既に8/11に愛車を契約していますが、当初計画していた気になっていたバイクには試乗しておきたいということで、本日8/18にも試乗して来ました。
昨日夕方のテニスで少し腰に疲れがありましたが、試乗予約は10:30からだったので、余裕を持って8:30に自宅をレガで出発。
10:30前にホンダドリーム府中店に到着しました。
台風10号が過ぎ去った影響で、8/17は8月上中旬よりもさらに気温が上がって8/18も10時過ぎには34℃前後まで上がり、試乗に適した環境とは言えませんでしたが・・・。
暫し休憩して手続きを済ませ、試乗へ。
試乗したのは、昨年デビューした時から結構気になっていたGOLD WING TOUR DCT(GL1800)です。
愛車となるK1600GTLと真っ向勝負の本格ツアラーで、23年ぶりにフルモデルチェンジし、昨年登場しました。
自分がバイクに乗り始めた約30年前に既にGLシリーズは1000ccから1100cc、1200ccと徐々に大型化しながらツアラーとして進化していったのを見ていますが、近年の前代モデルまでは、どちらかというと大型カウル付きのハーレーツアラーのライバルとして、『おじさんが乗る重たくて大きなバイク』というイメージが定着してしまい、『自分は年取っても乗らないバイク』と思っていました。
しかし、フルモデルチェンジチェンジでエンジンも含めてかなり改革・改良がなされ、『どん臭い』(失礼)イメージが払拭された若々しいモデルになったということです。
まぁ、新たな年齢層への訴求をしっかり考え抜かれてリリースされたモデルですので、狙い通りヨーロピアンモデル重視の自分にも訴えかけるものがありました。
注目していたのは、動画サイトにもカタログでも謳われているDCTと新しい1800cc水平対向6気筒エンジン、そしてフロントダブルウィッシュボーンサス採用による乗り心地・スポーティさです。
DCTは既に4輪スポーツカー等でも採用され、ホンダ二輪の一部にも採用されていますが、体験したのは初めてです。
車重が383kgとK1600GTLよりもさらに30kg弱も重いスーパヘビー級ですが、それでも先代の400kg強よりもかなり軽量化されたということです。
以前に跨った際にも感じましたが、エンジンが水平対向でガソリンタンクやシート高が低めということの相乗効果か、サイドスタンドからの引き起こしは重いと言っても、380kg以上あるという重量を感じ難いと思いました。
足付き性はK1600Bと同じ位でハンドル位置も大差なく、日本人標準的体格の自分の上半身はほぼ直立で、手を自然に出した位置にグリップがあってライポジも似た感じです。
取り扱い操作方法を一通り聞き、最初はオートマチック運転(Dモード)。FJR1300ASの試乗をしているので、あまり違和感を感じませんでしたが、左グリップにクラッチレバーがなく、左ステップにシフトペダルがないのは新鮮というより、何かあるべきものがないもの寂しさとか不安を感じますね。
エンジンモードを4段階選べますが、一般的なTOURから。スロットルをそろりと少し回すとゆっくり巨体が動き、不自然な感じはありません。そのまま速度を上げると次々に自動的にシフトアップ。ショックも殆ど無くスムースな加速です。あっという間に6速まで入りますね。
巡行時に2000rpm弱の低回転を多用するのは自分的にも好みなので、好印象です。余程の加速を要望しない限り、スロットルを開けるだけで車速が伸び、『ラクチン』というのが第一印象です。
即オートマモードに飽き、マニュアルモードでシフトアップ・ダウンを繰り返しますが、面白みはあまり感じません。マニュアルモードでも車速が落ちると必ずローまでシフトダウンされますので、FJR1300ASのストップモードオフや通常のマニュアルクラッチ・トランスミッションを持つバイクとは異なります。
SPORTSモードにすると確かに豹変します。スロットルにダイレクトに反応しますが、ちょっと極端過ぎて不自然な感覚ですね。街中ではTOURモードがジェントルで良い感じですが、十分豪快な加速をしてくれます。
信号・渋滞での速度ダウンから停止時も、それほど自動シフトダウンのショックは大きくなく、FJRのストップモードと遜色ない感じです。ただ、10km/hr前後でトロトロと走る場面では1速だと少しギクシャク感があります。車体が不安定になる程ではありませんが、低回転トルクがあるので2速キープして欲しいという自分の意図に反して1速にダウンしてしまう等があったりして、この点はマニュアルクラッチ仕様の自由度まではない、ということになりますし、半マニュアル仕様のFJRの方が自分の相性は良い感じでした。
注目のフロントダブルウィッシュボーンサス・電子制御ダンパーから大柄な車体がもたらす乗り心地は、『しっとり』としながら『しっかり』とした安定性もあり、ゆったりノンビリからスポーティな走りも予感させてくれました。ブレーキング時のノーズダイブも少ないことも安定を感じるのに貢献していると思いました。
愛車になるK16000GTL(試乗はB)もGOLD WING TOUR DCTも高速道やワインディングの走行が出来ていないので比較出来ませんが、おそらくサーキット走行速度のレベルで好みの差は出る程度で、一般道の感触からは両者のサス性能は同等レベル性能でしょう。
電子制御サスの硬さは好みで変えることが出来ず、不愉快までは行きませんが、街中だとちょっと固いなと感じ、乗り心地の良さだとK1600の方が良いと感じました。
街中での試乗なので交差点レベルですが、コーナリングは何となく癖を感じました。バンクさせると安定する感じですが、やや倒し込みが重くちょっと大回りになってしまいました。慣れればタイミングを計って倒し込めると思いますが、スッと思った通りにバンクする感覚はK1600の方が自然で癖がないと感じました。
ツアラーとして大型カウル・電動高さ調整式ウインドスクリーン・ナビを表示出来る7インチモニターを標準としたメーターパネル・クルコン・オーディオ・トップケース・パニアケースを装備していて、ロングツーリングを楽しめるバイクであることは確かです。エアバッグを装備するのが特徴ですが、二輪でどこまで有効なのか・・・。
また、K1600シリーズやFJR1300ASに標準のコーナリングランプ機能はなく、滅多にお世話にならないものですが、マイナスポイントかな。また、これはコンセプトとして全体デザインからなしとしたのかもしれませんが、パニアケースが脱着出来ないのもマイナスポイント。ちなみにトップケースはフルフェイスヘルメットは普通に立てた状態では収納出来ず、パニアケースにはヘルメットが入らないらしいです・・・。これも大きなマイナスポイントかな。
そして選べるカラーがレッド系2色とホワイト・ブラックで、好みのカラーが設定されていないのも、自分にとってはマイナスポイントですね。
約30分弱の試乗を終えて店に戻り、見積もりをもらいましたが、GOLD WINGは受注生産なのですね。今から発注しても消費税アップには間に合いません。ただ、駆け込みニーズを見越して店で少し前にホワイトのGOLD WING TOUR DCTを1台発注していて、9月上旬に入荷するそうで、色・グレードが合えば消費税アップ前に納車可能とのことでした。見積もりはオプションを付けない状態でのものですが、現金値引きなし(用品50000円分付き)でも契約したK1600GTL opt719の支払い総額より約40万少なく、上記の複数のマイナスポイント分が安いと思えば納得かもしれません。
確かにロングツーリングを楽にこなせる点で、これをメインに考えているライダーにとってGOLD WING TOUR DCTは魅力的なバイクであることを確認出来ました。
しかし、やっぱりクルマも3ペダルのマニュアルクラッチに拘っている自分にとって『バイクとは何か?』を改めて自問してみると、『マニュアルクラッチ=クラッチレバーがあり、シフトペダルがあり、ツーリングでもスポーツするのが自分にとってのバイクである』と改めて認識する機会になりました。
つまり、自分にとってGOLD WING TOUR DCTはどちらかというとゴージャス版ビッグスクーターに近く、バイクとは別の乗り物で、自分が25年ぶりに復帰する愛車には相応しくないと気付きました。
改めてK1600GTLを契約したことが正解だった感じるGOLD WING TOUR DCTの試乗機会となり、良かったと捉えています。