8/23にDへ預けた愛車K1600GTLの1年点検が終了し、8/29の開店時間10時過ぎに受け取りに行きました(6568km)。
代車をお願いしなかったので、預けた時は公共交通機関で帰宅しましたが、受け取りの時はカミさんが休みだったので、午前中にDまで送ってもらいました。
1年点検項目の他に、1000km点検時に交換したエンジンオイル・エレメントの他に、前後ブレーキフルード、前後タイヤを交換しました。
さて、単に点検を終わった愛車を受け取りに行ったのでは面白くなかったので?、ちょっと興味のあった新型S1000XRの試乗しました。
ちなみに同じXR系の弟分?のF900XRが今年デビューしていて、最初こちらに興味を抱いたのですが、Dに試乗車がなかったので、こちらの試乗はお預けです。
試乗は2~3時間。ガソリン満タン返しでコースは自由。
まず跨って軽い! 旧型からさらに軽くなった車重234kg(ベースは228kg)、愛車に比べて130kgも少ないので当たり前ですが・・・。最近の大型バイクとしても軽い部類ですね。軽さのお陰で乗る際の気兼ね・気負い・緊張感が減ります。
まぁ、バイクに乗る時に気軽過ぎたり緊張感がなさ過ぎると事故等のリスクも高まりますので、良し悪しなところがありますが、S1000XRのエンジンは165ps・11.6kg-mというスペック。パワー絶対値は我が愛車の160psをやや上回る位で、S1000RRのデチューン版とは言え、むしろ中低回転パワー・トルクは太らせているので、一般道速度域であれば加速も同等以上でしょうし、過激過ぎるほどパワフル。
エンジンモードをDYNAMICにしていましたが、スロットルレスポンスが過敏過ぎる訳ではなく、普段乗りでもイイ感じでした。愛車K1600GTLの場合、DYNAMICでもアクセルレスポンスがイマイチ鈍いので、S1000XRのDYNAMICで丁度良いです。
ゴリゴリとしたクランクの回転感がありながらも、回転上昇は鋭く4気筒なので振動も少ないです。ただ、細かいバイブレーションがステップを通じて足の裏に常に感じられるので、長時間乗っていると足の裏が少し痺れて来るかも・・・。
シフトアシストプロも、1⇒2速で若干ショックが大きめですが、愛車K1600GTLよりガシャガシャ音が少なく軽くスムース。
この動力性能(パワーウエイトレシオからレガに1100ps弱のエンジンを載せているのと同じ)は、単に軽量なバイクとは違って一種の良い緊張感にはなりますね。恐ろしくてスロットル全開になんか出来ません(汗。
宮ケ瀬のワインディングも走りました。オフロード車のような幅広バーハンドルはちょっと違和感がありますが、上半身が軽く前傾してステップも高めで後退気味なのと、ベース車がBMWモトラッドで最もスポーティなS1000RRですので、コーナリングが素直で軽く、しかし安定感もあって乗り易い。
高速道は走りませんでしたが、K1600GTLに比べて圧倒的にウインドスクリーンやカウルは小さいのに、ウインドスクリーンはマニュアル操作で上下させられるので、上げておけばそれなりに風は避けてくれます。おそらく高速道路の法定速度+20~30km/hrであれば、あまり苦も無く連続して走れそう。
ちなみにナックルガードが標準装備ですが、夏はグローブに風が当たらずちょっと暑いかな。逆に風防効果が高いと判り、寒いシーズンには有効ということですね。
ブレーキもキャリパー・ローターは基本的にK1600GTLと同等、ラジアルマウントなので、よりレーシーなスペック。K1600GTLでもブレーキに不満はありませんが、車重が軽いのでK1600GTLに比べて悪いはずがありません。軽いタッチでグッと減速出来るのは軽量の強みですね。
逆に車重が少ない?ので電子制御サスのダイナミックESAは柔らかめの『ロードモード』であってもK1600GTLより固めで乗り心地的には劣りますが、サスストロークが多いし、ガチガチではありません。昨年レンタルしたZ900RSよりよっぽど乗り心地はイイです。
シートの厚みが少ないので高速を多用するようなロングツーリングでは、もちろんK1600GTLの快適性には及びませんが、グリップヒーター・クルコン・ヒルスタートアシスト・シフトアシストプロも付いていて、市街地・一般道が多めのロングツーリングでは決して引けを取らないバイクと感じました。
メーターは、K1600GTLが物理的に針が動くひと昔前のバイクというイメージですが、S1000XRは最近のモーターサイクルの定番になりつつあるTFT液晶で見易く、好感が持てました。操作が慣れず、水温計や燃料計が見つけられませんでしたが・・・。
メンテで大きなコスト要因となるタイヤですが、サイズがK1600GTLと同じ(K1600GTLは重量車用ですが)なので、常に130kg車重が少ないS1000XRは極端に違う走り方をしなければ、持ちはきっと良いでしょうね。車重が軽ければブレーキパッドの持ちも良いはずですし・・・。タイヤ銘柄は今回愛車に付けたのと同じメッツラーROADTEC 01でした。
ただ、ハイスペックエンジンなので燃費(試乗では15.8km/L)はK1600GTLと差がありませんでした(車重の割にK1600GTLが良過ぎる?)。
当たり前ですが、K1600GTLに比べれば車格的に小さく、『大型バイク』という押し出し感は少なくて所有満足感で微妙な感じはあります。でも、灯火が全てLEDとなり、(K1600GTLとは機構が違いますが)コーナリングランプも付いているヘッドライト周りのデザインはシャープでカッコイイと思います。
好みから外れるのは、
①サスペンションストロークがタップリ取られているためにオフロードバイクを彷彿させる高い車高・重心のスタイル
②同じくオフロード系バイクに多い幅広で絞り角が少ないバーハンドル
③ナックルガード
④貧相(よく言えばシンプル)なテールライト兼ウインカー↓
ですね。
もしも自分の愛車にするのであれば、もう少しアップで絞りが入ったハンドルバーに変えつつ冬以外はナックルガードを外しますね。また、社外品ウインドスクリーンはまだ新型になってリリースされていないようですが、プロテクション効果の高い大きめのものに換えたいところ。
S系には同じエンジンを積んだロードスポーツS1000Rがあり、XRはアドベンチャー系なので車高・重心が高いスタイルは仕方ないですし、ローダウン(サス交換)するのはダイナミックESAの関係もあるので難しいと思います。テールライトの他車流用などはどうしても後付け感が出てしまい品が悪くなりそうなので、我慢・・・。
で、ツーリングスペシャルとしてトップ・パニアケースを装着する感じかな。
猛暑で長時間走るのがキツイので、2時間で戻りましたが、交差点などで停止する際の緊張感が非常に少なくて本当に気が楽です。足着き性が決して良い訳でもない(K1600GTLより足の裏の設置は明らかに少ない)ですが、240kgの車重だとほぼどんな路面の状態でも停止しても立ちゴケすることはまずないという、この上ない安心感を常に抱き、ツーリングでも疲れないだろうなぁと容易に予想出来ました。
パニアがない状態であれば、基本スリムな車体はハンドル幅さえ気にすればすり抜けも非常にし易く、渋滞路などでは中型バイクと変わらず走れますし・・・。
S1000XR試乗後、愛車K1600GTLに乗って帰路に着くと、改めて『ずっしりとした重さ』が・・・(汗。
しかし、重さを活かしたダイナミックESA+デュオレバー・パラレバーサスのしなやかさ、シルキー6の無振動なエンジンの組み合わせがもたらす極上の乗り心地、市街地走行が少なければロングツーリングで最高クラスの快適性、それでいてスポーティなコーナリングを兼ね備えている、などやっぱり他の大型バイクでは味わえない良さがあるなぁとも実感。
さらにキット+DIYでハンドルをかなり手前にしているので、ひと昔前のアメリカンのように上半身が無茶苦茶ラクチン。まぁ長距離だと体重がお尻に掛かるので、本当は僅かに前傾している位の方が良さそうですが・・・。
タイヤも交換したお陰で極低速でのバランス取りがし易くなり、直進安定性が増しました。ゆったりKロングツーリングで乗るのにK1600GTLは最適です。
9月中下旬にはロングツーリングに出掛ける予定なので、点検・消耗品の交換を済ませて、安心して出掛けられます。
やっぱり、愛車K1600GTLにはまだまだ乗り続け、沢山の思い出を造っていきます。
でも今回の2時間のS1000XR試乗で、トータルの走行安心感のあるロード寄りのアドベンチャー系バイクは、非常に魅力的で、正直言って愛車候補になりました。