今回はイギリスから、ライトウェイトスポーツの至宝をご紹介、以前ご紹介した車の拡大版であります。
【Ginetta G12】
「ジネッタ G12」です。
以前紹介した

こちらのジネッタG4、これをベースにエンジンの配置変更や出力を向上させた車が存在します。

それがこちらのジネッタG12です。1966年に生産されました。
スペック
水冷直列4気筒DOHC8バルブ、排気量1594cc、最高出力158馬力です。

まずはエンジン、DOHC直列4気筒をミッドシップ配置で搭載、これがG4との最大の違いです。

こちらはジネッタG4、エンジンはフロント側に搭載されたFRレイアウト、これをミッドシップ配置に変更したのがG12です。まあ、G4も見ての通りフロントの車軸よりエンジンが後方にある、いわゆるフロントミッドシップレイアウトなんですが。

フロント足回り、鋼管パイプAアーム、ダブルウィッシュボーンサスペンション、ブレーキはディスクブレーキを装備。

リヤ足回り、こちらも鋼管パイプアーム、ダブルウィッシュボーンサスペンションを装備、ブレーキはディスク式です、ほぼフォーミュラーカーですね。

鋼管パイプを溶接したフレーム、これに被せる外装はFRP製です。

フロントセクションは前側へ開く方式

リヤセクションは後方上へ開く方式です。

インパネ、かなりシンプル、センターの大きいメーターがタコメーター、左がスピード、右が水温など。

イギリス車ですから右ハンドルが正解ですよ。トランスミッションは5MTでノンシンクロのドグミッション、ギアボックスは後輪側にあるトランスアクスル式を採用しています。

シートはバケットシート、前後に若干動く程度でリクライニングなどはありません。

ハンドルの右下に見えるのがシフトノブ、右側にあるんです。見ての通り前後にしか動かないんです、ドグミッション方式なので。発進時はクラッチを踏み1速へ、後はクラッチ不要でレバーの前後でギアチェンジが出来ます。

フロント側、基本的にはジネッタG4とスタイルは変わらないです。この車両は前輪のオーバーフェンダーから前方に繋がる部分がカナード状になっています。そうなっていない車両も存在しますけど。

サイド~リヤビュー、抑揚の大きなサイドラインが美しい、ミッドシップ化でリヤウインドーが垂直なガラスへ、エンジンフードが後方まで伸びて後ろは切り落とされたようなコーダトロンカなスタイルです。リヤセクションはG4から大きく変化しております。

こちらは元になったジネッタG4(クーペ)のリヤ側、見ての通りリヤセクションは全く違いますね。
ところで、ここまでG12を見て気づきませんか?、申し訳程度の保安灯火類はあるけど、これ本当に公道走れるのか?と、G12は本来はG4をベースにミッドシップに改造したサーキット専用車なんです。なのでこのいわゆるオリジナルG12と呼ばれている車両はかなり生産台数が少ないんです、28台~40数台と諸説アリでして。なんだよ公道走れないのかよとお思いかと、大丈夫です。

ちゃんと公道を走れるG12も存在します。いわゆるレプリカになるんですが、レプリカと言ってもジネッタカーズの手により1968年から製作当時の型を使い月1台のペースで少数が再生産された物もあるようですし、同じ治具を使ってDARE社によって公道走行が可能なように改良したG12が生産されております。現在公道を走っているG12のほとんどはこのDARE社製作の物だそうです。製作環境的にほぼ本物と言っても過言では無いと思われます、むしろ公道を走らせるならこちらが最適解かと。1990年~2000年代に生産されたとか。

なのでこのレプリカは搭載されているエンジンが車両ごとにマチマチで、こちらはいわゆるロータスツインカム1.6リッター直列4気筒エンジンを搭載したもの。

255馬力の2.3リッターDOHC直列4気筒フォード製のDURTEC(デュラテック)エンジンを搭載した最強モデル。ちなみにこのエンジンのベースは当時FORDが提携していたマツダのMZRエンジンですよ、ケーターハムスーパーセブンなどにも搭載されていました。チューニングを手掛けたのはあのコスワースだそうです。

2リッター190馬力のコスワースエンジンなんてのも存在します。つまりDARE社製は車両によって搭載エンジンにバラつきがあるそうです。

レプリカのインパネ回り、オリジナルに比べるとだいぶ常識的な物になっております、このメーター配置などもオーダーの違いでバラつきがあるとか。

シート類、2座のバケットシートは変化無し、しかしその素材などはバラつくそうです。
足回りなどはオリジナルとほぼ同じ、装着されているサスペンション類はまた車両により色々、クァンタム製のサスが入っていたりもします。

ボディサイズはレプリカはオリジナルよりやや小さくなっているそうで、灯火類も増設されているようです。

さて、その走りは?オリジナルで車重は乾燥で600kgを切っており、そこにミッドシップ搭載の165馬力、はい、遅いわけが無いってヤツですね、というかオリジナルはG4を改造したほぼレーシングカーですからね、足回りはフォーミュラーカー並みですし、コーナリングはまさにヒラヒラと舞うように走れるとか。レプリカ系はその素性を引き継ぎつつ、エンジンによっては190馬力とか255馬力とか・・・こうなると加速だけでも怖いのレベルだそうです、一般道路ではとてもアクセルを踏みこめないとか。尚、ノンシンクロのドグミッションは1速に入れて発進するのも一苦労だそうで、慣れていないと50%の確率で1速に入れられないそうです。1速に入れるとバイク(バイクは基本的にドグミッション)のようにガチャンと音と衝撃が来るとか、やはり本来は街中ではなくサーキットを走るための車なのですね。こういう販売形態の車でしたから、いつ頃まで生産販売されていたかは解らず、現在は新規の生産は無いそうです。なので中古を探すことになります。
さて、探すためにその中古市場
流通しているのはDARE物と呼ばれるレプリカ車両、そりゃオリジナルは基本的に公道走行不可ですからね。お値段は搭載エンジンや程度により1100万円あたりからが相場だとか、やはりデュラテック搭載の究極モデルが人気で次点でコスワース製エンジン車両だとか、しかしミッションに慣れないと・・・大変な事になりますよと、下手をしたら壊してしまいますとのこと。かなり気難しそうな車です。

本来はライトウェイトスポーツであるジネッタG4をベースに、ミッドシップ化などを施したコンペティション(競技用)モデル、サーキットを走るために生まれた純粋なレーシングカー、それを元にしたレプリカは公道走行も前提にしつつその純粋さも継承、エンジンについては大幅な排気量アップやパワーアップを果たしオリジナルよりさらにスリリングな車に、しかし、そのトランスミッションなどから気難しさもあり、まさに乗り手を選ぶ車それがジネッタG12です。
所有するなら?現実的なDARE物になるでしょうね、実際入手するならそちらになるでしょうから、出来たらコスワースエンジンのが良いな、まあ、お高くて無理でしょうし保管環境を整えるのも大変でしょうから。イジる・・・せいぜいホイールを鍛造軽量ホイールかマグネシウムホイールにするぐらいかと、というかイジります?コレを?ご冗談をw、ホイールとボディを自分好みのカラーにするぐらいかなと。

こういうブルーに白のセンターストライプでACコブラ風なカラーにしたいかな。お尻の感じがコブラのデイトナクーペに似ているし。

こちらがコブラのデイトナクーペ、特にお尻回りの雰囲気が似ているかなと、このカラーにしたいです。

これなんかはいわゆるガルフ(アメリカのオイルメーカー)カラーになったG12、個人的には吸気口回りの丸い部分は嫌かな、ボンネットからまっすぐオレンジのストライプを前まで伸ばしたいですね。

元ネタはこちらのフォードGT40、やはりガルフカラーが似合う車ですね。所有は無理ですが、まずは一度じっくり間近で見てみたい、可能なら運転席に座ってエンジンを始動させてみたい車です。出来れば走るG12の助手席に乗ってみたいなぁ。運転?多分まず1速入力でトランスミッションを壊しそうだからやめときますw。
余談、DAREって何?
書いてて疑問に思ったので、まず会社名の正しい読み方はDARE(デア)社です。イギリスの会社でDAREとは「Design(デザイン)・And(アンド)・Research(リサーチ)・Engineering(エンジニアリング)」の文字からだそうです。かつてジネッタ・カーズを立ち上げたウォークレット兄弟が1989年にジネッタ・カーズから離れて90年代に新たに立ち上げた会社で、古いジネッタのG4やG12などの治具をジネッタカーズから受け取り、それを使ってある程度整備性などを現代に適合させつつ再生産をする会社だったそうです。そう、元ジネッタ・カーズの創業者兄弟が新たに造った企業・・・そりゃなんぼレプリカとはいえ創業者兄弟が関わっているのなら「ほぼ本物」ですわな。
ちなみに、ジネッタ・カーズは現在も健在な会社ですよ。

コンペティション(競技用車)であるG55や

G55のロードゴーイングバージョンであるG56GTRなどを造っています。

こちらの比較的に小型なG60なども、エンジンはフォードの3.8リッターV6ですが、これは生産終了していますけど。