
~ Nジャンさんの長い日 前編 ~
2018年9月21日(金)。
前日から続く雨。
カーテンを開けて雨の風景を見渡す。
駐車場に赤いフェアレディZ。
雨に映える赤ってイイものだ。
看護婦さんはこの日の日勤さんに交代。
前日の看護婦さんとは違う方。
「おはようございます。」
「昨夜は眠れましたか?」
「いえ、あまり眠れませんでした。」
「Nジャンさん、今日が手術ですね。」
「はい。」
「緊張されてます?」
「いえ、大丈夫です。」
大ウソつきの自分。
本当は逃げ出したくてたまらない。
アサイチに点滴。
点滴で栄養を注入するので、食は無い。
断食と言えば断食である。
しかし、若い看護婦さん、点滴の針が的を得ない。
2回やってもうまくいかない。
先輩看護婦さん登場。
これまたうまくいかない。
ベテラン看護婦さん登場。
4回目にしてやっと安定。
「さすが!」と新人さん。
てか、4回も痛いメに逢ってるオイラは放置かいなw
周囲は朝食時間。
美味しそうな匂いが漂ってくる。
「くちょー、我慢我慢。」
特別面会許可証を持った女房殿が登場。
頼んでいたモノを持ってきてもらった。
向かいのトイレが賑やかくなってきた。
「またトイレ一人で行ってる。看護婦さんのいう事きいてくれないかな?」
「だから、迷惑かけてないから。」
「一人で勝手に行ってるのが迷惑だっていってるの!」
女房殿が言った。
「何?アレ。」
答えたオイラ。
「昨日からやってるお年寄り男性と看護婦さんとのバトルだよ(笑)。」
SNSでオイラに励ましの言葉や「いいね!」を沢山頂いている。
今日が踏ん張り時か…
看護婦さんから
「Nジャンさん、少し予定が早まりまして12時頃、手術開始予定になります。」との言葉。
女房殿に「オマエさん、お昼どうする?」と聞けば、「お父さんがやっている間に食べるよ。」との事。
「お父さん?私はあなたのお父さんじゃありませんよ」
「イカスミのパスタ。」
と静岡人でないとわからないギャグを飛ばすNジャンさんは、女房殿相手に思いっきりスベってる。
「Nジャンさん、お時間です。」
女房殿と看護婦さんと一緒に業務用エレベーターの乗るオイラ。
点滴入れっぱなし。
手術室ゾーンへ。
女房殿とはココで一旦お別れ。
緊張感がピークのオイラ。
逃げてぇ…
逃げてぇ…
手術室は温度設定が低かった。
寒いくらいに。
怖い…
怖い…
「Nジャンさんこちらです。」
いよいよ自分との戦いが始まった。
~ つづく ~
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ドキュメント Nジャン | 日記
Posted at
2018/09/24 14:06:34