2000年の車を買いました。心情的には2000年なんてついこの間という感覚もあるのですが、冷静に考えてみれば22年も前の車、しかもフォードという、日本からはすでに去って行ったメーカーの車種を選ぶなど、本来なら「腕に覚えあり」なマニアの領分です。しかし私にはDIYをコツコツとしながら維持すること自体を愉しむといった意図も技量もありません。たまたま偶然、本当に身近なところに現れた個体が望外のコンディションであったのと、信頼できそうな販売店であったから、これならまだ日常の足として使えそうだ、そう踏んでの決断です。逆に言うと、それが果たせない状態になってまで無理に執着し続けるつもりもありません。今後一体どれくらい私の手元で活躍していけるかまだ全く未知数ですが、でも今までの自分のフォードライフの経験から、意外と何とかなるんじゃない?くらいに楽観的に捉えています。
フォーカス1600GHIA、ブライトブルーのボディカラーは2000年に開始された国内販売の一番初めにカタログモデルとして設定された4色のうちの一つで、それから1年以内には早くもカタログから落とされています。つまり、この個体は正真正銘のフォーカス国内正規導入最初期のものといえるわけです。当時もどちらかといえばこの色はワゴンでよく目にしたものの、HBでは少なかった記憶があり、初代フォーカスの中でもレアカラーだったと言っていいでしょう。
改めて接してみて、昔から大好きだったニューエッジ・デザインの造形が今なお新鮮な感覚で迫ってきます。これから毎日このかたちを目にできるのは嬉しいことです。そして巧みなパッケージングの妙-全高が高めで乗り降りがしやすく、アイポイントも高いので視界のよい自然な姿勢で運転ができる-に改めて感心させられます。私が初代フォーカスの最大の美点ではないかと考えているのが、準ミニバン的な成り立ちによる効率のいいパッケージングと動的性能の高さとの両立であり、これは今愛用しているフィエスタでも望めない素性です。
色々な与件が今ほど厳しくなかった時代だからこそ成し得たとはいえ、車がおしなべて重武装・高物量化している現在、初代フォーカスという稀代の名車が示したことをノスタルジーでなく体感してみるのも意義があるように感じています。
Posted at 2022/11/26 15:38:49 | |
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