今回はカワサ菌!
カワサ菌がバイク界の流れを変えるべく吹かせた一陣の西風は、時代の流れとともに更に力強く吹き荒れました・・・そんな一台を。
【Kawasaki ZEPHYR χ】
「カワサキ ゼファー カイ」です。
1989年に生まれたカワサキゼファー、私の初代愛車でもあるんですが。それまでのレーサーレプリカ一辺倒だったバイクの売れ筋ジャンルの流れを変えた風になりましたが、他社からも強力なライバルが現れ
自社内でも水冷4気筒のZRX400(Ⅱ)が1994年から販売開始、その人気に陰りが見え始めていました。
そこで、空冷4気筒であるゼファーにもテコ入れ&高性能化をはかるべく。
1996年、ゼファーχ(カイ)としてリニューアル、発売開始となりました。
スペック
空冷4サイクル並列4気筒DOHC16バルブ、排気量399cc、最高出力53馬力です。
基本的にはゼファーの空冷GPz(小文字zですね)系列エンジンの改良型、まずは8バルブを16バルブ化、燃焼室形状を半球型からペントルーフ型へ、ピストンのトップ形状を半球形状からフラットに近い形状に変更、全面的に改良されたクランクシャフト、フライホイールマスを約12%低減、スロットル開度センサーの新設、吸排気系ではマフラー容量30%アップやエアクリーナー形状とキャブレターの改良などによってゼファー比7馬力のパワーアップを果たしています。
もう、エンジンは全面刷新と言って良いレベルかと。ゼファーで儲けてかなり手をいれる余裕がカワサ菌にはあった模様、ゼファーが売れる前には会社が潰れかけたのにw。
しかし、ヤマハさんがねぇ・・・こんなこと言っちゃたもんですから・・・あ~あ。
カワサ菌さんがブチキレた可能性もありますな・・・w。
公道最速・・・私の好きな言葉です☝️👽【イズム】
(同義語:んぁ?、レース?、あ、ウチはそういうのは別にどうでもいいんで)w。
いや、絶対XJRに対してキレてただろ、カワサ菌w。
翌年1997年に形式名ZR400-G2にチェンジ、ここで早速更なるテコ入れがありました。
実は最初のχは通常のゼファーと同じく5本スポークタイプのホイール、ブレーキも共通の異径2ポット、フロント17インチ、リヤ18インチホイールだったんですが。
ここから3本スポークタイプのホイールにデザイン変更、ホイール径もリヤが18インチから17インチになり前後とも17インチ化、こんな2本ラインのスポーティーなカラーもあったんですよ。
この足回りの変更で現代的な軽快さも手に入れました。
これ以降はカラーリングの変更主体で代を重ねて行き
ZR400-G3A
1999年発売、ゼファー誕生10周年を記念した火の玉イメージのスペシャルカラーモデル。サイドカバーに10th Anniversaryの文字が入っています、ゼファーχ最初の火の玉カラーです。
更なる改良はG5型にて、排気ガス規制対応のため、パイプ触媒と排出ガス再燃焼システム(KCA)の組み合わせによる「KLEEN」システムを新たに搭載。サイドカバーにKLEENマークが追加されています。
この後については
またカラーリング変更主体で進行、いわゆるタイガーカラーや
イエローボールカラーも追加、まさに空冷Z系のカラーリングを追体験していく形で販売。
そして、2009年
G8型のファイナルエディション、ゴールドのゼファーエンブレムを装備した火の玉カラー、これを最後にゼファーχはその歴史に幕を下ろしました。
ゼファーからだと1989年からの約20年、χからだと1996年からの約13年という長い歴史を2009年で終えたのです。
さて、ではゼファーとゼファーχ、何故χが造られたのか?。
実は初代のゼファーが登場した段階で、開発の方々のある一言がありました。
それは「ゼファーでやり残した事は、あとはエンジンの4バルブ化ぐらい」という発言です。
そう、このとおりやり残したことがあったということ。
これについては、デザイン面でもあったそうで。
こちらは初代ゼファーのほぼ最終的なデザインスケッチ、テール回りにご注目、結構切れあがったテールデザインですよね。
実はこの部分はカワサ菌社内で最後までかなり揉めた部分なんだそうで、このまま行くべきだ、いや、もっと角形ゼット(Z400FXなど)に寄せたデザインにしようと意見が真っ二つに分かれたんだそうです。
結局、初代ゼファーは角形ゼット系の意匠を生かしたテールデザインを採用。これ一台で丸型ゼットと角形ゼットのスタイルを再現したスタイルを追求した結果でした。
それに対して、ゼファーχでは最初のデザインに戻された感じに、丸みを帯びつつ切れあがったテールデザインになっているんです、これが、やり残したことその2だったのです。
ヤマハのXJR400への対抗、それも勿論あったのでしょうけど、初代ゼファーでやり残したことをもう一度やり直したというのもあったのではないでしょうか。
さて、中古市場・・・初代ゼファー共々最早爆発的に狂ってるレベルの価格ですよ・・・。
最低ラインでも軒並み100万円オーバー、これがファイナルエディションとなると・・・
160万円! ゚ ゚ ( Д )
更に極上となると
( Д ) ゚ ゚190万円!
はあ・・・なんだかなぁ。
まあ、昨今のゼファーとゼファーχの価格暴騰は、漫画「東卍」の影響もあるようですけどね、ホンダのバブ250もそうですが。
そして、やっぱりある絞ハン三段シートの「バンボーオヤヂ仕様」の数々世露死苦ぅ!w
それにしても上がり過ぎやろ・・・。
関西から吹いた一陣の西風は、一度は勢いを失いかけましたが、新たな心臓や足回りを得て復活、その後も約13年間(初代ゼファーからだと約20年間)という長きに渡り生産され続けロングセラーとなり、一度潰れかけたカワサ菌を救った救世主でもあるバイク、それがカワサキゼファーχ(カイ)なのです。
所有するなら?
個人的にはこの黒に火の玉風ゴールドストライプなカラーが良いですね、なんかシックで上品さを感じるので、そして絞りハンドルに三段シートでバンボーバンボーバンバンボー・・・それだとバンボーオヤヂ仕様やないかいw、それはやりません絶対。
パイプハンドルなら低めの一文字ハンドルか角度緩めのスワローハンドル、もしくはクリップオンのセパハンとバックステップで。
マフラーはやっぱり直管ショートの手曲げ集合管、ヨシムラかモリワキっしょ。黒のZ2風丸型ミラーも欲しいところですね。
サイドカバーだけちょいとヤンチャしてBEET工業のアルフィンカバーも装着、こんな感じで乗りたいかな。
実は初代愛車のゼファーもセパハン&バックステップで乗っていましたw。マフラーはSP忠男さんのところのスチール手曲げ風マフラーでね。
ところで、χ(カイ)って何ぞや?。
勿論改造の「改」にも掛けてあるわけですが、本来はギリシャ文字で「無限の可能性」という意味合いもあるんだそうです。
つまり、ゼファーが未来へと続くために、その可能性を見つけるための「χ」(カイ)でもあったわけですね。