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くまとっどのブログ一覧

2022年02月04日 イイね!

クルマとしての正解

クルマとしての正解私が20代の頃、日本はバブル真っ只中。

アルマーニやロレックスを身にまとい、夜な夜なドンペリを開ける生活からほど遠いものの、多少なりとも恩恵にあやかっていたのも、また事実。

収入は今よりも多かったです。

その理由は、労働時間。

8:00~17:00までは今と同じ。

そこから残業時間が、通常で22:00まで。

その後、下っ端だった私が夜食の買い出しにいって、食事休憩。

0:00頃には業務終了が、1日のルーチンです。

完全週休二日制は、まだ夢の話。

そんな今では過労死レベルの生活が、日常でした。

多忙な日々を過ごす入社2年目、このクルマが誕生しています。






アコード インスパイアです。

当時はマークⅡが巻き起こした、スモールキャビンの4ドアHTが大ブーム。

街中が、白いマークⅡだらけになりました。

当然そんな活況を、他社もただ見ているだけではありません。

マークⅡ迎撃のニューモデルが、続々誕生します。

ホンダから誕生したのは、このアコード インスパイア。

従来の4気筒モデルアコード/アスコットの上位機種として、インスパイア/ビガーが登場します。



発売早々、社用車にこの2台が導入されました。

4気筒のアスコットと、5気筒のビガーです。

(系列販売店の関係で、どちらもメインじゃない方が来ました)






まずはアスコット。

エンジンは、2000cc SOHCのキャブ仕様 110ps。

トップエンドまでの吹け上がりは抑え目なれど、4気筒故のトルクで低速域はスムーズです。

このF20Aにはバランサーが採用されていて、振動も少なめ。

横置きFFなので、トラクション性能も問題なし。

背の高いキャビンで室内は広々。

衝突安全が厳しくない当時のホンダ車らしく、ピラーが細くて明るい室内。

非常によく出来たクルマだと思いました。

ただ、華がないのが、唯一の欠点かと。






片やビガー。

乗り込むと、やたら傾斜したピラーが作り出す圧迫感と閉所感。

内装色がブラウンだから良かったものの、これがブラックだったら耐えられないかも。

5気筒エンジンですが、不等間隔爆発でも振動は気にならず。

走り出すと、車体が重い?

いや、全然低速トルクが出ていません。

その代わり踏み込むと、そこはホンダエンジンの真骨頂。

レブリミッター作動まで、パワー感を伴いながらきれいに吹き上がります。

ホンダらしい良いエンジンですが、これ、ビガーに合っているのか?

いつも踏んでなきゃいけない感じがして、ちょっと気ぜわしい感がしないでもないです。

それに発進時にアクセルをワイドオープンすれば、いとも簡単にホイールスピン。

縦置きで後方寄りに配置された、エンジンの影響でしょう。

ですが前輪の荷重が減った事で、回頭性は良いです。

FFミッドシップと言えば語感もよろしいですが、主題はそこか?

その前に、トラクションの確保だろう?

ハード的には、ちょっと受け入れ難いものがありました。

でも、もの凄く華があります。

いや、華しかありません。






シックでスポーティに仕立てられたビガーは、言うに及ばず。

アコード インスパイアでさえも、派手さはマークⅡより抑え目でした。

そこがまた、カッコいいんですよね。

マークⅡの非常にドメスティックな演出に対して、インスパイアはイギリス的な雰囲気。

そういえばこのクルマ、コンセプトは「Lile a Jaguar」だったかと。

スモールキャビンで、縦置きエンジンが作り出すフロントショートオーバーハング。

なるほど、ジャガーの様です。






どうにもカッコイイ アコード インスパイア。

発売前の予想に反して、4気筒シリーズを凌ぐ大ヒットに。

私も、次期愛車に検討しました。

ですが、4ドアセダンなのに、狭い室内。

特に後席は、頭上高稼ぎで極端に下げたヒップポイントに。

その結果、やたら膝が立つポジションを強いられ、長時間乗車では疲れてしまいます。

搭載した5気筒エンジンは縦置きのFFミッドシップ。

前後重量配分を、50:50に近付けています。

それ故に高い回頭性を実現したと言いますが、それで成立するのはFRでの話。

横置きよりも接地荷重が減った為に、トラクション不足の方が重大な問題です。

自動車業界の末席を汚している私にとって、このクルマは正解なんだろうか?

華やか演出の為に、このパッケージを良しとしても良いのか?

カッコよければ、なんでもOK?

そこがどうにも、引っ掛かってしまうのです。






若い頃って、とにかくハッキリと答えを出さないと、自分自身で納得出来なかったりします。

曖昧なものが、受け入れられない。

探求する努力をしていない、そう思えてしまいます。

全てのものに正解があると、信じていたのです。

でも世の中そんな風には割り切る事が出来ず、それ故に悩む。

それが若さなんだろうなぁと、今は思います。

カッコいいから買う、と言うのは、私にとってクルマを買う正解にはならなかったんです。

そこには機能としての正解があるのが、大前提。

デザインはその次だと、そう考えていました。

このシリーズ、もし自分で買うなら、4気筒のアコードだろうな。

国内ではシビックの上位車としてポジションだった、アスコット。

その為メッキ部品が多めで、見た目高級です。

対してアコードは、アメリカの実用車。

見た目がシンプルです。

実際、途中で追加された2ドアクーペは、ちょっと心が動かされました。






アコード インスパイア、せめてFFじゃなければ良かったのに。

でも当時のホンダは、FFの呪縛に囚われていたのでしょう。

なにがなんでもFFでという選択肢しか、なかったんでしょうね。

2Lクラスのプロペラシャフト、リアデフケースの調達が難しいという事情もあった様ですが。

結局FFで成立させる為に、前輪より後ろから出た出力を、わざわざフロントへ戻すという荒業をやってのけます。

しかもフロントのドライブシャフトは、オイルパンをぶち抜いて出してまで。

これをFRとしておけば、どれだけ簡単な事か。

技術力はあるのだろうけど、なんか使い方が違うよなぁ、そんな風に思っていました。

結局FFミッドシップは、次代インスパイア(アコード名の取れました)、2代目レジェンドでも展開するも、それ以降は通常の横置きFFへ回帰。

大排気量になるほど、つらいレイアウトだったんですよね。


過去の車歴の中に、インスパイアはありません。

今だったらあの華やかさだけで、十分買う価値はあると判断しますけどね。
Posted at 2022/02/04 11:44:16 | コメント(9) | トラックバック(0) | ホンダ | 日記

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「スバル360のブレーキシューを組み上げ、シュークリアランスも調整終了。
なのにエアが抜けない・・・。
そういえば、以前も結局4輪やらないとダメだった様な。」
何シテル?   04/17 18:01
クルマ、バイク、自転車と、自分でコントロール出来る乗り物が好きです。 それも日本製が好きです。 (自分で買えそうもないものには、興味が持てなくて) ...

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