今回はトヨタから、WRCでも(一応)活躍したあの車を、歴代で言えば6代目になります。
【TOYOTA CELICA】
「トヨタ セリカ(6代目)」です。
いわゆるT200系セリカになります。
1993年

T180系からバトンタッチして、T200系がデビューしました。ちなみにこの200系は当時のカリーナ【ED】(今ならアウトな車名だなw)やコロナEXiV(エクシヴ)などと基本コンポーネントが共通で3ナンバーにボディが拡大しております。まあ、先代180系もGT-FOURは3ナンバーでしたけどね。
スペック
水冷並列4気筒DOHC16バルブ、排気量1998cc、最高出力140馬力です。
これはベースグレードであるハイメカツインカムのSS-1のもので、上級グレードのスポーツツインカムのSS-2ではガソリンがハイオク指定で180馬力になります。

エンジン、当時のいわゆるハイメカツインカムというヤツです。SS-1ではレギュラーガソリン仕様の140馬力、SS-2ではハイオク仕様となり180馬力を発揮します。トランスミッションは5MTと4ATとなります。後に1997年のマイナーチェンジでVVT-i(トヨタの可変バルブシステムですね)を搭載してSS-2やマイナーチェンジと同時に新設されたグレードSS-3で200馬力にまで向上します。駆動方式はFFです。

フロント側、マクファーソンストラットの足回り、ブレーキはディスクブレーキを装備

リヤ側、こちらもストラット式の足回り、ブレーキについてはSS-1については初期はドラムブレーキもありましたが後にディスクに、SS-2や3はディスクブレーキを装備しています。

フロント~サイド、T180系までのリトラクタブルライトを廃して、丸目の固定式の4灯ヘッドライトへ変更、T160系からのいわゆる流面形が更に進化したようなスタイルです。ボディサイズの3ナンバー化でグラマラスさが更に表現されています。

サイド~リヤ、流麗なクーペスタイル、特に後方は更にグラマラスな感じですね。

ダッシュボード周り、ハンドルは3本スポークタイプ、結構長めのサイドブレーキバー、この辺はラリーでの使用を考慮したのやら?、各スイッチ類はかなり小さめでスッキリ、ドライバーを囲むような配置が実にスポーティーです。

フロント側内装、結構サイドサポートが張り出したセミバケットタイプのシート、ホールド性は良さげですね。

リヤ側内装、一応大人2人が座れるシート、まあ、ヘッドクリアランスは厳しい感じですが、エマージェンシー的な使用が主でしょうかね。あくまで2by2的な感じです。
さて、ここからはお待ちかねの

GT-FOUR(ST205)に行きますか、1994年に追加されました。
スペック
水冷並列4気筒DOHC16バルブインタークーラーターボ、排気量1998cc、最高出力255馬力です。

エンジンは3SGTE、ターボとインタークーラー装着で255馬力の高出力です。駆動方式はAWDでトランスミッションは5MTのみの潔さ。

フロント足回り、基本的にはマクファーソンストラット式ですが、それをベースにトヨタ独自のスーパーストラットを装備

フロント側透視図、トヨタが開発したスーパーストラットとは、ストラット式を基本としながら、ダブルウイッシュボーンの利点を兼ね備えるため、キャンバーコントロールアームという部品をロアアームの中間あたりに取り付けたもの。アームの反対側は、ストラット側に取り付けられています。このキャンバーコントロールアームがあることにより、サスペンションが上下に動いたとき、ロアアームの動きをそのまま車軸(ハブ)に伝えるのではなく、タイヤが傾こうとする動きを制約する働きをします。これにより、車体が傾いた際にもタイヤの角度が変化しにくくなり、路面に対しタイヤが垂直に立つ状態をできるだけ保つように動くというもの。サスペンションの動きに制約を与えることで、より思惑どおりタイヤの傾きを制御する考えは、ダブルウイッシュボーンにもうひとつアームを加えるマルチリンク式にも通じる。つまり平たく言えば、マルチリンク式ダブルウィッシュボーンの働きを持ったマクファーソンストラットという感じですね。生産性に優れコーナリング性能は向上しますが、欠点は重量増と整備の複雑化、WRCではコレが足を引っ張る結果に・・・。

リヤ足回り、ストラット式の独立懸架を採用、こちらも形状的にはダブルウィッシュボーンに近いそうです。ブレーキは前後共にディスクブレーキを装備しています。

ダッシュボード回り、形状的にはSS系との差はほとんどありません、ハンドルのセンターパッドに若干の違いがあります。やはりサイドブレーキのレバーが長い、この辺はラリーでの使用を考慮した物ですかね。

フロント側シート、これも通常型との差異は少ないです、若干サイドサポートが大きくなったぐらいですかね。まあ、競技で使うなら交換前提でしょうけど。

リヤシート側、これも通常型と変わらない感じです。

フロント~サイド、フロント正面に冷却のための大型グリルを装着、ボンネット上にインタークーラーの冷却口やそのとなりに小さなダクトがあります。

ボンネット上のダクト類、中央がインタークーラーダクト、その隣にある小さな丸い穴のダクト、これは何のためにあるのかと言いますと、この穴はタイミングベルトに空気を取り入れて冷却しています、つまりタイミングベルトクーラーなんです。

このダクトは先代のST185のGT-FOURのホモロゲモデルである、RCにも良く見るとついていたんですよ。実際は冷えるけど特にWRCでは、エンジンルームへの異物侵入の原因にもなったそうで、それでセリカ以降には採用されなくなったそうですが。

サイド~リヤ、リヤには大型のウイングが標準で装着されています。

尚、GT-FOURは2500台限定のWRC仕様も販売されたとか、ラジエーターやインタークーラーに冷却水を噴射出来るようにしてあり、ミスファイヤリングシステムや更に大型のリヤウイングが装着されていたそうです。

外観はこんな感じ・・・らしい?、コレという画像が出てこな~い。


ちなみにこのT200系にもコンバーチブルの設定がありました。SS-2がベースで電動のソフトトップを装備しております、まだ見たことが無いな。

さて、その走りは・・・それはWRCで語った方が早いので。

1994年シーズンの途中から参戦し、前半戦をST185型セリカ GT-Fourで戦ったこともあり、185は1993年に続いて2年連続2冠制覇を達成したが、1995年になってもなかなか成績が上がらなかったのです。熟成が進まなかった原因はまず重量増、ボディが3ナンバー化されて肥大化したことで旋回性がイマイチ、そして鳴り物入りのスーパーストラットは確かに曲がるんですがそれもまた重量増を招いてしまったのです。乾燥重量で1380kgは確かに重いですからね。そしてスーパーストラットは構造が複雑化してしまい、ラリーでは肝心な整備性も悪かった、それでなかなかセッティングが出なかった事もあり先代のST185は連覇するほどに速かったのですが、ST205はなかなか勝てない車になってしまったのです。そして、あの不正行為が発覚して1年間の出場停止処分に、トヨタとしては更に1年休止して2年間出場を停止してしまいそのままST205 WRCカーはお蔵入りしてしまいました。そのトヨタがやらかした不正とは?、それは余談にて。ラリーでは無い公道上でも評価は重い、馬力のわりには加速がモッサリしてる、ボディが大き過ぎるなどの評価で、ランエボやインプの後塵を浴びることになりました。
そしてT200系セリカは1999年に生産を終了

7代目の最後のセリカにバトンタッチ、これもまたいずれご紹介します。
さて、中古市場
SS-1で130万円台から、SS-2や3の最終あたりで180~200万円あたり。コンバーチブルは160~200万円あたり、そしてGT-FOURは200万円オーバーから上は300万円行かないぐらい、やはりそれなりには高騰していますが、先代のT180系よりかは安めといった感じですね。180系のGT-FOURは300万円オーバー、役物のRCは400万円あたりですからね。

新世代のFFセリカとして、そしてT180系にかわる新たなラリーウェポンとして、T200系は開発されました。3ナンバークラスに拡大されたボディは安定性には寄与したのですが振り回しにくさもあり賛否両論、そしてGT-FOURには新たにスーパーストラットを装備して戦いましたが、WRCではそれが重量増となりまた整備性やセッティングが難しく勝てなくなってしまった。そこへトヨタの不正が発覚し出場停止処分に、WRCでは活躍できずに消えていった車、それがT200系セリカです。
所有するなら?やっぱりGT-FOURが良いですが、あえてSS-2や3でも良いかも、むしろ公道では軽いぶん走れるとか。GT-FOURならやはりWRC仕様に近づける感じですかね。

こんな感じで、リヤウイングはゲタ付きの高い物に、ホイールはやはりO.Zで、マフラーはシングルの太い物に、足回りも車高調を入れてしかしスーパーストラット用はかなり高額だとか。

中にはここまでやっている方々も居るそうですが、カラーやライトポッドまではやらないかな。外観はおとなしめでイジりたいです。
段々中古市場でも高騰しだしたT200系セリカ、今後も上がって行くでしょうから買うなら今かなと。
余談、結局トヨタはWRCで具体的にどんな不正をしたの?
グループB時代、馬力が最早人が扱えるレベルでは無くなり(500馬力以上とかザラ)、それで死亡事故が多発、なのでグループB無き後はラリーカーは馬力を抑える方向になりました。そこで、タービンへの空気吸入量を制限するリストリクターの装着が義務付けられたのです。1994年まではまだST185と共に走っていたので205はまだ熟成期間であり、成績は求められていませんでした。しかし、上記した通りスーパーストラットサスのセッティングに苦しみ、そして車幅の拡大やらそのストラットの装備による車体の重量増、整備性の悪化などでなかなかセッティングが決まらなかった。更にタービンにはかなりの開発費をかけていたそうで、規定通りのリストリクターの装着をすると所望のパワーが出ないし開発費が無駄になってしまうと、そこでトヨタ(というかラリーを主導していたTTE)がやった事は

中央から上はリーガル、つまり正しいリストリクターの装着状態及び形状、当然ですがリストリクター自体は一切動きません。中央から下がイリーガルつまりトヨタがやった違反行為、お分かりになりますか?、これリストリクターが負圧で動いちゃうんです。つまり車の検査時は一見普通のリストリクターなんですが、エンジンを始動してから走らせると、負圧でリストリクターが動いて吸気口の周囲に隙間が出来て、そこから更に空気を多く吸えちゃうんです。これによりリーガルなリストリクター装着時より20~30馬力ほど出力が上がったんだとか。1995年のラリー・カタルーニャでの車検で、セリカのリストリクターがレース中にスライドし、規定よりも多くの空気をエンジンに供給していたことが判明、この不正が発覚した結果、トヨタは1995年のWRC全てのポイントを剥奪、翌年のWRCへの参加を1年間禁止されました。これはWRC史上でも極めて厳しい処分となり、更にWRカーへのレギュレーション変更もありプラスもう1年ほどトヨタは出場せず、復帰したときにはカローラWRカーになっていました。つまり道半ばでST205セリカは姿を消してしまったのです。実質不正を手掛けたのは上記の通りTTEで、当時のFIAもここ10年の間で最も巧妙な不正行為と言ったとか。歴代のラリーカーとしてのセリカの中では一番不運な車になってしまったのです。