
いっちゃいますか、いっちゃいましょう。
「成層圏」の名を冠するあの、イタリィの地上の戦闘機を。
【LANCIA STRATO'S】
「ランチア ストラトス」です。
車名をよく見ると「'」が入っていることにお気づきでしょうか?。成層圏は英語では「stratosphere」(ストラトスフィア)なんですが、車名はこの単語からの造語でストラト'スなんです。つまり正しいロゴは「'」で区切られているのです。
このストラトス、大別するとプロト ゼロ→プロト ティーポ→ストラダーレ(そして、コンペティツィオーネへ)となります。
ゼロはいわゆるコンセプトモデルで、1970年に発表されました。その斬新なスタイルは当時衝撃的なインパクトをあたえました。デザインはあのマルチェロ ガンディーニの手によるもの。

ドアが無い?、ランチアのエンブレムを動かすとフロントガラス部分が動きます。本当に斬新ですね。
翌1971年のトリノショーにて、より現実的なモデル「プロト ティーポ」を発表。

かなり市販型に近づいているのがわかります。ちなみにプロト ティーポとは「プロトタイプ」という意味合いです。このあたりで、ラリー参戦を目標にした開発が始まったとのことです。
そして、翌1974年にWRCホモロゲーション取得のための市販型「ストラダーレ」となります。

では、この市販型であるストラダーレでスペック。
フェラーリ ディーノのエンジンを搭載しており、水冷V型6気筒DOHC、排気量は2418cc、最高出力190psです。乾燥重量は980kgと市販型でもかなり軽量です。エンジンレイアウトは横置きでMR駆動。
サスペンションは前:ダブルウィッシュボーン後:マクファーソンストラット式、これはストラダーレのみでプロトティーポとレース仕様であるコンペティツィオーネでは、前後共にダブルウィッシュボーンとなります。
尚、車高の調整も容易に出来るそうです。グラベルとターマックで高さを変えられるようになっていたわけですね。
ストラダーレの総生産台数は、フィアットの意向で492台(諸説あり)、しかし、ストラトスの生産工程があるベルトーネのグルリアスコ工場が火災になり、全体生産台数に計上される予定であった1/5程のストラトスが大気圏突入の如く燃え尽きたそうです、勿体ねぇ・・・(;´д`)。
その後の調査によると、結果的に当時の残存数は生産済みのもの含め400台未満とのこと。392台とか385台とかこれも諸説あります。
ラリーシーンでの活躍は、もう語り尽くされていると思いますから割愛しますね(^-^;)。
この車、ホイールベースが「異常に短い」ということをご存知でしょうか?。
スズ菌保有者なので、例を上げるとスズキアルトの現行モデルのホイールベースは2360mmです。対してランチアストラトス(ストラダーレやコンペティツィオーネ)はなんと2180mm!!、つまり、現行の軽自動車よりホイールベースが短いのです。
これはラリー参戦を睨んだ回頭性を重視したセッティングで、つまり、直進安定性を「捨てていた」のです。実際にドライブしたドライバー達の証言によると、「コーナリングは素晴らしいが、真っ直ぐ走らせるのが難しい車だ」という言葉が沢山出てきます。ストラダーレでもかなり癖が強い車だそうです。直線より峠が得意なタイプといった所でしょうか。
ラリー以外でも、サーキットでも活躍した車で、マールボロカラーを纏った車幅を拡大したシルエットスタイルのストラトスも居ましたね。このタイプはホイールベースを延長して、エンジンにはKKKのターボが追加されています。
でも、やっぱり一番イメージするのは、ラリーでの「アリタリア航空」カラーでは?。

ランチア ストラトスといえば、やっぱこれでしょ!!(*^_^*)。
子供の頃に、ストラダーレ(本物)を一度だけ見たことがあります、スーパーカーブーマーですからショーでねw。
それ以降はとんとお目にかかれない。レプリカも沢山あるんですけどね(国産もありました)。
本物の中古車市場?、ストラダーレでもそれこそ成層圏を突き破るような御値段でしょうね。
調べると数年前にストラダーレの売り物が一台出たようですが、「6000万円」(から)のプライスタグ、オークションでしたから更につり上がったかも。
もう一度本物が見たい、あわよくば運転席に座ってみたいです・・・(´Д`)。
余談
そう言えば、2005年から「ストラトス」の商標は「フェノメノン」の手に渡っていて、フェノメノンもストラトスをフェラーリF430ベースで作ったわけですが。

これですね、フェノメノン ストラトス。結局市販したんですかね?、25台ほど作られたようですけど。
Posted at 2016/01/28 23:13:11 | |
トラックバック(0) |
好きな車