので、マイナスドライバーでこじって引っ張り出しましたが、特に消耗・変形していませんでした。
クレビスピン・メタルブッシュ共に用意していた新品に交換、シリコンスプレーを吹いて組ました。
ペダルAssyを元に組み戻す際、アシストスプリングを縮める必要があります。
それなりに強いスプリングなので縮めた状態を維持するのが難しく、小型のネジザウルスで縮めてから、ネットで見た結束バンドで一時保持しようと試みたのですが、ネジザウルスを外した途端に結束バンドが切れてしまいます。
仕方ないので、細目の針金で一時的に縮めた状態を維持して組付けました。
組み付けたところで針金をカットし、Assyを元に戻します。
ちなみに、ペダルAssyを元に戻すのもコツとかなりの労力が必要・・・。
狭いスペースで結構長いペダルを取り回しつつ、配線の『森』をくぐり抜けてマスターシリンダーロッドを上手い位置に持って来ながら、マスターシリンダーボルトをボディ穴2か所に挿す調整作業を仰向けなって進めるので、かなり腕も足腰疲労します。
ちなみに、一度マスターシリンダーのボルトナットを締めて室内の上向きボルトを締めて山場を越えたと思ったら、マスターシリンダーロッドとペダルを繋ぐ部分にメタルブッシュをハメ忘れてしまった・・・(泣。
メタルブッシュはペダル側の径がピッタリで打ち付けないと入りません。
結局、苦労して元の位置に戻したAssyをもう一度外して、メタルブッシュを打ち込んでから、Assyを取り付け・・・。
そして、マスターシリンダーロッドとペダルを繋ぐクレビスピンを差し込むまでは良かったですが、割ピンをハメるのにさらに苦労が。穴の位置が殆ど見えず、指が1・2本しか入らないスペースなので、抜き取る時より大変でした。
何とか、ロングペンチで割りピンを摘まんで、僅かに見える穴を見ながらクレビスピンが回らないように片手で抑えつつ、何度かトライして差し込めました。
運転室ペダル付近の狭くて暗い中で、さらに近視+老眼度数が合っていない眼鏡だとホント見え難く、殆ど眼鏡なしで作業しましたので、いや~ガッツリ疲れました(汗。
<3日目:4/22>
エンジンルーム側からマスターシリンダーを固定すべく狭いところで手の甲を傷つけながらナットを落とさないように気を付けつてハメ、遮熱板を固定しつつ、ナットを締め付け。
そして、ブレーキマスターシリンダーストッパーを元に戻してエンジンルーム側は終了。
内装の外した配線・内装部材を元に戻して(これも2時間くらい掛かりました)作業は終了。
今回の作業は1日2~3時間で3日間に分割して進めたのですが、1日でやるとしたらかなりキツい作業ですね。
まぁ、一度やるとコツを掴めて、初回の半分以下で出来ると思いますが・・・。
作業結果として、クラッチペダルの戻りはだいぶ良くなりました。
が、まだ完全ではなく、少し戻りが悪い時があります。
ペダル戻り不良の原因が、今回のペダルAssyパーツの消耗など以外にもある可能性が高く、次は5年間換えていないクラッチフルードの交換を行うつもりです。
一連の作業終了した今日夕方、エンジンを暫く掛けてアイドリングしていたら、途中でどこかで微かに『ポン』という音が聞こえたような・・・。
これが一難去ってまた一難、のマイレガの『悲鳴』でした・・・(続き)。