今回は、久しぶりにメリケン車で行きますか。
VWのニュービートルに刺激され、クライスラーが放ったネオクラシカルな車です。
【Chrysler PT Cruiser】
「クライスラー PTクルーザー」です。
まず、1998年に。
VWがニュービートルを発表、発売を開始すると人気となり、世界中でバックオーダーを抱えるほどに・・・私も納車までに5ヵ月以上待ちました(元愛車ですので)。
そして2000年に
クライスラーはPTクルーザーを発表、はい、そのスタイルからも非常~にニュービートルを意識していた事が伺えますね。
スペック
水冷並列4気筒DOHC16バルブ、排気量1996cc、最高出力141馬力です。
ちなみにこれは日本国内向け(右ハンドルのみです)の2リッターエンジンのスペックで、本国アメリカでは2.4リッターエンジンや、仕様地により1.6リッター、2.2リッターディーゼルなどの設定もありました。
さて、この車、ニュービートルみたいにお手本は無かったのか?。
実はあるんです。
こちらのクライスラー エアフローという車がスタイルのお手本になっています。1934年の発売で、その当時としては革命的な流線型のフォルムでしたが、先鋭的過ぎたのかそのスタイルは賛否両論で「アメリカ人から心底毛嫌いされている」とまで言われる悪評価もされてしまいました。
当時の不景気もあり、市場では全く評価されず1937年を最後に生産中止となりました。そう、お手本の車はたった3年間の販売という「不人気車」だったのです。
何で不人気車をデザインの下敷きにしたのやら?、まあ、当時としては流麗かつ先進的な車だったから?正直謎です。
このデザインをベースに現代的にリファインしたボディを
当時、日本車キラーとも呼ばれたクライスラーネオンのプラットフォームに載せたのがPTクルーザーなのです。
ちなみにPTって何の略?、それはPersonal Transportation(パーソナル トランスポーテーション)の略です。そもそもベースのネオンのプラットフォームをPTプラットフォームと社内呼称していたそうですが。
こうやって見ると、たしかにエアフローのデザインを上手く落としこんでいるのがわかります。
運転席、ベースのクライスラーネオンがコストカットの塊だったこともあり、かなりプラスチック感の塊感が凄いw、まあ、ニュービートルの内装もこんなもんでしたけどね、再生プラスチック剥き出しの車内で価格のわりには軽自動車かな?というレベルで正直安っぽかったですから、PTも大差はない感じの造りです。細めのハンドルがちょっとクラシカルですね。
PTクルーザーにはニュービートルには無い強みがあります。それはこの通りのラゲッジルームの広さ、リヤシートを倒すとフラットかつかなりの広さになります。ニュービートルは正直ラゲッジは狭かったので、これがPTクルーザーの強みです。
2004年に
日本国内も2.4リッターエンジンに、更に画像の2.4リッターターボの「GT」が追加、ターボは235馬力にパワーアップしております。ニュービートルも一時期1.8リッターターボがあったので、その対抗としての導入だったそうです。
GTには60台限定でストリートスタイルも販売されました。
ちなみに、2.4リッターはメキシコ生産で、2リッターについては何故かオーストリア(カンガルーは居ません!)での生産だったそうですね、何でオーストリア?(だからカンガルーは居ない)。
そして、ニュービートルにはカブリオレがありましたよね。
PTクルーザーにもカブリオレが追加されました。徹底的にニュービートルをマークしていたのがわかりますね。
尚、ターボのGTは2年ほどで日本でのラインナップからは消えています。結構希少な車ですよ。
後は特別仕様、限定仕様などを造り続けて2010年、ファイナルエディションを販売して生産終了、ニュービートルと同じ年に生産を終えたのも何かの縁だったのかも。
ニュービートルはその後ザ ビートルとして後継車が出ましたが、PTクルーザーはこの一代限りで後継車はありません。
さて、中古市場
約10年間のモデルスパンでしたから、それなりにタマ数はあるほうで、初期2リッターで45万円あたりからあります(勿論過走行)。上はGTなどで80~100万円あたりが相場です。役物のストリートスタイルでも120万円あたり、価格としてはお買得かと。
ただ、結構沢山の爆弾もかかえている車でして・・・。
まあ、外車のお約束とも言える電装系の弱さはPTも色々と報告されています。私のニュービートルも空燃比センサーがディーラーでの車検から上がったその日に壊れたりw、走り出してしばらくしたら黒煙吹きましたよw、しかもこれ2回壊れましたww。
PTはヘッドライトの球交換はフロントのフェンダー部を外さなければならないとか・・・整備性もよろしくなくってよだそうです。しかも全灯火類の球切れ多め、バッテリーの消費も依存状態で劣化が早いとか。
あと、エンジンからのオイル滲みなども多めだという報告、酷いのは滲みを通り越して「漏れ」のレベルなんだそうで・・・。
カ(ピー)サキか・・・w
それと、最小回転半径ですが、6.1mだそうですw。比較的に小型車の範疇に入る車なのにハンドルが切れない、そもそも切れ角が浅いんだそうで日本の狭い駐車場では苦行を強いられるとか、まあ、開発がだだっ広いメリケンですし・・・。
そのライバルはVWニュービートル、何故過去の不人気車のデザインを流用したのかは不明ですが、個性という面では唯一無二、正直信頼性には難があり、整備費はかかりますがそれを忘れさせる個性を持つ車、それがクライスラー PTクルーザーです。
所有するなら?、やはりNAなら2.4リッターですね、トルク感が2リッターとは別物だそうですから。正直車重はある車ですし(1500kg級)、2リッターはかなりモッサリだそうですから。
販売開始から6年以上経過した車両は比較的に故障も少ない(無いわけではないが)そうですよ。初期型で使いにくいと酷評されたハザードスイッチの位置も改善されていますし。
ターボ付きのGTなら尚良しですね。
イジりはまずローダウン、そしてホイールは
やっぱクラシカルなアメ車ならコレだろ!の「クレーガー S/S クローム」!、インチは15インチあたりで幅は8Jあたりからで可能な限り広くギリギリを攻める。
クレーガーにはホワイトリボンタイヤがお約束ですよ、よって引っ張りタイヤは無し!、それかファイヤストンあたりのホワイトレタータイヤも良いかと、あえてNITTO(TOYOの北米向けブランド)タイヤをホワイトレターでという手もアリかも。
これでフレアパターンは無しの黒単色で、車高はもう少し上げてホイールのインチは下げて15インチぐらいで、タイヤの高さを上げてクラシカル感を強めたいです。
こちらの方が理想に近いかも、まだホイールのインチが大きい感じなのでもう少し小さなインチのクレーガーにしたいな。
内装はMooneye'sの製品で固める、マットとか色々とやっぱアメ車はこれでしょ。
アメリカ本国には、こんなやり過ぎレベルも居るみたいですがw、まあビートルにもリフトアップしたオフロード仕様のバハバグがありますけどね。
何故PTを取り上げたのか?、実は最近職場にフルノーマルの1台が入って来たんです、誰が購入したのやら?。
ていうか、冬は大丈夫かよと思いますがね、こちらは札幌あたりより雪は少なめですが底冷えが酷い地域なので、朝方はマイナス20度越えも普通ですから。