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吉田 匠のブログ一覧

2011年06月06日 イイね!

1.6リッター4気筒の実力と魅力に関する考察。



ウチのミニ・クーパー・クラブマン、やっとオドメーターが3000㎞を超えて、必要とあれば心おきなく全開をくれることもできるようになり、当然ながらますます快調なんですが、そこで最近ふと思うのが1.6リッター4気筒というエンジンの実力と魅力についてであります。

クラブマンの前に乗っていたハッチバックのミニ・ワンは1.4リッターだったんですが、ATとの組みわせだと低回転のトルクがちょっと不足気味で、とりわけ市街地での発進に少々物足りないものを感じることがありました。

ところが1.6リッターNAのクーパーだと、ミニ・ワンと同じギアリングの6段ATとのコンビでも低速トルク不足を感じさせないばかりか、全域でかなり活発な加速が望むとおり手に入るんですね。

しかもクーパーの1.6リッター4気筒は、3000rpmプラスからトルクカーブの盛り上がりをはっきりと感じさせるなど、近ごろ無味乾燥なものが少なくない実用車ユニットのなかにあっては異例に心地好い回転感を持っていて、さすがバイエルン・エンジン製作所が生み出す製品だけのことはあると、感心させられます。

とはいえミニは、1.6リッターエンジンのクルマのなかでは小さめのボディを持つBセグメントカーなので、パフォーマンスに優れているのはある意味で当然だということもできます。



ところが最近、少し前まで2リッターが主力だったCセグメントカー、例えばシトロエンC4が1.6リッターを主力に据えたり、その上のシトロエンC5やプジョー508といったDセグメントのモデルが、かつての2.5~3リッターV6の代わりに1.6リッター4気筒ターボを搭載するなど、1.6リッターという数字がますます目につくようになっています。

そういう傾向を生み出している根底には、CO2排出量の削減、すなわち燃費の向上が避けてとおれないという、近年の自動車を取り巻く環境にあるのはいうまでもありませんが、エンジン自体やそれを駆動輪に伝達するトランスミッションの効率が上がっているのも、それを後押ししているといえます。

フェラーリのモンテゼーモロ会長は、F1エンジンのレギュレーションが4気筒になる可能性について言及した際、「フェラーリの文化には4気筒という選択肢はない」と言ったと伝えられます。

実はフェラーリは1950年代に、4気筒はもちろんこと2気筒のGPエンジンまで試作したことがあるのですが、モンテゼーモロ発言、今のフェラーリのイメージと照らし合わせると解からぬではありません。

ま、それはそれとして、1.6リッター4気筒というエンジンのパッケージ、僕としては侮れぬ実力と多くの可能性を秘めていると思っているのですが、皆さんはどう思いますか?



それにもうひとつ、実はスポーツカー親爺の好きな旧いクルマの分野においても、1.6リッター4気筒というのは実にいいパッケージで、1960年代までは多くの “名車” を生んでいたのでした。

例えば写真のクルマ、僕が乗っているポルシェ356も中期以降のモデルの主力ユニットには1.6リッターの空冷フラット4だったし、他にもロータス・エラン、アルピーヌA110、アルファ・ジュリア・シリーズ、ランチア・フルヴィアHF1.6、フィアット1600S、オスカ1600GT、それにわが日本のフェアレディ1600と、60年代の1.6リッター・スポーツカーは枚挙に暇がありません。

60年代までのスポーツカーは車重が軽く、排気量1.6リッターのモデルでもアルピーヌのように軽いものでは600㎏以下、重いクルマでも概ね1000㎏は切っていたため、1.6リッターでも充分なパフォーマンスを持っていたわけで、例えば僕の356B 1600Sも車重は930㎏しかないため、75psとは思えないほど元気に加速するというわけです。

そういえば近ごろ、フォルクスワーゲンと共通のシャシーを使った4気筒ミドエンジンのポルシェが出現する可能性が取りざたされているようですが、もしもそれがポルシェ独自開発の1.6リッターフラット4なんか積んで出現したりしたら、356乗り親爺としては狂喜乱舞してしまいそうで・・・。

いずれにせよ、ヒストリックカーでも現代車でも充分ドライビングをエンジョイできる1.6リッター4気筒というパッケージの可能性、これからも興味深くチェックしていきたいと思っています。

<追伸>
僕の別ブログ『TAKUMI YOSHIDA.log』に、こちらには載っていないクルマを含む「僕が5月に乗ったクルマたち、前編および後編」をアップしているので、ぜひ覗いてみてください。
Posted at 2011/06/06 18:45:56 | コメント(17) | トラックバック(0) | 日記
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