さて、今回は久しぶりの痛車もといイタ車行きますよ。
アバルトの蠍の毒を注入されたホットなハッチバックです。
【FIAT RITMO ABARTH125(130)TC】
「フィアット リトモ アバルト125(130)TC」です。
あれ?皆様の頭の上で?が回転していますかね、確かに少しマイナー寄りなホットハッチなんですけど。
時は1978年、フィアット128の後継として
リトモは生を受けました。
いわゆる2BOXレイアウトのFFハッチバック、仮想敵は勿論VWゴルフです。尚、リトモとは英語でいう所のリズムを意味します、その名のとおりリズミカルにキビキビ走る車です。
そのすぐ後に、このリトモをベースとして
リトモグループ2というラリーカーをアバルトが製作・・・したんですが。伝統のアリタリア航空カラーが素敵やん!。
この頃フィアットにはフィアット アバルト131ラリー(紹介済)があり、アバルトとしてもこちらに注力していてリトモグループ2には正直力を入れる余裕はありませんでした。
しかし、ゴルフには「GTI」があったわけで・・・フィアットとしても対抗できるスポーティーなリトモが欲しかったのです。
フィアット「ああ、そういえばリトモでラリーカーを造ってたよね蠍(アバルト)さん、それを流用して「リトモGTI」を造ってちょーよ」
というわけでリトモアバルトを製作したわけです。
そしてホットモデルとして
1981年にリトモアバルト125TCが誕生しました。TCって何?ですと?、正確には「ツーリング・コンペティション」(イタ車文法だとツーリズモ・コンペティツィオーネ)とのことですが、一応ツインカムにも掛けてはあるみたいです、VWゴルフGTIの対抗馬ですからそれに近いサブネームを付けたそうです。
尚、イタ車文法はややこしいですけど変わったのが多くて例えば上記のコンペティツィオーネだのクアドリフォリオ(アルファロメオ用語)だのヴェローチェだの・・・意味は調べよう!(丸投げw)。
スペックゥ~!
水冷直列4気筒DOHC、排気量1995cc
、最高出力125馬力です。名前の125の数字はこの125馬力から来ています。
尚、ゴルフGTIが1600ccのSOHCでインジェクションだったのに対し、リトモアバルトは2リッターDOHCのシングルキャブ、一見可愛げな外観ですが、シングルキャブの気難しい車です。悪く言えば前時代的な古臭さもある車。
125馬力と非力な感じがするかもですが車重は980kgと1トン切っています。
ただし、快適装備?それ必要ですか?と言わんばかりでお・も・て・な・し、おもてなし!なんて物を期待してはいけません、むしろお・も・て・で・ろ、表出ろ!とドライバーに喧嘩を売ってくる車です、パワー(が必要な)ステアリングでかなりの重ステ、燃料供給がキャブですから始動にも色々と「儀式」が必要となります。
一筋縄では行かないピリッと辛いハッチバック、しかしそのサウンドは正に快音(爆音かもw)、アバルトのNAチューンド独特の天井知らずに回るエンジンと相まって気分はアゲアゲで高鳴る車、全ての操作系は重いそうですが。
運転席、このシンプルな漢(おとこ)の仕事場な感じがたまらない、シートは意外と座り心地は良いそうです。
リヤビュー、リヤスポイラーはリヤウインドーの下縁部に付きます、効くんですかねこれ。
そして1984年、更なるパワーアップを目指してマイナーチェンジ。
フィアット リトモ アバルト130TCにチェンジ、外観はライトが丸目4灯になりました。
エンジンはシングルキャブからツインキャブに変更、ここでスペック!
水冷直列4気筒DOHC、排気量1995cc
最高出力130馬力(132馬力とも)です、数字は125と同じく130馬力からですよ。
マイナーチェンジと書きましたが、内容的には実質フルモデルチェンジに近い内容です。
若干5馬力のパワーアップですが、更に30kgの軽量化で950kgになり結果にコミットして、じゃじゃ馬度はマシマシになっていて一筋縄では行かない度も向上しています、この変態さんめ!w。
キャブ車は調整も必要ですし、数が増えるほどその調整は難しくなりますからね。
しかし、それを補って余りあるパワー感、更に快音もマシマシでとても楽しい車だそうです、ただし、始動の気難しさと操作系の重さも更に増しているそうですが。
グループAで主にプライベーター達の手によりラリーにも参戦しています。
運転席、更にシンプル感が増した感じ、そしてやはり全ての操作系は重いそうです。古いイタ車はこの系統が多いですけどね。
130のリヤビュー、テールランプの形状変更、リヤスポイラーの大型化・・・位置は意地でもそこなんですねw、だから効くのそれ?。
リトモは1988年までの生産で、約10年造り続けられました。
さて、中古市場。
125TCは走行8万キロほどで応談(ASK)、130TCは130万円あたりからあるみたいです、ただし、イタリア本国でもリトモ自体が絶滅危惧種になりつつありますから、これからジワジワと値上がりすると思われます、また、このあたりのイタ車ですから「当然」壊れます、まずは主治医探しから始めた方が賢明です。
130はまだ比較的に部品はあるそうですが、125は欠品が目立ち始めたそうです、嫌いでなければ130TCをオススメします。
最初はラリーカーとして生を受け、その後はストリートスポーツハッチになりゴルフGTIの対抗馬として路上で、そしてラリーフィールドで戦い続けた車、その走りは胸の高鳴りとともに・・・味付けが濃すぎて胸焼けするぐらい過激w、それがフィアット リトモ アバルト125(130)TCです。
乗るならマフラーと車高調ぐらいかな、個人的には130TCでリヤシート撤去バッテリー移設で(ドライバッテリーで軽量化も)乗りたいですね、ライトポッド装着のラリーカー風にしてホイールはO.Zラリーで、シートはやはりスパルコのフルバケでしょうこれしかない!。