これぞジョンブル魂!
というイメージの機体、英軍雷撃機フェアリー「ソードフィッシュ」がロールアウトしました。見て頂ければ一目瞭然、古式ゆかしい外見のこの機体は開発が意外に遅く、1934年に初飛行を行いました。もう一線の軍用機は全金属製、単葉低翼という時代に入っていたのに、何とも大らかというか、頑固というか・・・しかし結局大戦の終わりまで一線で活躍したと言うから驚きですね。(
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もちろん古臭い機体といっても、制約の多い・・・離着陸速度に制限がある空母からの運用を第一にしたための選択だったのですが、複葉、帆布張り、3座で重い魚雷を抱える機体を、750馬力程度の単発エンジンで引っ張るため、最高速度は220km位で、操縦席も風防も全くない剥き出し状態・・・これで敵の戦闘機をかいくぐり、巨大な戦艦に肉薄するわけですから、その勇気は称賛に値します。
しかも、勇気だけでなく実戦での実績も多く、大戦のターニングポイントでは偉大な働きをしました。有名なイタリアの
タラント湾への夜間奇襲攻撃では、空母から発進した20機のソードフィッシュは、停泊中のイタリア海軍の戦艦1隻撃沈、2隻を大破後着底させる、という大きな戦果を上げました。(これが後の日本海軍の真珠湾攻撃の原典になったようです。)
また後には、独本国からフランスへ回航する戦艦
ビスマルクに対して雷撃を行い、その舵に損傷を与えました。結局これによって航行不能になったビスマルクは英国艦隊戦艦群に捕捉され、圧倒的な砲撃によって沈められることになりました。
しかし、こういった活躍の後に、独艦(シャンホルスト、グナイゼナウ、プリンツオイゲン)が独空軍の上空援護の下、意表をついて白昼
ドーバー海峡を突破した時には、ソードフィッシュは本国基地からたった8機で急遽発進しましたが、結果は全滅という悲劇的なものとなりました。さすがに敵戦闘機のいる空域では生き残ることが出来なかった、という事です。
後に空母艦載機としては退き、大戦の後半には翼下にロケット弾を8発ぶら下げて、対潜哨戒任務に活躍したそうです。最終的な生産数は約2400機、実戦配備から全ての機体が引き上げたのが1945年の5月・・・つまりヨーロッパでの戦いが終わるまで現役だった、と言うことです。
ソードフィッシュはその性能にも関わらず、
イギリスを代表する
まぎれもない名機と言えます。
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Posted at
2007/03/31 14:06:47