※タイトル画像はイメージ(https://publicdomainq.net/operating-theater-hospital-0002901/)で実際とは異なります。
~Nジャンさんの長い日 中編~
「担当の〇〇です。」
「助手の▽▽です。」
「助手の◇◇です。」
「お願いします。」
「こちらで仰向けになって寝てください。服を全部脱ぎます。」
担当者サンと助手さんが談笑している。
オイラの緊張感を解すためだろうか?
それともルーズなだけなのか?
どうあれ緊張で会話の内容はオイラの耳に入ってこない。
先生が登場。
「宜しくお願いいたします。」
女性二人、男性二人の合計4人だ。
「Nジャンさん、麻酔(下半身)を打ちますので横になってください。」
腰に注射が入る。
痛い…
「これが聴いていた痛みなのか。」
「もう一回入りますよ。」
思いっきり押されるような強い痛み。
「はい。上を向いてください。」
「Nジャンさん、これ冷たいのわかります?」
鉄のブロック状みたいなモノを手に当てる。
「はい。わかります。」
「これ足に当ててますが、わかります?」
「わかりません。」
「これ腹部に当ててますがわかります?」
「わかりません。」
「これ、胸部に当ててますがわかります?」
「わかりません。」
「首はどうですか?」
「はい、冷たいです。」
「麻酔は上半身方向にも行っているようですね。」
「Nジャンさん、足の指、動かしてください。」
「動きません」
「Nジャンさん、足首、動かしてください。」
「動きません」
「Nジャンさん、排泄の方なんですけれど、管でするタイプと容器でするタイプがありますが、どちらが宜しいでしょうかね?」
「皆さんどうなされます?」
「管の方が楽だという方が多いですね。」
「じゃ、そうしてください。」
「それでは管が入ります。恥ずかしいでしょうけれど、下を脱がせますね。」
げ!マジか!
助手のお姉さんち、結構若いぞ(汗
羞恥心を捨てるしかないNジャンさん。
「くちょー!」
「管入りますね。麻酔は効いていますからね。」
しかし、気持ち悪すぎる…
うぇ~ん…!!!!
「入りましたよ。手術は30分くらいです。」
先生が口を開けた。
「それでは只今より、右膝膝半月板損傷による半月板切除術を行います。」
↑うろ覚えです(さすがにオイラは緊張していてあまり耳に入ってきませんでした)
助手の皆さんが「はい。」と一致。
「Nジャンさん、足に針が入っていますがわかりますか?」
「わかりません」
・・・・・・・。
電子音だけがピッピッピッとだけ響いていた。
「患者さんにモニター見せて」
先生が説明。
「コレが半月板なんですが、かなり擦り減ってますね。」
そこには薄い綿の端がほつれているような半月板が。
「コレが軟骨なんですが、少し傷んでますね。わかります?」
「はい。」
「半月板切除でしばらく様子を見ますが、それでも痛みが発生するようでしたら、矯正を加えた手術を改めて行います。」
「はい。」
「Nジャンさん、もうすぐ終わりですからね。」
「はい。終わりました。」
服を着ますね。
ベッドを移します。
下半身にまったく感覚が無いオイラ。
全員総出での作業。
「はい。病室に行きますよ。」
ベッドごと移動するオイラ。
「TVドラマでよく見るアレか?」と思った。
「はい。ご家族の方です。」
思いっきりニヤッとしてやったオイラ。
強がりなのもミエミエなんだろうけれども。
病室へ戻って、看護婦さんが段取りをする。
「足は動きますか?」
「動きません」
そのあとは女房殿と二人きり。
少し会話をしたが、女房殿は「アタシ、これ以上いても何もできないよねぇ。」と言い出す。
「そうだな。子供達そろそろだろ?」
「うん。」
「お疲れ様」
女房殿は帰宅。
「下半身は誰のもの?状態」になっているが、上半身が動くようになっているオイラ。
i-phoneとイヤホンで音楽を聴こうとしていた。
看護婦さんが夜勤番の看護婦さんに交代。
前日もそうだったけれど、若い看護婦さんが担当についてくれる。
若いのはいいけれど、少々ぎこちないのは仕方ないネ…。
相変わらず部屋の外が騒がしい。
「またトイレ?何回行けばいいの?」
「仕方ないだろ。行きたくなるンだよ。」
「出てないじゃない。」
ダメだこりゃ…
~つづく~
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ドキュメント Nジャン | 日記
Posted at
2018/09/24 15:42:00