久しぶりのホンダコレクションです。
今まで年1回は行く様に努めていたのですが。
最近はコロナで休館だったり、バイトが忙しかったり・・・
気付けば、実に4年ぶりの訪問となりました。
茂木までは片道120km、基本は一般道で行っています。
ですが4年も経っていると、新しい道が出来ていたりで少々迷っちゃいました。
TYPE R、ホンダファンを自認する私ですが、買った事はありません。
それ以前に運転した事もありません。
憧れはあるんですよ。
ホンダが相当気合を入れて開発しているクルマなのは、知っていますから。
でも、なんでしょうねぇ・・・。
私が買っても、宝の持ち腐れになっちゃうし。
通勤かロングドライブが主な用途だと、TYPE Rはちょっと合っていないのかなぁ。
そんな訳で、憧れのまま今に至っています。
今やホンダにとっては伝家の宝刀とも言える、TYPE R。
最初にその名が冠されたクルマから紹介します。
NSX TYPE R
この時は社会人になっていました。
当初「部品を外したNSXを出す」と言われていたので、廉価グレードなのかと思っていました。
まさか、こんな志の高いクルマだったとは。
エンジンは自主規制中だったので、280psで変更出来ず。
但しピストン、コンロッド等の回転系部品は、バランス取りが施されています。
ボディは、可能な限りの軽量化を実施。
こうする事でパワーウェイトレシオを下げれば、実質パワーアップしたのと同じ効果があります。
TYPE Rは、スポーツカーと言うよりはレーシングカーに近い存在です。
速さ感を演出する感覚性能ではなく、拘ったのはサーキットでタイムが出せる絶対性能。
TYPE Rにとって、サーキットでタイムに繋がる選択こそが正義です。
そこにドライビングプレジャーを感じられれば、TYPE Rはスポーツカー。
ですがドライバーに過度な緊張を強いるクルマなので、万人向けとは言い難いところは正直あります。
その潔さこそが、実は私をTYPE Rから遠ざけている理由なのかも知れません。
サーキットで生きる事が存在理由となっている、TYPE R。
その修練の場として選んだのは、ニュルブリンクサーキット、ノルトシュライフェでした。
世界最難関とも呼ばれる、このサーキット。
ここでタイムが出せれば、どこでも速く走れると言われています。
確かに、そうかも知れません。
ですがNSX TYPE Rは、あまりにもニュルに固執してしまった。
その結果、後年にTYPE Sを誕生させる事態になってしまったのです。
この辺りの話は長くなりそうなので、別の機会で。
インテグラ TYPE R
実は私、最初はこのクルマに否定的でした。
なんでインテグラなんだ?
TYPE Rは、サーキットが主戦場。
NSXはTYPE R誕生後、ルマンに参戦しています。
(厳密にはTYPE Rがベースではないですが)
インテグラは、どこを目指しているんだろう?
市販車に近いレースを行っていたグループAは、既に終焉。
4ドアがあったので、その後発足したJTCC用かと思えば、そちらはシビック フェリオが参戦。
TYPE Rは日産で言うとGT-Rで、レース参戦ベース車両ではないのか?
そう私の中では思っていたので、このインテグラは理解が出来なかったのです。
ですが、この部品を見て驚きました。
リアロアアームを繋ぐ、パフォーマンスバー。
前輪のアッパー側タワーバーは、さほど珍しくはなくなっていました。
ですが量産車で最初からここまでやるのか?
この部品でインテグラがいかに本気であるか、感じ取る事が出来ました。
そういえば従前、ホンダ車はホイールハウスの隙間が大きい傾向がありました。
エンジンを後傾させてまでボンネット高を下げた、3代目プレリュードでもスカスカ。
これには理由があったんです。
それはタイヤチェーン要件。
当時のホンダ車には、チェーンを巻く為のスペースをホイールハウス内に確保する事。
この要件をクリアさせる為に、車高が下げられずにいたのです。
インテグラにも、この要件を適用するのか?
インテグラにとって、チェーン装着とサーキットタイム、どちらが重要なのか?
この時、タイヤチェーンの要件はなくなりました。
インテグラについて、こう書かれています。
筑波サーキットのラップタイムが、20年間最速。
これを破った2015年のシビックは、初めてターボ化されてNSXを凌駕した315psのモデル。
つまりインテグラは、後にで出たK20搭載車よりも速かったのです。
DC2は、NAのTYPE Rでは最速。
レースで大活躍ではありませんでしたが、インテグラは紛れもなくTYPE Rです。
シビック TYPE R
このクルマが、私に一番近かったTYPE Rです。
実は購入を検討していました。
シビックは、インテグラよりの排気量が小さい1600cc。
と言う事は、ピストンが小さく軽量です。
ただでさえ超高回転型のB18Cより、B16Bの方が高回転型ではないのか?
また、最初のホンダ車がワンダーシビック Siだった私にとって、シビックは馴染みのあるブランド。
それにインテグラよりも、小型軽量なところも魅力でした。
この時、競合したのはNAロードスター。
1800ccの後期型でした。
純粋に速さだけを追求したTYPE Rと、感覚性能を重視した人車一体ロードスター。
結局私が選んだのは、ロードスターだったのです。
昨年、シビック TYPE Rが発売されました。
2022年に誕生した、TYPE R。
これからのホンダは、CO2削減に向けて電動化を強力に推進していきます。
もしも次期TYPE Rが出るとすれば、それは5年後の2028年。
果たしてその時、TYPE Rは存在出来るのか?
HEV技術を使い電気ターボにすれば、まだ可能性があります。
でも、それをホンダがやるのかと言うと、可能性は低いのかと。
もう純然たる内燃機関では、おそらく生き残れない。
即ちこれが最後のTYPE Rなんじゃないかと、私は思っています。
「エンジンなら誰にも負けない」そう自負していたホンダが出す、最後の純エンジン車。
きっと自動車史に残るであろうこの1台を、若い頃の私だったら借金してでも買っていたかも知れません。
CO2削減に向けての電動化は、もう否定出来ません。
これからのホンダが進む道に期待しつつも、果たしてどうなるものか。
大丈夫なんだろうか? ホンダって。
なんだかそんな不安を抱きつつ、茂木を後にした1日でした。