
世間は文化の日ということで、たまにはそういう感じのことも書かなきゃ・・・ということで、埼玉県立近代美術館で開催中の「
アンドリュー・ワイエス展--オルソンハウスの物語--」について。
でも、今日行った訳ではなく、もうひと月近く前の10/10・・・体育の日に文化の日向け企画ってのがどうなのか?ですが(笑)
アンドリュー・ワイエスと聞いてピンと来る方は少ないと思いますが、アメリカの近代絵画の中では有名な画家です。油彩ではなくテンペラという技法や水彩で、アメリカの農村でのなんでもないような風景を描き続け、2009年に亡くなりました。今回の展示はワイエスの完成した作品ではなく、大量のスケッチや習作のコレクションでした。
私がワイエスを知ったのは美術の教科書の中(笑) 二枚のドアが描かれた絵のタイトルはナゼか「アルヴァロとクリスティーナ」という二人の人名・・・静謐といっていい日常の風景、人物は描かれていないのに、(あるいはそのドアのすぐ後ろに人がいるのか?)人間の気配が感じられる、という絵でした。それ以来、私の好きな画家です。
人物を直接描かず、農具やドア、窓といったものに人間(やその生活)の気配を込める、というのは具象的な表現を借りた抽象画という感じがします。 もちろん人物をモチーフとした絵も沢山あるのですが、そちらは逆に人物に生命感が希薄で、それよりもむしろ物語性を感じます・・・物語るために配置された静物、といったら言い過ぎかも知れませんが・・・。
ワイエスが描くブリキのバケツが大好きです(笑)
今回の企画展では、質感を極めるがごとく何枚も描かれた習作(鉛筆、コンテ、水彩etc)を見ることが出来たのですが、どれもただの静物画には見えません。深い精神性を感じてしまいます。
会期は12月までです。基本的にスケッチブックになぐり描きされたような習作が多いので、一度完成した絵を予習をしてから見ると面白いかも知れません。
とても詳しくワイエスを論じた記事があったのでご興味のある方は
こちらをどうぞ。代表作も見られます。
本日のキーワード・・・「深い精神性を感じる」
絵画や音楽などに感想を求められた時こう言いさえすれば全てOK(笑)
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Posted at
2010/11/03 21:44:02