ひとかけらの思い　～前編～

子供の頃、音楽教室に通っていました。
病弱だったから親が「何か取り柄でも与えないと」という理由で始めた「音楽教室」。
ボクは運動がダメだったんです・・・・
幼稚園の時からみんなとサッカーをやると超下手で仲間はずれも多々あったんです。
それもそのはず、ボクの故郷は静岡の藤枝。
殆どの人は子供の頃からサッカーで遊んでいました。

やがて中学になると自分の可能性を知りたくなってくるんです。
「音楽で自分がどれだけ通用するか・・・」
まぁ、音楽というより自分の力を試してみたかったんです。

高校に入るとバンドの日々。
ライブハウス通いもアタリマエでした。
ただ・・・・メンバーとの考えの違いに気付き辞めてしまいました。

音楽で自分を・・・
単独でライブもやりました。
他のバンドでもライブをやりました。

何も変わりません。

友人の結婚式に招待されました。演奏させてもらいました。
イイ笑い者でした。

現実を知ります。
自分の思いは結局何も実らずこのまま消えて行くものだと思っていました。
「自分の力」・・・・。
そんなモンただの妄想だった気がしたんです。

世間ではＪリーグが開幕し話題を呼びます。
日本もワールドカップに盛り上がりを見せます。
アツく応援してるサポーターの気持ちはわかるんです。
家が藤枝東高の近くでもありましたから応援という気持ちがまだ生きていたんですよ。

そんな中、クルマ（日産車）が幼い頃から好きだったってのもあってサーキットに足を運ぶようになるんです。
そこで見つけたのはファンクラブＣＬＵＢ　ＬＥ　ＭＡＮＳ（現在のＣＬＵＢ　ＮＩＳＭＯ）募集のチラ紙。
ルマン観戦。日産応援団（当時　ルマンのみ）の記事。
ボクには縁なんて無いと思っていました。

やがてルマンに行くチャンスがありました。
新婚旅行です。
日産応援団に出会います。

「応援団の一員」になれた気がしました。
旗を振る自分が信じられなく、最高に幸せになれた瞬間です。

やがて自分に疑問を感じます。
もしかして「ただ旗を振ってるだけ」じゃないのか？

そう、自分を試したくなって積極的にアピールしました。
でも空回りばっかり。要するに下手だったんです。
時には人を傷つける発言もしました。
自分しか見えていなかったんです。

※画像提供：フォトヤマさん