Web CGでフィエスタが取り上げられています。在イタリアの大矢アキオさんによる現地シエナのフォード販売店へのインタビュー動画がアップされていて、そこで語られている、長年にわたってフォードやフィエスタを扱ってきた立場ゆえの声は、とても正当で実感がこもったものに聞こえます。
動画の中では、販売店の2階に今も保管されているという初代フィエスタGHIAが写されていて、その原初的な瑞々しい佇まいが実に素敵に見えます。ちょっと私のコッパーパルスと近い色相でもあることにも親近感を覚えずにいられません。
これらインタビューだけでなく、記事内に掲載されている大矢さんが撮られてきたというヨーロッパの街中での歴代フィエスタのショットと、そこに付けられたキャプションもまたいいものです。特に響いたのは『思えばフィエスタは、イタリアの風景の中であまりに自然すぎて、筆者の写真アーカイブには数が少ない。』というくだりで、当たり前だからこそいちいち意識して写真になど残さない-それこそがフィエスタという車について余すことなく表しているように思えるのです。
わざわざ写真に撮るでもないほどに、日常に密着していて、そこに埋もれているような車。ある意味で、フィエスタやフォードのような対象に対する最大級の賛辞ではないでしょうか。
大矢さんとはもうかなり以前ですが仕事の現場でお話をさせてもらったことがあり、その頃私はB256フィエスタに乗っていたのですが、それを伝えたことでしばしイタリアでのフォードをめぐる話題に花が咲きました。その時に大矢さんが言われたことで今でもよく記憶しているのが、イタリアだとフォードは親が免許を取得した子どもに初めて買い与える車だ、ということ。それは比較的安く手に入り、しかし維持にもお金がかからず信頼性が高い、だから親としては安心して我が子の初の車に選べると。その点で同じようなクラスの(当時の)フィアットは信頼性などに難があるから勧められない-なるほど、彼の地でフォードとはそういう存在なのか!確かに、私自身もフォードの信頼性の高さと維持費の安さを充分に体験していたから、大いに納得したものでした。
今回のインタビュー記事の中で、販売店の方がフィエスタについて述べられている内容も、まさにそうした趣旨でした。もしかすると大矢さんが収録前に相手の方とそんなような方向で話を進めましょう、といくらか申し合わせたのかもしれないけど、でもきっと本当にイタリアにおけるフィエスタとは、そのような存在に他ならなかったのでしょう。
「親が子に託せる」って、相当のことですよ。
「第791回:さよなら『フォード・フィエスタ』販売最前線の人が語る“驚くべき普及率”」
https://www.webcg.net/articles/-/47666
Posted at 2023/01/22 11:00:36 | |
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